「もし女子高生が総理になったら!?」 津田大介×女子高生3人 全文書き起こし(3)

左から、有田工業高校デザイン科3年(番組出演当時)・川添こころさん、島田花穂さん、田中みづきさん、毎日新聞論説副委員長の与良正男さん、「サステナ」代表のマエキタミヤコさん、メディア・アクティビストの津田大介さん

 「全国高校デザイン選手権(デザセン)2011」で、「選挙」をテーマとし、新たな選挙の仕方をプレゼンして優勝した有田工業高校の女子高生3人が出演した2011年3月25日のニコニコ生放送の討論番組『もし女子高生が総理になったら!?』。この中で、(番組出演時はまだ高校生だった)彼女たちは、同席した”大人”たちも唸るような鋭い意見を述べつつも、女子高生らしい明るい笑いを見せていた。以下、全文(part3)を書き起こして紹介する。
 

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■「お金の問題で政治家になるチャンスを逃すのはもったいない」

津田大介さん(以下、津田): ということで、こうやって本当に良いプロセス、3人の個性溢れるチームワークと、先生の良い指導のもと、優勝まで導かれたわけですけど。ちょっとここで、プレゼンの中身についても検討したいなと思います。「選挙チャンネル」(の企画)ができるまで、いろいろあったプレゼンについて、改めて「選挙チャンネル」の中身・コンテンツを振り返ってみようと思うんですけれども。

 (フリップを取り出して)こちらが、「選挙チャンネル」のプレゼンに出てきた主な番組。国民からの突然の質問を、候補者に答えてもらう「お悩み相談なう」。そして、立候補者の普段を伝える「突撃!となりの立候補者」。そして「プレゼンステーション」というですね。もう1つ(フリップが)ありますね。紹介の時間短かったんですけど、「候補者ファンド」「追っかけマニフェスト」「あの候補者は今」(笑)。

与良正男さん(以下、与良): 哀愁だな(笑)。

津田: 最後に「NEWS選挙」ということですね。この合計7つの番組がプレゼンで紹介されたんですけれども、これ以外でボツになった番組ってあるんですかね。

田中みづきさん(以下、田中): ボツになった番組は実はなくて、ボツになりそうな番組を、どうにかして実現できる方向に進めていったのが、今出ている(7つの)番組なんです。ボツになったのはないですね。

与良: 例えば「追っかけマニフェスト」っていうのは、どういう内容なの?

田中: 立候補したときって、誰でもいいこと言うじゃないですか。「僕はああします。こうします。こう変えます」って言うけど、でも政治家になった途端、まったく何もしていなくて、「あんなふうに言っていたのはどうなったの?」っていうのが多い気がして、「今その実現に向けて何をやっているの?」っていうのを、追いかける番組です。

マエキタミヤコさん(以下、マエキタ): なるほど。

津田: 「あの候補者は今」っていうのを知りたいんですが、どういう企画、意図で?

島田花穂さん(以下、島田): 選挙の時に落選した人ってあんまり注目されなくなっちゃうじゃないですか。当選した人ばっかり注目されて。でも落選した候補者も、それはそれで、落選後で大変なことがいっぱいあるって。

与良: 大変だよ、落選したら。

島田: 実際に、国会議員の福岡たかまろさんに話を聞きに行ったときに、「選挙に落ちたは結構大変だ」っていうのを伺って、そういうところを追いかける番組があってもいいんじゃないかなと思った。

津田: 「候補者ファンド」は?これも気にかかる。

田中: これも議員さんに取材して初めて分かったことなんですけど、立候補するってすごくお金がかかるらしいんですよ。

マエキタ: 300万の供託金ね。

津田: 票が集まれば返ってくるんだけど。

マエキタ: (供託金が)そんなに高いのは日本だけなんだよ。

川添こころさん(以下、川添): へぇ。

田中・島田: 調べたやん。

与良: 供託金だけじゃなくて、「もっともっとかかる」ってみんな言うよね。

マエキタ: 広告とかかかるけどね。

田中: お金がかかるから、「政治家になりたい」「立候補したい」という若い人でも、お金がないから立候補できないとか。若い人じゃなくても、すごく志がある人でも、お金の問題だけで政治家になるチャンスを逃しているのはすごくもったいないなって思った。ファンドって今いろんなところでやっているじゃないですか。

