3D ガラスパネルデザイン、デュアルカメラ、Moto Key を始めとした数々の新機能によって魅力が増した Motorola スマートフォン新モデル「Moto X4」のレビューをお送りします。Moto X4 は 2015 年まではフラッグシップモデルとして展開されていた「Moto X」シリーズの第 4 作です。今回はハイエンドモデルではなく、ミッドレンジモデルのカテゴリで展開され、少し残念な気もしますが、全体的にバランスの取れた機種なので幅広い方におすすめできます。今回は国内モデルを入手しました。型番は「XT1900-2」です。カラバリはブラックとなります。ちなみに、Moto X4 はブルーが人気のようです。
Motorola らしからぬ美ボディ「Bringing Style into Sharp Focus」というキャッチコピーにも現れるように、Moto X4 ではこれまでの Moto スマホには無かった 3D ガラスパネルデザインを採用しています。HTC U シリーズに似た構造です。
きめ細かな表面仕上げの金属フレームと端っこまでカーブし思わず撫でたくなってしまうガラスパネルを備えた Moto X4。ただ美しいだけではなく、ガラス面が手の平に沿って密着するような良い持ち味を提供してくれます。少しだけ突出したリアカメラが気になるかもしれませんが、これはこれで、Motorola らしさだと思います。
Moto X4 の 5.2 インチディスプレイは 1,920 x 1,080 ピクセルと現代のスマートフォンの中ではいたって平凡なスペックです。液晶なので AMOLED と比べると色褪せ感が見られますが、最高輝度が高く屋外での視認性は抜群。タッチパネルの誤作動も今のところありませんでした。
Moto X4 は 5.2 インチスマートフォンで、筐体サイズは 148.35 x 73.4 x 7.99mm、質量は 163g です。スリムな端末ではありませんが、端末自体はとてもコンパクトです。また、IP68 レベルの優れた防水・防塵に対応しているので、日常生活の中で体験する程度の水濡れなら耐えると思います。
Moto X4 のスピーカーは通話用の一つだけ。ここからメディア音も流れてきます。モノラルスピーカーですが、iPhone のスピーカーのように人のボイスを強調するように調節されており、思いのほか良い音でした。また、スピーカーの左側にはフロントカメラ用の LED フラッシュが搭載されています。
Moto X4 は前面下部に指紋リーダー付きのホームボタンを搭載していますが、デフォルトの操作ボタンはオンスクリーンボタンです。ただ、Moto アプリで「ワンボタンナビ」を有効にすると、ホームボタンのスワイプジェスチャーで操作できるようになり、その分、画面の表示領域も拡大します。この仕組みは昨年モデルと変わりません。
先進的な機能を備えたデュアルカメラMoto X4 を語る上で外せないのがカメラです。リアカメラは 1,200 万画素(1.4μm 画素サイズ、F2.0 レンズ、デュアルピクセル AF)のメインカメラに、120 度の広角レンズを持つ 800 万画素(1.12μm 画素サイズ、F2.2)の広角カメラ(サブカメラ)が追加され、サブカメラが照度情報や色彩情報を補完するため、例えばオートフォーカスが素早く会う、また、夜景や暗い場所でも明るく、そして綺麗に撮影することができます。この役割だけではなく、サブカメラに切り替えると広角で撮影することができ、背景をぼかしたり、特定の色のみを抽出してそれ以外はモノクロにして撮影したり、「スマートカメラ」を使えば被写体や建物を認識してその中に含まれる情報を抽出したり、建築物に関する詳しい情報をその場で確認することもできます。もちろん、端末を 2 回ひねってカメラを起動するクイックキャプチャーや QR コード・バーコードを認識する機能、4K @ 30fps での動画撮影にも対応しています。ただ、背景をぼかす際にはプレビューの動きがガクガクだったりと、パフォーマンスはあまりよろしくありませんでした。これはプロセッサの性能が大きく影響していると思われます。
iPhone のように被写界深度エフェクトも適用できます。
「スポットカラー」でオレンジ色だけを抽出し、それ以外はモノクロにしています。
「顔フィルター」を使えば人の顔に様々な仮想デコレーションを合成したり、美顔にすることができます。
広角レンズのサブカメラにするには縦撮りモードの際に左に現れる丸いアイコンをタップします。すると、通常よりも広い画角で写真を撮影できます。
スマートカメラの中には「被写体認識」と「ランドマーク認識」という機能があり、被写体認識では名刺のデータやポスターの日付等を抽出できます。また、ランドマーク認識では、東京タワーやエッフェル塔などの有名な建築物に関するネット情報を提案します。Moto X4 のフロントカメラは自撮りに適した仕様です。カメラモジュールは 1,600 万画素(1.0μm 画素サイズ、F2.2 レンズ)と解像度が高く、Selfie Filter 機能によって Snow のように自撮り写真に様々なアニメーションレイヤーを合成することができます。
パフォーマンスはまずまずx。Moto X4 のプロセッサはミッドレンジモデル向けの「Snapdragon 630(2.2GHz オクタコア)」です。プロセッサが少し貧弱なのでフラッグシップ級の性能は期待できませんが、日常的に行うようなアプリの操作くらいなら、ストレスを全く感じることなくこなせました。RAM は 4GB、ROM は 32GB です。Moto X4 は Micro SD カードにも対応しているので、ストレージ領域が大きな問題になることはありません。ちなみに、Antutu のスコアは 69,527 点でした。ZenFone 3 よりを少し上回る程度です。
au VoLTE も対応Moto X4 は国内キャリアの LTE 周波数帯を幅広くサポートしたほか、au VoLTE にも対応しているので、au の SIM や au 系 SIM でも DSDS のメリットを享受することができます。
Android 7.1.1 Nougat だけど数々の新機能を搭載Moto X4 は Android 8.0 ではなく、Android 7.1 で発売されましたが、3 本指で画面をタップするとスクリーンショットを撮影できる「クイックキャプチャー」や、Windows PC の指紋ログインを可能にするパスワードマネージャー「Moto Key」、最大 4 台までの Bluetooth スピーカーと同時に接続でき、さらに最大 2 台の Moto X4 でステレオ環境を構築できるなどの他の機種にはない優れた機能を搭載しています。カメラのところで紹介したスマートカメラもその一つです。
Motorola 端末の独自機能は全て「Moto アプリ」から利用できます。
2 日持ちも夢じゃない長持ちバッテリーMoto X4 のバッテリー容量は 3,000mAh と、5.2 インチ端末の中では大容量だと言えます。実際に使ってみると大容量なのは体感できます。次の写真の例だと、100% から 57% に減るまで約 13 時間使用できました(画面の店頭時間は 3 時間 3 分です)。これには就寝時間も含まれていますが、日をまたいでも半分以上も残っているので、ライトな使い方だと 2 日持つことも可能でしょう。
また、Moto X4 は 15W の TurboPower 充電にも対応しているので、バッテリー容量は大きくても短時間で充電を完了させることができます。Moto X4 は他にも、通信機能では Wi-Fi a/b/g/b/n/ac、Bluetooth 5、NFC に対応しており、最近では不採用の機種も増えてきたイヤホン端子を装備しています。価格は 6 万円弱と決して安い機種ではありませんが手の出せない価格ではありません。これまで紹介してきた素晴らしい機能の数々を考慮すると Moto X4 は多くの方におすすめできます。ただ、性能はハイエンドモデルよりも明らかに劣るので、何よりも性能を重視する方はもっとスペックの高い機種を選択すべきでしょう。
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