2017年「住みたい街ランキング」関西版発表! 1位は「西宮北口」、2位は「梅田」
リクルート住まいカンパニーでは、関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20代~40代の2100人を対象に調査した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関西版」を発表した。果たして、順位の変動はあったのか?
「西宮北口」「梅田」のワンツーは5年連続! 「なんば」が3位にランクアップ
今年も「住みたい街」ランキング1位は「西宮北口」、そして2位は「梅田」となった。
このワンツーの顔ぶれはなんと5年連続となり、まさに不動の2トップといえる。ただ今年のランキングで注目したいのは、「梅田」が得点を伸ばして「西宮北口」に迫る勢いをみせていること、さらに3位には「なんば」がランクアップしている点。特に「なんば」はこの2年間で大きく順位を伸ばしてきている。【図1】住みたい街(駅)総合ランキングトップ10(関西全体/3つの限定回答)出典:「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017」リクルート住まいカンパニー調べ
大阪を代表する2大ターミナル「梅田」と「なんば」、キタとミナミの繁華街が住みたい街としての求心力を高めているのはなぜか? そのヒントは3月21日に国土交通省から発表されたばかりの、2017年1月1日時点の「公示地価」からも読み取れる。
都道府県別では大阪府の地価上昇率(商業地)は5.0%と全国でトップとなる一方、全国・全用途での地価上昇率の上位5地点を大阪市内の調査ポイントが独占した。
●1位 41.3% 大阪市中央区道頓堀1-6-10(づぼらや) 価格400万円/m2
●2位 35.1% 大阪市中央区宗右衛門町7-2(クリサス心斎橋) 価格1290万円/m2
●3位 34.8% 大阪市北区小松原町4-5(珍竹林) 価格182万円/m2
●4位 33.0% 大阪市中央区心斎橋筋2-39-1 価格1100万円/m2
●5位 30.6% 大阪市北区茶屋町12-6(エスパシオン梅田ビル) 価格333万円/m2
この5地点はまさに「なんば」と「梅田」周辺の商業地、繁華街だ。
地価上昇の背景には、インバウンド(外国人観光客)の増加によるホテルや商業施設ニーズの急増がある。大阪観光局によると2016年に大阪を訪れた外国人観光客数は約941万人。2013年から4年連続で過去最高を更新しており、約263万人だった2013年との比較では、約3.5倍の増加!
その多くは「なんば」のある大阪ミナミエリアに滞在、もしくは通過しているものと考えられる。「なんば」周辺を実際に歩いてみると、外国人観光客をはじめとする人波であふれ、街がとても活気づいていることに驚くはずだ。
一方、「梅田」では、2013年に開業した複合商業施設・グランフロント大阪が商業だけではなく、ビジネスや文化拠点としてもその存在感を増している。この3月1日には、街開きから約3年10カ月で来場者が延べ2億人を突破した。インバウンド需要だけでなく、関西圏を代表する複合施設として「梅田」の求心力を高める一翼を担っているのだ。
「梅田」「なんば」は「梅田生活圏」「なんば生活圏」としてエリアを拡大中
ただ、「観光客や買い物客であふれる街は、住みたい街なのか?」という、素朴な疑問も感じるだろう。
確かに上述の地価上昇ポイントは繁華街のど真ん中で、「住む」というイメージとはほど遠い。しかし、「梅田」や「なんば」として認識されるエリアが広がっているとしたらどうだろうか?