マエキタ: 映画とかね。

田中: はい。だから、そういうのを政治に活かせるんじゃないかなと思って作りました。

津田: 「この人を応援したいから、この人だったら3万円払う」っていう人を100人集めれば、供託金は、とりあえずできますもんね。

マエキタ: そうそう。受かったら返せばいいっていう面もあるしね。

津田: また、ファンドであれば、その政治家がどんどん成長していったら、例えばそれが投資みたいになって戻ってくるみたいな仕組みも面白いかもしれない。

 ちなみに、この7つの番組があって、一番企画を通した数が多いのは誰になります?

川添・島田・田中: え~!?

津田: 最初の思いつきは誰ってあります?

川添: でも、その「選挙チャンネル」のネーミングを通した率は私が一番多い。「『なう』を使おう」とか。名前・ネーミングは私が・・・。

津田: 「ネーミングセンスは私が」。センスがあると言っても、結構パクリの(笑)。「となりの~」とか、そのまんまですもんね。

与良: 逆に、それが分かりやすくなっているところはあるでしょ。ネーミングから、こういうものをやろうとしているんだろうなって分かる。

津田: なるほどね。

島田: 「誰かがこの番組を提案した」っていうのじゃなくて、3人で話していて、「政治家のこういうところ知りたいよね」っていうのが出てきて、「じゃあ、それを伝えられる番組を作ろう」って出来たものばっかりなので、誰かがこの案を持ってきたっていうのはあんまりないです。

マエキタ: なるほど。さすがチーム力。

■「選挙チャンネル」を実現させるためには

津田: 与良さんにお伺いしたいんですけど、ここに7つの番組があって、既存のメディアで実現するとなると、「どれが可能性ある」とか「これだと難しそうだな」みたいなものがあったら。

与良: 僕、本当によく練れていると思ったのは、さっきからの先生からも含めて、公職選挙法とか調べたって言うじゃない。公職選挙法って「何やっちゃいけない」って、そういうことが何万と書いてある。例えば、選挙カーの人数制限だとか、インターネットを使っちゃいけないとか。事実上まだ改憲されていないわけですよ。

 最近は公開討論会もできないような仕組みになっている。だから、多分3人は分かっていると思うけど、選挙運動はそういう意味で、ものすごく縛りがあるわけだよね。ところが、日ごろの政治活動は、あまり縛りがないんだよね。実を言うと、こんなことを区分けしている国って日本だけなんだよ。

津田: ネットでは、候補者が(投票日の)2週間前から言えないなんておかしいですよね

与良: 要するに、選挙が公示されて投票日までの期間だけは、選挙期間って言って、その間は本当に何にもできない。これもあなたたちが言っていた通り、結局、バカバカしく名前を連呼するしかないんだよ。「何とかでございまーす」って言って、この人がどういう人なのかさっぱり分からない。せいぜい握手するか、(名前を)言うしかなくて、政策もへったくれもない。「この人がどうだ」ってことを何も分からないような状況に、今の日本の公職選挙法はなっている。

 逆に、選挙期間以外は、比較的自由にできる。だから、(選挙チャンネルは)実はやろうと思ったらできるんじゃないかなというふうに、僕は思っています。

津田: ただ、現実的な壁としては公職選挙法がある、と。

与良: 選挙期間に入っちゃうと、その縛りを受けるから、少し難しいところはある。ものすごく現実的に言うと、一回一回、総務省と相談すりゃいいんだよ。「これできますか?」「これできませんか?」と。「これやった時には訴えますか?」とか「摘発されますか?」とかってやる必要があるんだけれども、僕の感じで言うと、実はほとんどできます。

マエキタ: おお。

与良: やろうと思えば、やる気になれば、と思いました。

津田: 本当に根が深い問題で、インターネットが普及し始めたのが、だいたい95年とかぐらいで、民主党は90年代の後半、97年ぐらいには「もうこういったインターネット選挙とかをすぐ解禁しましょう」って言って、法案もずっと出しているんですよね。ずっと出していて、それがもう否決されて通ってこなくて。

 それで2009年についに政権交代が起きて、マニフェストにも掲げていましたから、「これでようやく解禁だ」と思ったら、政権を取ったら「いや、やっぱり、ちょっとあれはなしで」みたいな感じでなってきて。

