故プリンスの作品を巡り、ユニバーサルが契約解除と契約金約35億円の返金を要求

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故プリンスの作品を巡り、ユニバーサルが契約解除と契約金約35億円の返金を要求

 ユニバーサル・ミュージック ・グループ(UMG)が、故プリンスの遺産管理団体と合意を得て3,100万ドル(約35億円)で獲得した作品のライセンスについて、契約の解除と契約金の返還を求めていることが判明した。

 プリンスの遺産を管理するComerica Bankを代表して米ミネソタ州の連邦地方裁判所に提出された書類によると、UMGは遺産管理団体のエンターテインメント・アドバイザーを務めていたL・ロンデル・マクミラン(L. Londell McMillan)が、契約を結ばせるために故意に不正を働いたと主張し、裁判所に契約を無効とするよう訴えている。

 マクミランと、同じくアドバイザーだったチャールズ・コッペルマン(Charles Koppelman)が2017年2月に発表した合意内容によると、プリンスが1996年以降に自身のNPGレコードからリリースした作品の全世界における独占的なライセンス契約、未発表音源の権利、そして1979年から1996年の絶頂期にワーナー・ブラザーズ・レコードからリリースした「とある有名なアルバム群」の米国における販売権をUMGが獲得したとのことだった。ワーナーの作品群に関しては早ければ2018年より権利を取得することになると発表されていた。

 ところが、2016年4月21日に死去したプリンスの一周忌に合わせていざ事を進めようとしたところ、契約の合意に至るまでの内容に不審な点が浮かび上がってきた。例えば、2018年から取得できる筈だったワーナー作品の権利が実は2021年まで消滅しない、というようなことだと関係者は話している。UMGが遺産管理団体と別に交わしたグッズや音楽出版の契約期間が5年に限定されているため、この時期的なズレは極めて重要だという。

 UMGによる主張は、今後リリースされる可能性がある未発表のコンサート・フィルムに関連する裁判所に提出された書類からきている。これは当時まだ未発表だった『パープル・レイン』より、タイトル・ソングや後に米ビルボード・ソング・チャート”Hot 100”で1位を獲得した「レッツ・ゴー・クレイジー」を含む何曲かを初披露した1983年のライブを録画したもので、関係者によるとプリンスの遺産管理団体はこれをApple MusicやSpotifyなどのストリーミング・サービスや配給会社に売り込んでいるとのことだ。

 Comerica Bankは、プリンスの遺産相続人候補たちにこの情報を内密にするようにとアドヴァイスしたものの、遺産相続人候補のうちの3人(異母兄姉のシャロン・ネルソン、ノーリーン・ネルソン、ジョン・ネルソン)は、現在も彼らの個人的ビジネス・アドヴァイザーを務めるマクミランと情報を共有するために秘密保持契約を結ぼうとしたとのことだ。UMGによるマクミランに対する主張を受け、Comerica Bankはこの動きに難色を示しており、今週米ミネソタ州の連邦地方裁判所に提出した手紙は、この一件がきっかけとなっている。

 UMGによるマクミランに対する主張の審理は、2017年5月末に行われると関係者は話している。

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