【どんなクルマと、どんな時間を。】マツダ デミオ(現行型) × スポーツドライビング・セミプロ級のイケメン(&イクメン)パパ
車は単なる移動の道具ではなく、大切な人たちとの時間や自分の可能性を広げ、人生をより豊かにしてくれるもの。車の数だけ、車を囲むオーナーのドラマも存在する。この連載では、そんなオーナーたちが過ごす愛車との時間をご紹介。あなたは『どんなクルマと、どんな時間を。』?
▲「初心者免許の息子さんも安心して運転できるサイズのファミリーカーが欲しい!」それだけの条件であれば割とかないやすそうではあるが、問題は「パパのお眼鏡にかなうか」というところ……
RX-8(本気サーキット仕様)乗りのパパが、乗り替えを決意
その分野に精通していればいるほど、「次の何か」を選ぶのが難しい……というのは確かにあるかもしれない。何も知らなければ適当にエイヤッと決めることもできるわけだが、なまじ詳しいと、何を見てもそのプロダクトの「アラ」がわかってしまうということだ。
6代目トヨタ セリカのGT-Four(ST205)でジムカーナをはじめとするスポーツドライビングの魅力に目覚め、直近は本気のサーキット仕様に改変したマツダ RX-8をファミリーカーとしても使っていた黒田さんも、まさにそうだった。
ご長男が運転免許を取得し、とりあえずはパパのRX-8改を運転することになったのだが、パパの車は怖くて運転できない、と。確かに、超運転ビギナーが完全サーキット仕様のRX-8で東京の街を走るというのは、ちょっとした恐怖だろう。
そのためRX-8の売却と、新たなファミリーカー(できればご長男も運転しやすいコンパクトカー)への買い替えを決意した黒田パパは、愛娘・愛月さんと一緒に何軒ものディーラーを訪ね、何台ものニューモデルに試乗した。
▲こちらが、愛娘・愛月さん。撮影の日も同行してくれた
が、スポーツドライビングに関してはセミプロ級の腕前とセンスを持つ黒田パパのお眼鏡にかない、なおかつご長男でも運転できるサイズの車は、なかなか見つからなかったそうだ。あきらめかけていたある日、やっと“コレだな……”と思える1台に巡り合った。それが、マツダ デミオ XDだった。
もちろん、RX-8(のサーキットスペシャル)と比べれば、走りに関する様々なネガはある。しかし、“少なくともRX-8と比べる気になれる”という点において、デミオ XDは稀有な存在だった。
以来16年式マツダ デミオ XD ツーリング Lパッケージは、黒田さんご家族のファミリーカーとして八面六臂の活躍を見せることになる。
あるときは、愛娘・愛月さんの学校への送り迎え専用車として。またあるときは、当たり前だが、様々な買い物のための足として。そしてまたまたあるときは、ご長男が友人らと遠出する際のお供として。
そしてあるときは、黒田パパのひそかな楽しみの道具として。
もちろん、RX-8でサーキットを走っていた頃のようなスピードを出すわけではない。しかし、例えば愛月さんを学校まで送り届けた帰り道。デミオ XDにほんの少々のムチを入れ、ほんの少々活発に走らせてみる。そして、その“ムチ”に的確に応えてくれる素晴らしい小型車の、小型車ばなれしたフィーリングを静かに堪能する。
もう一度RX-8に乗りたいという気持ちがないわけではない。愛月さんも、実はRX-8が嫌いじゃなかったという。でも、今はこれでいい。新しいファミリーカーを手に入れたことで生まれた、家族と自分の“また別の新しい笑顔”を乗せて、赤い力持ちの車は今日も走る。
▲家族を見守る黒田パパの目に、愛情の深さを感じる
~どんなクルマと?~
■マツダ デミオ(現行型・XD ツーリング Lパッケージ)
マツダのエントリーモデルにあたるコンパクトハッチバックの4代目。CX-5から始まるスカイアクティブ技術とデザインテーマ「魂動(こどう)」が全面的に採用されている。XD ツーリング Lパッケージは、ディーゼルエンジン最上位モデルとなる。
▲近年のマツダ車らしい伸びやかなスタイリング。デミオは、全グレードで2WDと4WDを選択することが可能 この車を探してみる連載「どんなクルマと、どんな時間を。」過去の記事はこちらtext/伊達軍曹
photo/阿部昌也
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