2013年に開かれる「ユネスコ世界記録遺産国際諮問委員会」 開催地は韓国? どこなの?
青森の『ねぶた祭り』に似た韓国の『燃灯会』がユネスコ(国連教育科学文化機関)に登録されそうだと、インターネット上で騒動になっているが、今回はこれとはちょっと別に、世界記録遺産国際諮問委員会(IAC)についてお伝えしたいと思う。
韓国の文化財庁は3月、「キムチ文化とキムチ」「燃灯会」を人類無形遺産に、「乱中日記」「セマウル運動記録物」を世界記録遺産に申請すると発表した。この中の韓国が「乱中日記」などを申請した世界記録遺産は、ユネスコが主催する三大遺産事業のひとつで、世界の歴史的記録物を1997年から2年毎に開催されるIACで審査し登録している。
これまでIACは世界の各都市で開催されており、ウズベキスタン・タシケント(97年)、韓国・慶州(01年)、ポーランド・グダニスク(03年)中国・麗江(05年)、英国・マンチェスター(2011年)などで開かれた。(余談だが2011年には日本の炭鉱記録画家・山本作兵衛が描き残した筑豊の炭鉱画697点が登録された)
気になるのは次の開催地。すると、韓国メディアは文化財庁の発表について報じた記事の中で、次のように伝えていた。
「世界記録遺産に最終登録されるかどうかは、来年6月に韓国で開催される世界記録遺産国際諮問委員会で決定され、無形文化遺産の登録は来年11月に開かれる第8回無形遺産委員会(開催地未定)で決まる。」(中央日報より引用)
ということは次の開催地は韓国? 中央日報以外にもYTNなど多くのメディアがこれを伝えており、情報は確かなような気がする。だが、ユネスコのHPを確認してみてもそのような記述は見当たらない。正式に韓国開催が決定しているのか疑問に思い、日本ユネスコ国内委員会事務局(文部科学省内)に問い合わせてみることにした。
「次回の開催地についてはユネスコのHPに記載されていないので、今のところ分かりません」
いつ開催地が決定するのか聞いてみたが、それも不明だという。ということは、日本側がまだ情報を得ていないだけなのだろうか。それとも韓国メディアが間違って報じてしまったのだろうか。
韓国メディアが報じたIAC関係の記事を再度調べてみたところ、次のような記事を発見した。「ジャン・ビョンワン『世界記録遺産国際諮問委員会、光州に誘致する』」(マネートゥデイ3月25日付)。ジャン・ビョンワンは、韓国・光州南区から選出された民主統合党の議員だ。記事によると、ジャン氏は「4月末に開催都市が決定する2013年世界記録遺産国際諮問委員会の光州誘致に積極的に乗り出した」そうで、3月15日に誘致計画書を文化財庁に提出したのだという。ということは、やっぱり開催地は決まっていないんじゃん!
近年韓国はユネスコの登録に積極的に乗り出しているため、韓国メディアが「来年6月に韓国で開催される世界記録遺産国際諮問委員会で決定され…」と報じた時には、何か裏があるのではないかと勘ぐってしまった。マネートゥデイの報道が確かなら、IACの開催地は4月末に決定されるようだ。果たして韓国メディアが報じた通り、韓国開催となるのだろうか? 新しい情報が入り次第、またお伝えしたい。
画像:Memory of the World | United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization/マネートゥデイより引用
※この記事は、ゴールドラッシュの「朴美奈」が執筆しました。[リンク]
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。