古川雄輝が初NG宣言!『猟奇的な彼女』クァク・ジェヨン監督の超ハードな撮影とは……映画『風の色』インタビュー
――では、監督が水を好き過ぎるがゆえに、氷水に入ったり?
古川:氷水に関しては大変でしたね。銭湯のシーンとバスタブのシーンがあるんですけど、銭湯に関しては、一番温度を低く設定して、氷をドバーッて入れて、氷が溶ける前に「はい、入って!」みたいな。「まぁでもぬるま湯だからな」と思って入ったらめちゃくちゃ冷たいんですよ。一瞬で氷水になる。バスタブの方も0度以下の水なので、人が入る冷たさじゃない……。バスタブのシーンは2回入って、3回めもやりたいって言われたんですけど、僕は人生で初めて監督に「出来ません」って言ったくらい、本当に人が入れる冷たさじゃなかったです。
――頭では入ろうと思っていても、氷がたくさん入ったバスタブに入るのは勇気がいったのでは?
古川:1回足を入れた瞬間、「これやべえな」と思って(笑)。大体普通は氷を入れるシーンでもプラスチックの偽物を使うと思うんです。それを本物ガッサーっていったんで……。
――大量の本物の氷を入れられた時、どう思いました?
古川:無ですけど……。ああ、これ入るのかぁって(笑)。あと、その時点ではまだどれだけ冷たいかわかっていなかったというのもあります。それ以外でも、脱出マジックで水の中に入って出てくるシーンは濡れていないといけないので、北海道の真夜中で氷点下以下の外で、水バッシャーかけて「本番!」って、やったりとか。寒さとの闘いはけっこうありましたね。
――湯気が出ているシーンもありましたもんね。
古川:あれは身体がまだ暖かいので蒸発しちゃって。湯気は湯気でまぁキレイに見えていて良かったです。あと、最後の水中のシーンも自分で入ったんですけど、実は手違いがあって温水を使う予定が真水がきて。スタントマンの人も「これちょっとキツイよ」って言っていたくらい。ウェットスーツの中に熱湯を入れながらじゃないと入れないくらいの寒さだったんです。
それでチェーンを巻いて、息を止めて本当に水の中に入って、チェーンを外してギリギリまで芝居をして出る、というのをやっていたら、低体温症と酸欠で倒れちゃって。しばらく休んだりしたんですけど、その日の内に撮らないといけないので、体調を崩したりもしました。
撮影後2週間ほど、3時間くらいしか歩けなくなってしまって。頭痛持ちじゃないのに後頭部の筋肉が固まっちゃったんですよ。頭がくらくらして頭痛がして、寝転がらないと過ごせないような状態が撮影が終わってから続いて。最初水圧で潜水病になったのかと思ったんですけど、そうではなくて、一種の偏頭痛になっちゃったんです。
――まさかあの脱出シーンを本当にご本人が演じられているとは思っていませんでした。
古川:本当に水の中に入っています。しかも真水! 5メートルくらいは潜水して、耳が詰まるくらいのところまでは行きました。上がったり下がったりをずっと1日中繰り返すと、実はすごく身体に悪くて。
――時間的にはどれくらいあのシーンを撮影されていたんですか?
古川:2日間。潜って出てを丸1日やりっぱなしです。トイレに行くときだけ出る、とかそんな感じだったと思います。
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