 結局、この問題の難しいのは、世代間対立というか、要するにネットとかあんまり使えない、ちょっと高齢者の方の議員の人が「ネットを解禁すると、ネットを使える方が有利になるんじゃないか」とかね。あとは、「政権を取ったら、野党に有利に働くんじゃないか」みたいなのがあって、(民主党は)政権取ったら突然、それまで「解禁しましょう」って言っていたのが、「いやいや、それなしで」みたいに言って、未だに通っていないっていうね。

与良: 津田さんが言っているように本質でね。さっき「落選議員は今」って、なかなか哀愁の企画で俺は面白いと思うけど、要するに公職選挙法というか、政治の仕組みというのは、どうしても現職の人たちが有利になるって分かるじゃない。あの人たちがだって法律作っていんだから、どうしても自分たちが有利になるように、という。
 
 今のインターネット(の話)もそうで。インターネットは、(選挙運動に)お金かけないで済む一番良いツールなわけだよね。あなたたちは、テレビ局っていうのをやっているわけだけど、ツールとしてはインターネットテレビでもいいわけだ。

 インターネット選挙ってなぜできないかは、要するにインターネットじゃなくて、「文書図画(とが)」という言葉を公職選挙法に書いてあるんだけど。インターネットは、図画にあたるわけね。要するに、むやみに選挙中に配布しちゃいけない、と。配布という感覚もおかしいけれども、当時公職選挙法ってできたときにインターネットのイの字もないから、そういうものにあたるだろうというふうなぐらいな解釈なわけ。

津田: 一応なんか歴史を紐解くと、1950年代、1960年代の頃は、印刷にお金がかかった。そうすると、お金持ちが立候補をすると、そういうのをいっぱい刷って、ばら撒いている人が宣伝になるから。

与良: あと、もう1つは、むやみやたらと選挙運動を何やってもいいよっていうふうにしちゃうと、組織力が強い人、あるいは組織力が強い政党の方が、圧倒的に強くなるだろうって、みんなが思っちゃったもんだから、どんどん規制するようになっちゃったんだよね。

 インターネットで言うと、津田さんが言う通りに、かつては、年寄りの議員さんたちが「インターネットって、さっぱり分からない」というのがあったんだけど、「インターネットを解禁して、若い人たちがどんどん政治に関心を持っても、自分には得ならない」と思っている議員がたくさんいるということだと僕は思う。

川添: 何でですか?

与良: 「お年寄り相手にしていた方が、自分は当選できる」と思っていて、「若い人がなまじ政治なんかに関心を持って、投票にどんどん来られると、俺は落ちちゃう」と思っている議員がたくさんいるんだよ。

マエキタ: つまり、若い人たちが恐いということですか?

与良: 「(若い人たちが)なまじ政治に関心なんか持たない方が、自分たちには良い」と思っている人が、すべてとは言わないけど何人もいるんですよ。

津田: 今の日本はどんどん高齢化しているっていうけど、日本全体の平均年齢がどれくらいか、3人はご存知ですか?

川添・島田・田中: うーん、わからないです

津田: 50歳超えているくらいなんですよ。もう50歳を超えていて、しかも20歳からの有権者年齢(平均)っていうのになると、50代後半になっちゃうんですよね。さらに実際に投票所に行く人までなってしまうと、お年寄りしか行かなくなっちゃうから、60歳を超えちゃうんじゃないかっていうデータもある。

 つまり、そこの人たちが一番投票している60歳近辺の人が一番投票して、実際に議員の当選・落選を決めちゃっている。そうすると、(候補者たちは)その人たちに有利な政策を発表しないとダメで、だから若者が消し去られてしまう事情があるんですよね。

与良: だから、結果的に、若い人たちが選挙に行かない。実際そうなんだよ。この間の衆院選は、60代70代の人の投票率と20代の投票率というのは、60代70代が60~70%だとすると、20代は20%くらい低い。その差は、実を言うと、どんどん開いてきているの。

津田: でも、今コメントでもあるんですけど、選挙権は、国によってバラバラなんですけど、もちろん18歳からの国もある。日本でもやっぱり18歳になったら、投票に行きたい?

