「なぜ公開しないのか、意味不明だ」 枝野経産相、東電にTV会議録画映像の公開を要請
東京電力が福島第1原発事故以降に東京本店と福島第1・第2原発をつなぐテレビ会議システムを使ったやりとりを録画していたことについて、枝野幸男経済産業相は2012年3月16日の記者会見で「東京電力が公開すれば済む話なのになぜ公開しないのか、意味不明だ」と述べた。
録画映像の内容によっては議事録等が残されていなかった今回の事故を客観的に検証する有力な情報となる可能性があるが、東京電力は3月15日現在、「録画映像は社内資料だ」として公開していない。
枝野大臣は会見で、「原子力安全・保安院から映像の公開を東京電力に要請しないのか」と問われると、「私がこうやって事実上、要請している」と明言。一連のテレビ会議の録画映像の公開を強い口調で求めた。
テレビ会議システムによる録画の存在は昨年5月時点でニコニコ動画の取材でも明らかになっていたが、一般公開はされておらず、14日の国会の事故調査委員会(黒川清委員長)の会合内でのみ初めてその一部内容が公になった。同委員会によると、昨年3月15日に菅直人首相(当時)が東京・内幸町の東京電力の本店を訪れ、東京電力側に対して演説した映像だという。
枝野大臣は官房長官時代に東電のテレビ会議の録画映像について、「事故対応に関するところについては公開していただくのが当然と思っている」(2011年5月31日)と述べており、所管大臣として改めて東京電力に対して公開を「実質上、要請」した。
■枝野幸男経産相とニコニコ動画・記者(七尾功)の一問一答
七尾記者: 先日(3月14日)の国会事故調の会合で、昨年3月15日に菅直人前首相が東電本店を訪れて演説した際の映像を、東電が録画していたことがわかりました。連日、報道陣からも公開を求める声があいついでおりますが、東京電力社内資料だということを理由に公開をしないとしています。
保安院は、従前より、事故時に撮影した画像等の提出を東電側に求めてもとめておりまして、これもその対象であり、事故究明と今後の対応を図っていく上での重要な1次ソースであるわけですが一連のテレビ会議映像を入手し、公開していくお考えについてお聞かせください。
枝野経産相: これ持っている東京電力が公開すればいい話ですよ。公開すべきだと思います、東京電力が。
七尾記者: 保安院が(東電側から)入手して公開するお考えはないということでしょうか。
枝野経産相: まず東京電力が持っているのですから、東京電力が公開すれば済む話なのになぜ公開しないのか、意味不明です。
七尾記者: 保安院の方から(東電に)要請するような・・・
枝野経産相: 私がこうやって事実上、要請しています。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]枝野長官(当時)「公開が当然」(2011.5.31)から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv51677160?po=news&ref=news#51:56
(七尾功)
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ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
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