女性やご年配の方でも開け閉めしやすい! 実は便利な横開きバックドアを狙え!
▲ドアを少し開けただけで荷室にアクセスできる。ドアを閉めるのが楽。横開きバックドアには跳ね上げ式にはないメリットがあります!
横開き式バックドアには、跳ね上げ式にはないメリットが
1980年代まではセダンやクーペなど、キャビン(居住スペース)とトランク(荷室)が分かれた車が主流でした。しかし1990年代になるとレジャーブームでミニバン、ステーションワゴン、SUVが台頭。さらに庶民の足として長く親しまれてきた軽自動車やハッチバックを多くの人が選んでいます。
セダンは4ドア、クーペが2ドアなのに対し、ハッチバック、ミニバン、SUVなどは5ドアが主流。ドア数が奇数なのは、車体の後部にバックドア(リアハッチ、リアゲートとも呼ばれます)があるからです。セダンやクーペのように居住スペースと荷室が分離しておらず、スペースの割にたくさんの荷物を積むことが可能。長さのある荷物だって積むことができます。荷物をたくさん積むことも想定されるから、リアに大きなドアがついているんですね。
そんなバックドアの多くは上に跳ね上げて荷物を取り出しますが、一部の車では前席のドアのように横に開くバックドアを採用しているのをご存じですか? 跳ね上げ式と横開き式にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
【跳ね上げ式】
●メリット
・ドアにダンパーが付いているため、わずかな力で上がっていく。
・雨の日に荷物を出し入れする際、ドアが庇になってくれる。
●デメリット
・ダンパーの反発力があるので、閉めるときに力が必要。
【横開き式】
●メリット
・重いドアを上に跳ね上げていないので、わずかな力で閉めることが可能。
・後ろのスペースが狭くても少しだけドアを開ければ荷物を取れる。
●デメリット
・雨天時は雨が吹き込みやすい。
鉄でできているバックドアは重く、ドアが落ちてこないようダンパーで支えているため、閉めるときは力が必要に。しかも開けたときのドアの高さが1.8mを超えるものも珍しくないため、身長の低い人は背伸びをしないと届かなかったり、ご年配の方やお子さんだと重いドアを閉めるのにかなりの力を使うことも。
もうひとつ横開きドアが便利だと感じるのは、わずかなスペースで荷物を出し入れできることでしょう。車種により異なりますが跳ね上げ式は開ける際、後ろ側に奥行1m×高さ2m程度のスペースが必要になりますので、不便に感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は横開き式のバックドアを採用するモデルを紹介しましょう。
日産 キューブ(現行型)~左右非対称デザインが生み出した横開きバックドア~
▲左右非対称のリアデザインを生かすようにバックドアを横開きにしたキューブ
1998年に誕生したキューブは、2代目へのフルモデルチェンジ(2002年)で、これまでにない左右非対称のリアデザインを採用。このときにバックドアが跳ね上げ式から横開き式に変更されました。現行型もこれを踏襲しています。
四角いボディデザインなので荷室は広く、床面が深く掘られているため高さのある荷物も積みやすいのが特徴。荷室を少し開けただけで大きな荷物が取り出せるのはかなり便利です。
現行型は2008年11月にデビュー。登場してから9年近く経ちますが、エクステリア、インテリアともに今でも古さを感じさせないデザインは秀逸。中古車も豊富にあります。利便性とデザイン性、どちらも妥協したくない人にオススメです!
中古車相場:20万~170万円
流通量:1870台
ダイハツ ムーヴ/ムーヴカスタム(5代目)~横開きにこだわり続けた軽ワゴン~
▲ムーヴは初代から5代目まで横開き式のバックドアにこだわっていました
1995年に登場したムーヴは、スズキ ワゴンRとともに軽ワゴンをメジャーな存在へと引き上げた立役者です。そんなムーヴが初代からこだわり続けた機能が横開きバックドアです。これは背の高い軽ワゴンが多くの人から選ばれる存在になるためには、乗る人すべてに便利でなくてはならないという考え方があったから。
年配の方、背の低い女性や子供にとって、重い跳ね上げ式バックドアを閉めるのは大変。だったら横開きにして誰でも簡単に開け閉めができるようにしようと考えたのですね。そんなムーヴも現行型のバックドアは横開き式から跳ね上げ式に変更されました。これは低燃費を実現するための軽量化でバックドアを樹脂製にしたから。バックドア自体を軽くできたので、跳ね上げ式でも楽に閉められるという変更です。そのため少し開けただけで荷物が取れる横開き式にこだわりたい人は、旧型狙いで!