例えば「梅田」では、グランフロント大阪の北側は地下鉄御堂筋線「中津」駅に近接しており、「中津」周辺ではタワーマンションの建設が続き、それらの物件名には「梅田」の名前が冠されているケースも多い。最寄駅は違うけれど生活圏は「梅田」という物件が増え、「梅田」エリアが北側へと拡大していると考えられる。
同じ現象は「梅田」の東側や西側でも起こっている。SUUMOに掲載されている分譲マンションをみると、最寄駅を地下鉄谷町線「中崎町」「天神橋筋六丁目」、堺筋線「扇町」「南森町」、阪神本線「野田」、千日前線「野田阪神」とする物件が、「梅田」からバス便物件として数多く掲載されている。
筆者としては、分かりにくい表記だと思っているものの、「梅田を生活圏とする」という暮らしが実際に成立するエリアであることも事実。つまり、「梅田」が拡大を続けているのだ。
「なんば」でも同様に、「JR難波」、地下鉄御堂筋線「心斎橋」「大国町」、千日前線「日本橋」、長堀鶴見緑地線「長堀橋」「西大橋」周辺エリアは「なんばを生活圏とするエリア」ということができるだろう。実際に住宅供給も行われており、刺激的で利便性の高い都市生活を実現することが可能だ。
駅という「点」から、周辺の駅へという「線」へ、さらには「面」へと広がりをみせることで、“梅田ブランド”や“なんばブランド”はさらに拡大する可能性もある。例えば、「なんば」から南海本線で2駅の「新今宮」駅前に、高級ホテル運営で知られる星野リゾートが進出することが先日発表されるなど、ホテルや商業施設の新設計画が続々と発表されている。
現状ではシングルやDINKS層からの支持が高く、ファミリー層は郊外志向がみられるのだが、生活利便性や子育て環境などが充実すれば「梅田」か「なんば」が「西宮北口」からランキングTOPの座を奪うことが起こるかもしれない。
このほかランキングでは、「神戸三宮」が3位から7位へランクを下げている。「梅田」や「なんば」と比べるとトピックスに乏しい印象があったことも影響しているようだ。ただ駅周辺での再開発計画も動きだしているので、「神戸・三宮」ブランドの再浮上に注目しておきたい。
「住みたい行政市区」ランキングでは西宮市が1位をキープ!
この調査では「住んでみたいと思う行政市区」も尋ねているが、こちらもトップは5年連続となる兵庫県西宮市となった。「西宮北口」を中心としてファミリー層向けの新築マンションの供給も多く、利便性や教育環境など総合バランスで考えても「住みたい」と思わせる魅力をもつ街なのである。ランキングでは大阪府高槻市が10位へと復活をみせているが、その他の順位には大きな変化はみられなかった。【図2】住みたい行政区ランキングトップ20(関西全体/3つの限定回答)出典:「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017」リクルート住まいカンパニー調べ
また、「この2〜3年で人気が高まったと思う駅」ランキングでは2015年にEXPOCITYが開業した「万博記念公園」が1位となっている。5年連続総合1位の「西宮北口」が2位に入っているのも興味深いポイントで、さらに魅力を増し続けていると受けとめる人が多いということだろう。【図3】この2~3年で人気が高まったと思う駅ランキングトップ10(関西全体/3つの限定回答)出典:「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017」リクルート住まいカンパニー調べ
交通や生活の利便性が高いのに、家賃や物件価格に割安感のある「穴場だと思う街(駅)」ランキングでは地下鉄御堂筋線「東三国」がトップとなり、さらに隣接する「新大阪」も圏外から4位へとランクインしている。ここ数年、新大阪駅周辺では再開発による複合型商業施設や、スーパーも設置した駅ナカ商業施設開設が相次いでおり、旅行者だけでなく地元で生活をする人にとっても利便性が大きくアップしている。しかし、そのことは意外と知られていないため、“穴場感”が強まっているということだろう。一方、昨年1位だった「塚口」は5位へと順位を下げている。【図4】穴場だと思う駅ランキングトップ10(関西全体/3つの限定回答)出典:「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017」リクルート住まいカンパニー調べ
来年はトップに君臨する「西宮北口」の地位を「梅田」が奪うことになるのか。それとも「なんば」がさらに上昇を示すのか? 新年度を迎える4月、それぞれの街がこれから提供してくれる話題には注目しておきたい。●参考
・2017年の結果(関西版)を見る
「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関西版」(PDF)/リクルート住まいカンパニー
・2016年の結果についての記事を読む
「2016年住みたい街ランキング」関西のトップは4年連続、西宮北口
・国土交通省/平成29年地価公示 変動率上位順位表
・大阪観光局/来阪外客数の推移
・47都道府県鉄道路線図/大阪府
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