女子高生一同: 行きたいです。

津田: それはやっぱり行きたい、と。

田中: いま、選挙運動のポスターを学校で描いたりとかいろいろやっているじゃないですか。若者の投票率を上げるための活動を国会がしているのに、何でそれを・・・。行動が矛盾しているなって思うんですけど・・・。

与良: いいところを突いている。まったくその通りなんだよ。

マエキタ: 騙しているようなものって言うか。うわべでは、投票行こうって言っているんだけど。

与良: 政治家は投票率が高くなるのを望んでいるかというと、必ずしもそうじゃないところあるんだよ。

津田: でも、やっぱり少しずつは変わって来ている。期日前投票っていう、投票日に行けない人は期日前に行くのが、昔って結構限られていたんですけど、今はもう1週間くらい前で、夜10時くらいまで、いつでも行けるようになっている。あれをやったことによって、子育てしている共働きの人も投票に行きやすくなったとか。

 2009年の政権交代も、いろんな賛否両論あるけれども「子ども手当」を民主党がやったことで、それまで本当に投票所に来なかった若い奥さんとか子連れの人とかが来るようになった。あれは、子育てしている現役世代の保護を厚くしようっていう政策でもあったから、そういうので政治が動いたので、やっぱり若い人たちが投票に行かないと変わらないというのも事実ですね。

与良: 何だかよく分からない「子ども手当」になっちゃったけどね。また児童手当とかって名前に変えるんだよな。もう、名前変えてどうだってあれじゃないけど、当初の理念は、「現役世代・若い人たちを相手にするんだ」っていう。珍しい政策だってことは事実。さっき言ったけど、みんな「投票年齢は18歳の方が良い」って言っていたじゃん。18歳にしようというのは、3、4年前からあるんだよね。

津田: ありました。

与良: 憲法を改正するための国民投票をどういうふうにしようかっていうような話の流れの中で、一層のこと、「投票年齢は18歳にしましょうよ」という話になったのね。それに伴って今20歳の成人年齢も「18歳にしましょうよ」って。それに関連する法律が300とか400とかあるらしいんだけど、そういうの変えなくちゃいけなくて、「めんどくさい」ってことになって、止まっているんだけど。

 実はあのとき僕もずっと「選挙年齢を下げるのは大賛成だ」って言っていたの。「みんなで投票行こうよ」「若い人が投票行けば世の中変わってくんだ」ってずっと言っていたんだけど、その頃からずっと話しているけど、意外に若い人「いらない、いらない」って人が多いよ。(高校の)クラスで話したりしない?

田中: 多分、いると思うんですけど。選挙に行こうとさせる情報があまりにも今少ないんじゃないかなって思います。

川添: この3人が「選挙に行きたい」って言うのは、多分、私たちが「選挙チャンネル」っていうのを、デザセンでやったからなんですよ。こうやって選挙に関することに、私たちが調べて、「ここおかしいよね」とか「この政治家さんって本当はこうだったよね」が分かったから、行きたくなったんで。

津田: やっぱりメディアがね。

川添: そういう身近に、若い人たちも「ああなるほど」って思えるものが欲しいなと思って、テレビっていう一番近いところの「選挙チャンネル」を考えて・・・。

マエキタ: クラスのお友達とかはどんな感じ?そういう話したりする?「選挙に行きたい?」とかを聞いたことある?

川添・島田・田中 ないです。

■「今は、政治家になろうとは思っていない」

津田: デザセンで優勝して、友達・クラスメイトの反応はいかがでした?

川添: すごかった。もう、なんか駅にみんなでお出迎えをして。

与良: 甲子園みたいじゃん。

川添: そう。特急の電車で帰って駅降りたら、垂れ幕と「優勝おめでとう」の旗を速攻で作って「わああ」って。

与良: いいな。

津田: マエキタさん、7つの番組の中で、こういうのあったら見たいなって何か引っかかるものあります?