中古車相場:20万~150万円
流通量:1780台
トヨタ FJクルーザー~ガラスハッチをプラスし、利便性がアップ~
▲背面タイヤを背負うFJクルーザーは、バックドアを横開きにしたうえでガラスハッチを搭載
バックドアに背面タイヤを背負ったクロカン4WDの場合、背面タイヤを付けたままドアを跳ね上げるのは重すぎて無理。そのため、一度背面タイヤをどけて跳ね上げるか、横開きドアにするかのどちらかになります。FJクルーザーは横開き式を採用。さらにガラス部分だけを跳ね上げられるリアハッチも搭載しているので、小さな荷物ならガラスを開けて取り出すことができます。これ、ドアを開けると荷崩れしそうなときに上から荷物を積んだり出したりできるのでとても便利なんです!
意外に感じる方がいるかもしれませんが、SUVは女性や年配の方からも人気があるカテゴリーです。横開きに魅力を感じ、SUVに乗りたいと感じているならFJクルーザーがオススメです。ちなみに、FJクルーザーはもともと北米で発売されたモデルです。それが日本でも人気となり、多くの並行輸入車が日本に入ってきました。その人気に押されて日本でも正規販売されたという経緯があります。
中古車相場:200万~510万円
流通量:320台
ルノー カングー(現行型)~運ぶことにこだわったオシャレな背高ワゴン~
▲カングーのバックドアは左側の方が広い両開きタイプ
フルゴネットタイプと呼ばれるボディ形状で、フランスでは郵便車両にも採用されているカングー。背が高くて広い室内、狭い場所でも乗り降りが楽なスライドドア、そして何より日本車にはない独特な雰囲気は、ライフスタイルにこだわる感度の高い人から絶大な支持を受け、現行型が登場してから8年経つ現在でも人気が衰えることはありません。
バックドアは左右非対称の両側横開き式。開口部は左側の方が大きくなります。ドアはそれぞれ180°まで開きます。フランス車ならではの独特の空気感を楽しみたい人にオススメです!
中古車相場:80万~210万円
流通量:110台
ミニ ミニクラブマン(初代)~伝統を受け継いだミニのコンパクトワゴン~
▲ミニクラブマンのバックドアは左右対称の両側横開きに
2007年から日本で発売されているミニのシューティングブレーク(ワゴン)。初代はパッと見は3ドアですが、右側ドアの後方に観音開きのバックドアが備わっています。バックドアは左右両開きとなる横開き式。これは1969年に登場したミニクラブマンエステートのデザインを踏襲したものです。
かわいい車が欲しい人や、輸入車ならではの世界観を楽しみたい人にオススメのクラブマンですが、バックドアは厚みがあり、閉めるときの重厚感が大きな特徴。2015年に2代目となる現行型が登場しましたが、中古車相場はまだ高め。狙うなら相場がこなれてきてボディサイズも現行型よりコンパクトな初代が狙い目です。
中古車相場:60万~300万円
流通量:380台
ホンダ ステップワゴン(現行型)~跳ね上げ式と横開き式をミックスしたわくわくゲート~
▲ひとつのドアで跳ね上げと横開きを同時に実現したステップワゴン
最後に紹介するのは2015年にデビューした現行型ステップワゴンです。このモデルはバックドアにオーソドックスな跳ね上げ式と、中央が折れて横開きになる画期的な“わくわくゲート”を採用したことで話題になりました。
ミニバンは背が高い分バックドアが大きくなり、開閉するために広いスペースが必要になります。またドアが重くなるため閉めるのが大変という人もいるでしょう。現行型ステップワゴンなら跳ね上げ式の利便性を捨てたくないという人も満足できるはず。ちなみにわくわくゲートは荷物の出し入れだけでなく、人の乗り降りもできるんです!
中古車相場:150万~380万円
流通量:440台
いかがでしたか? バックドアは跳ね上げ式が当たり前と思っていた人も多いと思いますが、横開き式も選択肢に入れてみるとこれまで思いもしなかった便利な使い方ができるかもしれませんよ!
【関連リンク】
日産 キューブ(現行型)の中古車を探す ダイハツ ムーヴ(5代目)の中古車を探す トヨタ FJクルーザーの中古車を探す ルノー カングー(現行型)の中古車を探す ミニ ミニクラブマン(初代)の中古車を探す ホンダ ステップワゴン(現行型)の中古車を探すtext/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/日産、ダイハツ、トヨタ、ルノー、ミニ、ホンダ
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