【プロ監修】里帰り出産のお礼のマナー&相場
里帰り出産をすると実家の生活費には負担がかかります。長期間お世話になった感謝の気持ちとして里帰り出産のお礼はしっかり行っておきたいものですよね。里帰り出産のお礼の相場や渡すタイミングについてレクチャーします。
里帰り出産のお礼はするべき?
© PIXTAたとえ自分の両親であっても、結婚して新たな家庭を築いている今は、別世帯であることを認識することが大切です。数ヶ月間お世話になるわけですから、相手の身になって考えれば、感謝の気持ちを表してくれることは嬉しいでしょう。
何より、きちんとお礼をすることによって、ご主人がしっかりとした分別ある一家の主であることを示し、ご両親を安心させることにもなります。
里帰り出産で、あなたと、孫である赤ちゃんのお世話をお願いすると、ご両親は喜んで迎えてくれることと思います。
その一方で、滞在中の食費、水道、ガス・光熱費といった生活費やベビー用品代、また、受け入れ準備や、ご両親の体力面などを考えると、さまざまな負担をかけてしまうのは確かなことです。
それだけでもお礼をする十分な理由になります。
また、実家のご両親が自分の兄弟世帯と同居している場合や夫の実家にお世話になる場合は、経済的に負担をかけることによる影響は、さらに大きくなります。
お金に関することは、たとえ親兄弟でも相手の立場に立った配慮が必要です。
【里帰り出産】お礼の相場はどれくらい?
現金で里帰り出産のお礼をする際の相場は、一般的には1ヶ月20,000~30,000円と考えて良いでしょう。
また、2人目の出産など、上の子供と一緒にお世話になる場合は、1ヶ月5,000~10,000円をプラスするのが一般的なようです。
1日3,000円など日割りで考える方もいれば、現金と商品券やお米などの現物と合わせて50,000〜60,000円というケースなど様々です。それぞれのご家庭の経済状況に応じた、できる範囲でのお礼の金額をご主人と相談して決めましょう。
どんなものを贈ると喜ばれるの?
© PIXTA里帰り出産のお礼は、滞在中に経済的な負担をかけてしまうことを考えると現金が一般的です。現金以外のお礼をする場合は相場を気にせず、ご両親の欲しいもの、喜んでいただけるものをリサーチしてプレゼントするのが良いでしょう。
例えば、こんな里帰り出産のお礼はいかがでしょうか?
商品券
欲しい時に欲しいものが選べる自由度があるのでお互いに便利です。
旅行券
「温泉で疲れを癒してくださいね」などのメッセージを添えた旅行券も喜ばれるでしょう。
グルメチケット
全国共通など、どこでも使えるレストランなどの食事券が良いでしょう。
高級お取り寄せ食材
ご両親の好みを考慮した上で、普段ご自身では用意しないような食材をプレゼントしましょう。
写真館で家族写真
写真館で、プロのカメラマンに可愛いお孫さんと一緒の家族写真を撮影してもらうなども喜ばれるでしょう。
家電製品
古くなって使い勝手が悪い家電を最新のものに買い換えてプレゼントすると喜ばれるのではないでしょうか。
パソコン
パソコンを使っているご両親には、最新のパソコンとインターネット接続など、すぐに使えるように設定してさしあげると喜ばれるでしょう。
お礼を渡すタイミングやマナーについて
里帰り出産のお礼をお渡しするのは、どのタイミングが良いのでしょうか?
実際のところ、お世話になる初日か、お世話になった後かは、人によって様々です。
特に厳密なルールやマナーはありませんが、ご両親の性格などに配慮したタイミングをご主人と2人で相談して決めましょう。
お礼を渡すタイミングと渡し方は?
お礼を渡すタイミングは、いろいろなケースが考えられますが、やはり里帰りの初日が一般的でベストだと思われます。
理由としては、お礼を先に渡すことで2人の心遣いが伝わり、ご両親も快くお世話ができ、お互いが気持ちよく過ごせるということがあげられます。
お世話になるお母様やお姑さんの性格によっては、必要以上に気を遣わせてしまう場合もありますので、そういうことも考慮して、いつどのように渡すのが良いかご主人と話し合うのが一番です。
なかなか渡すタイミングが作れない場合などは、里帰りを終えて帰る時に簡単なメッセージを添えて、わかりやすい場所にさり気なく置いていき、後ほどお礼の連絡を入れるという渡し方もあります。
お礼をお渡しする時は、里帰り先が実家であってもご主人のご実家でも、夫婦揃って、ご主人から「お世話をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶してお礼をお渡しし、感謝の気持ちを伝えるのが良いでしょう。
もしも、里帰り初日にご主人が仕事の都合などで不在の場合は、「○○さん(ご主人の名前)から預かって参りました」と、一言添えるようにしましょう。
のし袋やのしは必要?