マエキタ: それは、「お悩み相談なう」の中のアドリブです。これはすごく大事だと思う。外交問題なんかでは、隣に官僚がいないで答えなきゃいけない、即答しなきゃいけない判断力なんですよね。

 結局政治って、選択だから、一般国民も選択肢があって、選択するっていうことを子どもの時からずっと鍛えていれば、選挙だって楽しい。選ぶには知識が必要だ。やはり選ぶってことにもっと慣れなきゃいけない。じゃあ、選ばなくさせるにはどうさせるかというと、独占して選択肢をなくすと、(国民は)選ぶことに疎くなる。与えられたものしかないから、それで満足するように自分を適応させようとして、そっちの人の方が多いってのが今の悲しい(状況。だから選挙とか政治は、選ぶもんじゃなくて、与えられたものを鵜呑みにするっていうことで今まで来ちゃっているんだと思うわけ。

川添・島田・田中: あ、はい。

マエキタ: そうすると、アドリブ力がなくなるから、既成概念の突破っていうアイデアも必要じゃない。だけど、それを鍛えるのに、いきなり質問するっていうのは、すごくいいよね。頭は活性化するし、クリエイティブになるから。

津田: 今回、3人は「選挙チャンネル」を作って、いろいろ勉強していく中ですごく政治にも興味を持ったと思います。まだ18歳の方々にお伺いするのはどうかと思うんですけど、具体的に政治に興味、政治家になろうみたいに思った、あるいは思い始めたってことはありますか?

川添: 政治家になろうですか?それはちょっと、あんまり。政治家になろうと思ってはないです。

津田: まだ、やっぱり。

川添: でも、政治のニュースは本当に見るようになりました。

マエキタ: でも、日本を変えられると思うのは、それは政治ってことだったりもする。今ある政治家って概念がちょっと本来のものから・・・。

津田: どちらかというと、まさに与良正男さんみたいに伝え方を工夫するメディアの方に興味を持ち始めているってことかな?

田中: 言われてみれば。そうだ、はい。

■「みんなが『いいね』っていうものを作りっていきたい」

津田: みなさん4月から、大学とかいろいろな学校に行って、それぞれの道を歩まれるわけです。今、現時点での、将来の夢みたいなもの、この後の進路のその先ってのはどう考えているのかな?

川添: 私は、確かにマエキタさんの言ったように「政治家っていうのは日本を変える方法の1つ」と思った。今まで私は「政治家じゃないもので日本を変えたいな」と思っていたんですね。「選挙チャンネル」みたいなものを始めとして、みんなが「それいいね」って言うものをもっと作っていきたい。

津田: 例えば、いろんな「それいいね」ってものを集めてきて、政治家にボーンとぶつけていく、みたいなこととかは?

川添: そうですね。その手もありました。

津田: 田中さんはいかがですか?

田中: 私はデザイン系の学校に進学するんですけど、デザセンに行く前は、もうビジュアル的なポスターなどをしたいなと思っていたんですけど、(デザセンに出場してからは)企画する楽しさを初めて知って・・・。

津田: それで全国1位になっているわけですよね。

田中: だから、企画も将来できたらいいなと思っています。

津田: 島田さんは?

島田: 私は大学で、写真とか映像の勉強をするんですけど、その写真も映像も相手に伝えるメディアじゃないですか。だから、そういうちゃんと伝えるっていうことが、デザセンで経験して分かっているので、そういうところをちゃんとできるようになりたいなと思います。

津田: 「川添さんはジャーナリストになりたいのか?」ってコメントがありましたけど。

川添: それは、ちょっと。

津田: ちなみに進路はどちらへ?金沢の?

川添: 金沢の美術工芸大学っていう大学の視覚デザイン科です。

津田: じゃあ、そこでやることは、とりあえず視覚デザインを。

川添: 一応はそうです。

マエキタ: 受賞の後、名刺をもらったら、「タレント」って書かれていた(笑)。

川添: 違いますよ、マルチタレントですよ。

与良: それは相当違うね(笑)。

津田: いろんなことをやりたい?

川添: そう、いろんなことをやりたい。

津田: じゃあ、人前でしゃべることとかもやりたい?

