果物の摂取は本当に体に良いのか?どんな果物が体にどのような影響を及ぼすか?

果物の摂取は本当に体に良いのか?どんな果物が体にどのような影響を及ぼすか?

厚労省、農水省も言及している「果物の摂取」

食事と健康についての情報を目にしないことが無いぐらい、現在は様々な『食と健康』についての情報があふれております。そんな中で『甘いから太る』『ビタミンなどが豊富で体に良い』様々な情報が錯綜している果物の摂取は本当に体に良いのか?ということに触れてみたいと思います。

まず結論から言えば、厚生労働省、農林水産省が作成した『食事バランスガイド』でも健康のためには果物を1日200g程度摂取するとよいという目安が表示されているので、厚労省、農水省のお墨付きですから当然食べること自体は『体に良い』と言って問題ないでしょう。

ちなみに、健康的な果物の摂取量200gと言ってもなかなかピンと来ないとおもいますが、たとえば、梨なら1個、柿なら2個、桃なら2個、りんごなら1個、みかんなら2個と大きさによりもちろん前後はしますが200gというとこれくらいの量です。

「いつ食べるか」は果物を摂取する大きなポイント

人類が太古より食べてきた果物は豊富なビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。当然食べることで体にとってプラスのことはたくさんあります。

ビタミンやミネラル、そして最近話題のフィトケミカルがどう体に良いかはここでは割愛しますが、それらが体に良いことは明白です。しかし、どんな食べ物も過ぎたるは及ばざるが如し、食べ過ぎは当然マイナスのことがありますし、食事で大切なのは量だけでなく『いつ』食べるか?ということです。また果物のように基本的に生で食べることが多い食べ物は食べる方の体調により注意が必要な場合もあります。

まず『いつ食べるか?』ですが、果物はヨーロッパのことわざでは『朝の果物は金、昼は銀、夜は銅』と言われるぐらい、古来より朝食べることがもっとも良いとされています。

朝が良いという理由ですが、一般的には果物の主成分である果糖は非常に吸収が良い糖質で、エネルギーをもっとも必要とする朝に素早く脳や筋肉などのエネルギー源となり一日のスタートにピッタリだからです。

では、なんで夜に食べるのがあまり良くないのでしょうか?実は吸収の良いこの果糖、中性脂肪に変わりやすいという特徴も持っているのです。ですからカラダをあまり動かさない、エネルギーを必要としない夜に食べると使われなかったエネルギーが脂肪として蓄積されやすいのです。

これが『金銀銅』の所以です。そして、食べる時間にも気をつけてほしいですが、食べ方も大切です。ジュースやスムージーなどにして流し込むよりは、食後高血糖の防止にもなるのでぜひよく噛んで、果物その物で食べることをおすすめします。

果物にはカラダを冷やす性質もある

そして果物はほとんどの物が基本的にはカラダを冷やす性質があると言われています。養生訓の著書で有名な江戸時代の儒学者『貝原益軒』はその著書の中でも『果物は基本的にはカラダを冷やすものなので、火を入れてから食べろ』という風に伝えています。

最近では『焼きみかん』なども流行しており、少しずつ温めて果物を食べる習慣も増えてきていますが、冷え性の方などが冬場に果物をたくさん食べすぎたり、夜にたくさん食べたりすることはカラダを冷やす原因にもなるので、注意が必要です。

さらに果物は食べるとアレルギーが出るものが多くあることでも有名ですが、近年の研究でわかってきたのですが、花粉症などアレルギーの季節に、花粉症などの症状がひどい方が果物を食べすぎると、普段はでないような果物や野菜でもアレルギー症状がでてしまう研究データもありますから花粉症などの時期の食べ過ぎには冷え性の方同様に注意しましょう。

せっかくの天然の栄養素です。食べる時間、体調に注意をしながら効率的に、カラダのプラスになるように上手に摂取して健康に役立てたいですね。

(早川 弘太/健康コンサルタント)

関連記事リンク(外部サイト)

行き過ぎたベジタリアンは要注意!?野菜だけで補えない栄養素とは?
朝食抜きは良いことなし。朝食を習慣化するにはどうすればいいか?
歯の健康は寿命にも影響を及ぼす 健康な歯を残すためにすべきこと

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 果物の摂取は本当に体に良いのか?どんな果物が体にどのような影響を及ぼすか?
JIJICO

JIJICO

最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。

ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。