© PIXTA一般的には、現金や商品券をお礼として渡す場合は、祝儀袋やのしを付けるのがマナーとされています。
しかし、相手はご両親や義両親。あまりにも堅苦しく考えすぎると他人行儀と感じてしまい、かえって寂しい思いをさせてしまうかもしれませんね。
最近は、気軽に使えるイラストやメッセージ入りの封筒型ののし袋も売られています。ご両親が喜んでくれそうなデザインのものを選んでお渡しするのもいいでしょう。
また、無地の封筒に「ありがとう」など、夫婦で感謝の言葉を表書きしてお渡ししてもマナー違反にはなりません。
お金を包む場合は、新札を使うことをおすすめします。その際、無造作に折りたたんだりせず、丁寧に扱いましょう。
大切なことは、感謝の気持ちを形に表して届けることです。
のし袋を使う場合は、一般的に贈る金額の1〜2%程度の値段の、のし袋を選ぶのが良いとされていますが、里帰り出産のお礼の場合は紅白の蝶結びの水引がプリントされている封筒が良いでしょう。あまりにも豪華すぎるものは、かえってご両親に気を使わせてしまうことにもなりかねません。
何度あっても嬉しい出産の場合は、結び切りではなく、蝶結びの水引を使います。
表書きは「御礼」や「感謝」などとして、夫婦2人の名前を書きましょう。
お礼を断られてしまった時は・・・
ご両親や義両親にお礼を用意していても「水臭い」と言われて、受け取りを固辞されることがあるかもしれません。
それは、照れや喜びの気持ちであったり、若い夫婦に負担をかけたくないという親心の表れなのです。
一度断られただけであきらめないで、まず、2度3度と誠意を込めて受け取ってもらえる努力をしましょう。
他人行儀と言われても感謝の気持ちを伝えて理解してもらうことが大切です。
相手の性格にもよりますが、断られても3回まではお礼を申し出ても良いでしょう。
それ以上しつこくすると、かえって失礼に当たることになるので注意が必要です。
先に述べたように、断る理由のほとんどは親心です。
現金でお礼を渡しても「このお金は赤ちゃんに」と、返されることもあるかもしれません。
その場合は、こちらの気持ちを押しつけず、相手の気持ちを察して対応をするように心がけましょう。
どうしても受け取ってもらえない場合は、後日、お宮参りにお招きしたり、赤ちゃんの写真や手紙をお送りするなどで、感謝の気持ちをお伝えするのが良いでしょう。
手紙で感謝の気持ちを伝えよう
© PIXTAお礼の気持ちを手紙にすると思いがより伝わりやすくなり、また、受け取ったご両親も嬉しいことでしょう。
お世話になる初日にお礼を渡す時には、「お世話をおかけいたしますが、よろしくお願いします」など、簡単な挨拶の言葉を書いた一筆箋を添えると良いでしょう。
里帰り出産でお世話になった後、家に戻ってからお礼状を出す場合は、お世話になったお礼の言葉はもちろんのこと、ご両親の健康への気遣いなど、文体を気にせず自分らしい言葉で、気持ちを込めて書きましょう。
手紙には、赤ちゃんの写真を同封すると喜ばれることと思います。
【お礼を渡す時に添える一筆箋の文例】
お父さん、お母さんへ
この度は、里帰り出産でお世話になります。
少ないですが、お礼の気持ちです。
ぜひお受け取りください。
これからしばらく、よろしくお願いします。
名前
【お世話になった後、改めて送る手紙の文例】
お父さん、お母さん
出産前後の2ヶ月、里帰り中は本当にお世話になりました。
特に出産後は昼夜を問わずサポートしてくれて、本当にありがとう。
初めての出産で不安だらけでしたが、安心して過ごすことができました。
おかげで私は、心も体もたっぷり休養することができたけど、
お父さんとお母さんには、毎日毎日、昼も夜も大変な思いをさせてしまいましたね。
でも、久しぶりに家族に甘えることができて幸せいっぱいでした。
生まれてきた赤ちゃんにもその幸せを伝えていこうと思います。
この2ヶ月のことは、一生忘れることはありません。
いろいろ助けてもらったおかげで、赤ちゃんとの生活もなんとか頑張れそうです。
たくさん面倒をかけて疲れさせてしまったと思います。
ゆっくり休んで、どうか健康に気をつけて長生きしてくださいね。
おじいちゃん、おばあちゃん。
ありがとう。
名前
いかがでしたか? 里帰り出産のお礼で大切なのは、お世話になった相手へ誠意を込めて感謝の気持ちを伝えることです。受け取っていただく両親や義両親の気持ちを配慮してお礼を用意しましょう。
監修:金森たかこ
マナー講師・話し方マナーコミュニケーション講師。ウイズ株式会社社長兼西日本エリア代表。一般社団法人マナー教育推進協会代表理事副会長。ヒロコマナーグループ代表西出ひろ子に師事し、京都を拠点に全国の企業や学校でマナー指導を行う。「入社1年目ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社)は、2017年度ビジネスマナー本売上げNO.1のベストセラーに。テレビ、新聞などのメディアでも活躍中。ウイズ株式会社
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