川添: それも好きです。

津田: やっぱり本当に、(ドワンゴの)川上会長に直談判して、早くニコ生で番組持ってもらった方がいいですよ。

マエキタ: マルチタレントだから。

■女子高生に孫が生まれるころには

津田: 話し足りないんですけど、そろそろ番組も終盤に差し掛かってきたので、ここで番組タイトルになっている、実は今日の本題でもある「もし女子高生が総理になったら!?」に因んで、総理になったら何をしてみたいかについて、視聴者からいくつかメッセージがきているので、それを紹介できればと思います。メールが来ているので読みますね。マロさん、女性の方。

「私が総理だったら、デザセンを必修化したいです」

 ひっけんさん。

「とにかく、選挙を18歳からにすれば高校で選挙に行くことの重要性がリアルタイムで学べる。大学行かない人は20歳からだと2年間では忘れてしまうんだ」

 たしかにね。はい、(次は)むらたおむさん。

「3人に質問です。こうやってプレゼンをしてみて、その後日々の暮らしの中での行動や意識の変化はありましたか?」

 田中さんいかがですか?

田中: すいません。ちょっとコメントを見ていました。

津田: じゃあ、島田さんから聞きます。意識の変化とかいかがですか?

島田: (高校の)授業でもプレゼンの授業があるんですけど、こういう所で、デザセンでプレゼンを1回作っているから、作り方や伝え方などが分かるので、「もっとこうしたら伝わるんじゃないかな」って自分でも思うし、人のプレゼンを見ていても「あ、こここうしたらいいのに」って感じることが、見つかるようになりました。

津田: 素晴らしい。川添さんは?

川添: ごめんなさい。私もコメントを見ていました。

津田: この質問やめましょうか。田中さんは?

田中: コメントを見ていました。

津田: では、コメント見ていてください。3人に質問です。

「今から50年先、女子高生のみなさんの孫が生まれるころの日本はどんな未来になっている・なっていたいと思いますか?]

マエキタ: いい質問ですね。

川添: とりあえず、私たちの子どもたちは「そろそろ選挙だから『選挙チャンネル』見なきゃ」って。

津田: 50年続く前提なんだ。

川添: 続きます(笑)。

津田: はい、島田さんは?

島田: 私も一緒で、「選挙チャンネル」が実現していて、若い人も年取っている人も関係なく、もっと小さい子供とかでも、子供は難しいかもしれないけど、少しでも選挙に興味を持ってくれている人たちが増えてくれたらいいなと思います。

津田: なるほど。田中さんは?

田中: 私も、「明日、選挙だ・・・」じゃなくて、「選挙に行かなきゃ。代表を決めるんだよ」みたいに、お祭りじゃないけど、そういう気持ちを・・・。何て言えばいいんだろう。

マエキタ: ポジティブになれられるようにね。

田中: そうです。ポジティブに投票に行ける世の中になっていたらいいなと思います。

川添: 外国は、選挙をフェスティバルって呼ぶところがある。「行きたい!」みたいな。「わーい選挙」ってなっている。すごくいいと思う。

津田: でも、日本も祭りなんですよね。政治の”政”を”まつりごと”って読みますから。両者って近い。

川添: そうなんですか?

津田: そうです。

マエキタ: 今は、そうじゃないよね。

津田: ただ、この3人はすごく今、ものすごくピュアな形で政治に興味を持っているんだけれども、それがまだ、クラスでそういうモードが共有できているわけじゃないっていうところに・・・。

与良: 話し出すと、(政治の)話はできるじゃんね。やはり、話してみることなんだと思うんだよね。きっかけであればと僕は本当に思う。

マエキタ: だから大学にそれぞれ行くけど、行った先で、みんなに「政治のことってどう?」「選挙ってどう?」「ポジティブな気持ちになれる?」とかを聞いてみて、周りがどう言ったかを教えてほしいな。それを話し続けることで何か変化があるのか、それともダメなのか、そういう人には何て言葉を繋げていくのかということを。

与良: お祭りってのは、ムーブメント・動かすこと。誰かが動き出さないと、動かないんだよね。政治の話をするとちょっと恥ずかしいかなとか、変な人だと思われるかなとか、これは別にあなたたちだけじゃなくて、20代30代40代ぐらいまでそうなんだよね。

 主婦の世界もそうだし、「そんな話をすると何か嫌われちゃうんじゃ」と思うんだけど、みんな意見を持っているじゃん。だから、あなたたち一人ひとりがムーブメント、最初の取っ掛かりになるんでね。

・「もし女子高生が総理になったら!?」 津田大介×女子高生3人 全文書き起こし(4)
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(書き起こし:湯浅拓、内田智隆、武田敦子、登尾建哉、境田明子、編集:山下真史)

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