自宅からすぐ! むしろ自宅?設備充実「マンション内サークル」に潜入

自宅からすぐ! むしろ自宅?設備も充実!マンション内サークル活動が魅力なワケ

最近、注目されるマンションのコミュニティ作り。その一助となるマンションのサークル活動も、プロの講師を呼んだり、特別な設備を導入したり、単なる趣味活動の域を越えてきている。今回はそんなマンション独自の施設や、住民の特技を活かした活動などを取材させてもらった。サークルに参加されている方の声もあわせて、いくつかのマンションの例をご紹介したい。

共用部を活用したサークル活動や教室に注目

最近の大規模マンションでは、共用施設が充実しているものが多い。中にはマンションの共用施設という常識を超えるような施設がある場合もある。だが、その活用方法に頭を悩ませているマンションも多い。共用施設を上手く利用しつつ、住民同士の円滑なコミュニケーションにも生かしている例を取材させてもらった。

1つは湾岸部の築10年とまだ新しいマンション、もう一つは築35年近い川崎市のマンションだ。いずれもサークルが、住民の間のコミュニティツールとして活用されている。

ヨガで朝から健康に…ブリリアマーレ有明

【画像1】一人ひとり丁寧に指導する吉澤愛さん(写真撮影/四宮朱美)

【画像1】一人ひとり丁寧に指導する吉澤愛さん(写真撮影/四宮朱美)

東京江東区有明1丁目に建つ1085戸の「ブリリアマーレ有明」。 最大の特徴は33階の最上階に共用施設が集まっていることだ。露天風呂付きのスパ(大浴場)、多彩な4つのゲストルーム、セラピールーム、トレーニングジム、キッチンスタジオ、100席あるバーラウンジにはレストランも入っている。

なかでも本格的な25mプールは圧巻だ。この一角にあるウッドデッキで、週に4日、ヨガ、ピラティス、脳活トレーニングなどの教室が開催されている。しかも利用料は1回500円のワンコインだ。現在、一回当たり定員14名だが毎月抽選になるほどの人気だ。

現在、理事長の川端正樹氏の案内で土曜日の朝ヨガに伺った。「このマンションは豊富な共用施設をどう生かすかを工夫することが重要です。そのために『私は〇〇を教えられる』と『私は△△を習いたい』をアンケートに取り、うまくマッチングさせ、共用施設を活用した教室やサークル活動を実施しています」とのこと。

指導しているのは、プロのヨガインストラクターであり住民でもある吉澤愛さんだ。「2013年からトライアルで始めました。気楽に始められると皆さんに喜んでもらえているようです」。マンション内なので朝8時30分からでも参加しやすい。

「家からトレーニングウェアで来て、終わればそのまま着替えずに自宅に帰ってシャワーが浴びられるのでラクに参加できるのが一番。だから無理なく続けられるんだと思います」と参加者の方。

また「土曜日の朝、夫に子どもを見てもらっている間に参加しています。外の教室に通うのは無理でも、ここなら大丈夫ですから」という子育てママも参加している。吉澤さん自身も子どもがいる上に、現在妊娠中だ。ママさん同士、妊娠期間中の体調や子育てについて相談できる場にもなっている。

「ベテランママの方に私が相談することもありますよ。ヨガは妊娠している方にも良いので私のレッスンでは無理のない範囲で続けられるようにしています」【画像2】最上階の光あふれるウッドデッキは立派な25mプールに隣接(写真撮影/四宮朱美)

【画像2】最上階の光あふれるウッドデッキは立派な25mプールに隣接(写真撮影/四宮朱美)

子どもたちも加わって陶芸教室…パークシティ溝の口

 【画像3】ふだんは大人だけだが夏休みなので子どもが参加している「陶芸くらぶ」(写真撮影/四宮朱美)

【画像3】ふだんは大人だけだが夏休みなので子どもが参加している「陶芸くらぶ」(写真撮影/四宮朱美)

1982年から1984年の間、5期にわたって竣工した全1103戸の「パークシティ溝の口」。高層棟5棟、低層棟7棟の合計12棟が約5万7000m2の広大な緑豊かな敷地に、ゆとりを持って配置されており、築30年を超えた今でも人気が衰えない。

「陶芸くらぶ」は同物件が完成したときに、売主の三井不動産より陶芸用電気窯を寄贈されたことを契機に1985年に開設された。住民が自然と陶芸をする機会にめぐまれた珍しい例だと言えよう。

ふだんは週に4日活動、年齢層は40代から80代の方まで幅広い世代の方が参加している。入会金5000円 、月会費3000円(材料費や削り用道具等は各自負担、焼成代も実費支払い)と気軽な費用で始められる。初心者用のカリキュラムも用意されているので、これから陶芸をやってみたいという人でも、基礎から学ぶことができる。また月に1度、陶芸家の宮崎恭子先生も指導にきてくれるそうだ。

取材させていただいた日は夏休みとあって「子ども陶芸くらぶ」が開催されていた。思い思いの絵付けに挑戦しているのをベテラン部員が指導している。子どもたちもイキイキと絵付けしている。

陶芸用電気窯の他に、電動ろくろ、土練り台、釉薬、粘土などの必要な道具、材料がすべて揃っている。この集会室で完成までできるのが大きな魅力だ。

「家の近くにあるというのが便利ですね。使う道具も集会室に置いておけるので、荷物を持たず家事の合間にこられるから続けられます」という会員の声が多い。

マンションで開催される秋まつりでは、会員の作品が販売されるがいつも好評だ。なんと当日参加された栗山さんは、会員の作った陶器を購入していて、調理器具を紹介するという仕事の記事の中で活用されていた。

「こんな風に活用されているのを知ると私たちも励みになりますね」と会員の方も喜んでいた。

たくさんの方が参加されていてチームワークも抜群だ。他にも音楽や体操など、自主的に運営されているサークルがたくさんあるそうだ。【画像4】マンションで開かれる秋祭りで作品を販売(写真撮影/四宮朱美) 【画像4】マンションで開かれる秋祭りで作品を販売(写真撮影/四宮朱美) 【画像5】購入したお皿を撮影で活用(写真提供/栗山琢宏さん)

【画像5】購入したお皿を撮影で活用(写真提供/栗山琢宏さん)

費用も抑えられて知り合いも増える

どちらのマンションも施設内の共用施設を上手く活用している。外部施設では高額になる使用料が安いので活動にかかる費用も抑えられる。しかも自宅から近いので参加するのも気軽だ。

加えてマンション内に顔見知りができるのも大きなメリットだろう。いずれも参加後にお茶を飲んだり、会話を楽しむことが多い。同じ目的を持つ人間同士は自然なつながりができやすい。

また、両マンションも独自のホームページを開設しているのも特徴だ。住んでいる人はもちろん外部から見てもマンション内のコミュニティが上手く醸成されていることが分かやすい。マンションの人気にもつながるサークル活動は、「第三の場所」(※)づくりにも貢献しているようだ。

※第三の場所とは、社会学者のOldenburgが、主に都市生活において不可欠なものの一つとして指摘したもの。 自宅は「第一の場所」、職場は「第二の場所」としたときに「 第三の場所」とは、イギリスのパブやフランスのカフェのように、不特定の人々が交流する物理的な空間のことを指している。●取材協力

ブリリアマーレ有明公式サイト

・パークシティ溝の口公式サイト
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