実家のお墓の悩み解決!お墓は引っ越しできる?故郷のお墓の見守り方
少子高齢化や時代の流れで従来的なお墓の維持・管理が難しくなりつつある
お墓を建てるときは、居住地の近くに建てるものですが、年月が経ち、世代交代が起こると、そこに住む人がいなくなり、お墓だけがその土地に残るケースがでてきます。
今住んでいる場所が、ふるさとから遠ければ遠いほど、お墓の維持と管理、そしてお墓参りが難しくなってきます。
そのため、田舎のお墓をしまう「墓じまい」をして、納骨堂や永代供養墓、また散骨や樹木葬といった従来とは違う埋葬スタイルを選ぶ人も増えてきています。納骨堂や永代供養墓も近代的になり、数万規模のお骨を収納できるビル型納骨堂も都市部に現れるようになりました。
交通の便が良い環境に建設されるこれらの新しいお墓の形態は、猛暑での墓そうじや墓参りといった、これまで不便だったお墓の管理から解放されることもあり、墓を見守っていく人が高齢化していくことを考えると、これからの時代にマッチしています。
お墓の引っ越しに関する相談は業界内でも増えてきている
では、親や先祖が残してくれた「墓石」が、今住んでいる場所から遠くにある人は、おしなべて墓じまいをして、新しい埋葬場所に納骨しなくてはいけないのでしょうか。そんなことはありません。
子ども時代に家族で墓参りをした、想い出がつまったお墓を引き継いでいきたいと考える人も、実は少なくないのです。
また、納骨堂や永代供養墓に改葬すれば安心かというと、そうとも言い切れません。なぜなら、納骨堂などを運営する宗教法人が、未来永劫続いていくとは限らない時代でもあるからです。一方で廃寺が加速している問題もあり、巨大化した納骨堂がつぶれてしまうことも、将来的にないとは言い切れないことを忘れてはいけません。
新しい埋葬スタイルが選べる時代だとはいえ、従来のお墓の歴史の長さとは比較にならないのは事実です。お墓にはそういった安心感もあるのか、実際に数年前から、お墓の引っ越しに関する相談が増えたという声が、業界内からあがっています。遠隔地への移設はもちろん、山などから、お参りしやすい墓地への移設などの近距離での相談も増えています。
新たに墓地を探す際には大きさ・高さなど問題ないかなどの確認が重要
故郷のお墓を今住んでいる場所に移動させるためには、まず新たに一般墓地を求めなければなりません。墓地をこれから探す場合に注意することは、実家のお墓が入るくらいの大きさの墓所があるかどうかです。
墓地によっては、建てるお墓の高さや大きさの規制を設けている所もあるので、実家のお墓の大きさを把握しておく必要があります。そのお墓を建てた石材店、または近くの石材店に、お墓の寸法を計測してもらうようお願いしてみるのが良いでしょう。
もし今あるお墓が新しい墓地の区画に収まりきらない場合は、墓石をすべて移動せず、上段の石だけを移設するということも可能です。
お墓の移設は石材店同士の連携がとれるとスムーズ
お墓を移設する際は、故郷の石材店にすべてを依頼できる場合と、移設先の石材店に依頼する場合、またはそのどちらもという三つのケースが考えられますが、一番多いのは後者のどちらの石材店にもお願いするケースです。
石材店同士が連携できれば、お墓の移設もスムーズに行うことができるでしょう。
墓守サービスの上手な活用も検討してみよう
お墓の引っ越しにはそれなりの費用がかかるため、故郷のお墓をそのままにして、管理を第三者にお願いしたいと考える人も多くなりそうです。ここで問題になってくるのは、お墓の管理をまかせられる縁故者がいない場合です。
そうしたときに利用したいのが、地元の石材店や事業者が行っている「墓守サービス」です。
サービスの内容は、「定期的な墓そうじ」、「墓参り代行」が主になります。
料金設定はさまざまで、一回の利用につき発生するパターン以外に、年間契約をお願いできるところもあります。最近では、「ふるさと納税」に、この「墓守サービス」を代行する自治体も増えてきていますので、今後は自治体での取り組みも増える可能性があります。
お墓から離れた場所に住んでいても、お墓を手放なさずに済む方法をご紹介しました。ふるさとは遠く離れても、心のふるさとでもあるお墓をずっと大切にできると良いですね。
(砂田 嘉寿子/墓石アドバイザー)
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