品川勤務者が朝快適に通勤できる路線はどこ? 路線の「混雑率」と「遅延状況」から探ってみた
日々、ビジネスパーソンのストレスとなる朝の通勤ラッシュ。もう少し快適に通勤したい……と考える人も多いだろう。では、どの路線が快適に通勤できるのか。勤務地によって答えは変わってくるが、今回は新駅開設やリニア中央新幹線のターミナル駅として注目を集め、周辺の開発も進む「品川駅」に通うビジネスパーソンを想定して、路線の「混雑率」と「遅延状況」から快適に通勤できる路線を探ってみたい。
品川駅へ快適に通勤できる路線はどこか?
品川駅に快適に通勤できる路線はどこか? まずは電車の「混雑率」から探ってみたい。「混雑率」については、国土交通省が毎年データを公表しており、そこからどの路線が混雑しているのか知ることができる。品川駅に乗り入れている路線は、JRの東海道線、山手線、京浜東北線、横須賀線(総武線快速線)と、京浜急行電鉄。(今回は特別急行列車である成田エクスプレスと、新幹線は除外)
それぞれの路線の混雑率は以下のとおり。
【JR】
・東海道線 川崎 → 品川 混雑率 184%(7:39~8:39)
・山手線
-外回り 上野 → 御徒町 混雑率 159%(7:40~8:40)
-内回り 新大久保 → 新宿 混雑率 165%(7:40~8:40)
・京浜東北線 大井町 → 品川 混雑率 182%(7:34~8:34)
・横須賀線(総武快速線)武蔵小杉 → 西大井 混雑率 191%( 7:26~8:26)
【大手民鉄】
・京浜急行電鉄 戸部 → 横浜 混雑率 145%(7:30~8:30)
※混雑率は最混雑時間帯1時間の平均
平成28年 国土交通省発表 混雑率データ より引用
このデータを見ると、品川駅に乗り入れる路線のうち、最も混雑率が少ないのは「京浜急行電鉄」ということが分かる。しかも、最も混雑するのは戸部駅から横浜駅の区間。すなわち、横浜駅から品川駅の最混雑時間帯の混雑率は、145%よりも低いということだ。ちなみに、混雑率の目安は
・100% 定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる)。
・150% 広げて楽に新聞を読める。
・180% 折りたたむなど無理をすれば新聞を読める。
・200% 体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。
・250% 電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない。
と定められており、145%であればある程度快適に通勤できそうだ。
各路線の「遅延状況」はどうか?
快適に通勤するために、混雑率とともに見ておきたいのが、「遅延状況」。通常は快適に通勤することができても、頻繁に遅延するようであれば快適とはいえない。遅延によって突発的な混雑も発生し、ストレスとなる。
この「遅延状況」についても、国土交通省が2016年4月に公開した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」内の、「遅延対策ワーキング・グループ最終取りまとめ」において、首都圏11事業者51路線の平成25年11月の平日20日間における遅延証明書の発行状況が公表されている。
各路線の遅延証明書の発行状況は以下のとおり。
【JR】
・東海道線 東京~湯河原 80%
・山手線 全線 90%
・京浜東北線 大宮~大船 85%
・横須賀線・総武快速線(大船~東京~稲毛) 85%
【大手民鉄】
・京浜急行電鉄 品川~横浜 10%
国土交通省 遅延対策ワーキング・グループ報告資料より。
JRの各路線が全て80%を超えているのに対して、京浜急行電鉄は10%と大幅に低い。この遅延証明書の発行状況から見ても、混雑率同様に「京浜急行電鉄」が最も快適な路線といえそうだ。
実際どうなのか? 朝の京浜急行に乗ってみた
「混雑率」と「遅延状況」、それぞれデータ上では品川勤務者が品川駅まで快適に通勤できそうなのが「京浜急行電鉄」という結果になったが、実際のところはどうなのだろう? 「遅延状況」について体感するのは難しいが、混雑率については、実際に確かめることができるだろう。ということで、今回は、普段JRの逗子駅から東京駅まで通勤をしている編集部員に、朝のラッシュの時間帯に逗子駅から徒歩5分程度のところにある、京浜急行電鉄の新逗子駅から品川駅まで電車に乗ってもらい、混雑の状況について聞いてみた。
「毎朝逗子駅からJR横須賀線で東京駅まで通勤する際に、品川駅も通過するのですが、その時の混み具合に比べると余裕があるように感じました。混雑率のデータでも、武蔵小杉から西大井が191%とあるように、本当にぎゅうぎゅう詰めで隣の人と密着するくらいなのですが、京浜急行電鉄ではさすがにラッシュ時なので人は多いものの、隣の人と触れることなく、スマートフォンでニュースのチェックも快適にすることもできました」
とのこと。実際の声を聞いてみても、品川まで通勤する場合、京浜急行電鉄を使うとある程度は快適に通うことができそうだ。
「住みたい街ランキング」にランクインする京浜急行電鉄の街と相場
品川駅へ行くには、京浜急行電鉄が他の路線と比較して快適に通勤できそうだということが分かったところで、路線内では、どの街(駅)が人気なのだろうか。SUUMOが毎年発表している「住みたい街ランキング2017(関東版)」で上位100位にランクインした駅を見てみた。
・横浜駅(3位)
・京急蒲田(※蒲田駅が75位。京急蒲田までは歩いて約12分と徒歩圏内のため含んだ)
・上大岡(88位)
※品川駅(5位)は除く
住みたい街ランキングのトップ100位にランクインした駅のなかで、京浜急行電鉄を使えるのは「横浜駅(3位)」、「京急蒲田(※蒲田駅が75位)」、「上大岡(88位)」の3駅。気になる家賃相場について、SUUMOの家賃相場で確認した。
検索条件を「アパート」「駅徒歩1分~5分」「築年数0年~5年」を指定したところ、ワンルームでは横浜が「6.6万円」、京急蒲田が「7.3万円」、上大岡駅が「6.3万」。都内の物件と比較して割安な6万円台から物件があるというのはうれしい。しかも、通勤は比較的快適。気になった品川勤務の方は一度街に行って雰囲気を見てみるのもいいかもしれない。 【画像1】横浜駅の家賃相場(条件は「アパート」、「駅徒歩1分~5分」、「築年数0年~5年」を指定)画像は2017年10月11日時点のSUUMOの家賃相場データのスクリーンショットより 【画像2】京急蒲田駅の家賃相場(条件は「アパート」、「駅徒歩1分~5分」、「築年数0年~5年」を指定)画像は2017年10月11日時点のSUUMOの家賃相場データのスクリーンショットより【画像3】上大岡駅の家賃相場(条件は「アパート」、「駅徒歩1分~5分」、「築年数0年~5年」を指定)画像は2017年11月16日時点のSUUMOの家賃相場データのスクリーンショットより
今回は「品川」に通うビジネスパーソンを想定して、快適な路線を「混雑率」と「遅延状況」から見た結果、「京浜急行電鉄」が最も快適に通勤できそうだという結果になった。毎朝の通勤ラッシュはかなりのストレスだが、ここが快適になれば、日々の生活の満足度もかなり高まるかもしれない。引越し前には、住む街の雰囲気とともにこういった「混雑率」などのデータを確認したり、実際に通勤に使う電車に乗ってみたりすることで、混み具合を確認しておくのがよいだろう。
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