#BFF How about going to see the movies?

2017/02/03 01:04 NeoL／ネオエル生活・趣味

いつの時代も映画は、人と人との絆、友情について描いてきた。たとえ理想主義と笑われようと、スクリーンが映し出すのは障壁を越えた深い愛、そして差異を超えて人を思いやる気持ち。世界的に分断や不寛容が広がる中、今なおその歩みには力が残っているだろうか。ここに時代を超えて愛されるベストフレンズ映画、５作品をピックアップ。

最強のふたり　Intouchables（2011）
監督：エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ、出演：フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、製作国：フランス

格差や肌の色を超えて結ばれる真の絆とは？

身体の不自由な富豪が新たな介護人として雇ったのは、失業保険に頼って暮らす移民の青年だった————。ひとつ間違うと、金持ちの一方的な施しに陥りかねない設定だが、しかしその実、彼らは貧富や肌の色に関係なく互いを対等に見つめ、ズバズバと本音で付き合っていく。そして富豪の方こそ、自分を特別扱いしない親友のような存在を切に求めていたのだ。そんな二人が組めばまさに最強。当時のサルコジ政権下で社会現象と言われるほど大ヒットしたのも納得の名作だ。

テルマ＆ルイーズ Thelma and Louise（1991）
監督：リドリー・スコット、出演：スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、製作国：アメリカ

映画史に刻まれたラストシーンに胸熱くなる！

持っていた拳銃で男を撃ち殺してしまった女性たちの逃避行を描いた傑作ロードムービー。お互いの境遇や痛み、苦しみを知る者どうし、日常への怒りはバイオレンスなアクションとなって発露されると同時に、ふたりの友情と絆も旅を通じてタイトに結ばれ、さらなる深みを獲得していく。観ている我々もそんな彼女たちにとことん共感してしまうのだから不思議だ。そして訪れるラストシーン。固く結ばれた手と手。思わず「あっ！」と声を出してしまうほどの決断が胸を熱くさせ、いつまでも心に余韻を残すことだろう。

リンダリンダリンダ（2005）
監督：山下敦弘、出演：ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、製作国：日本

ハーモニーが生まれる。友情が生まれる

冒頭の“長回し”から文化祭前の躍動を感じる学園ドラマの傑作。メンバーの負傷で空席となった女子バンドのボーカルになぜか交換留学生のソンさん（ぺ・ドゥナ）が抜擢されてしまった瞬間から、彼女たちに言葉を超えた関係性が芽生え始める。オフビートながらも、何とか噛み合ってしまうコミュニケーション、そしてハーモニーの数々。それはほんの束の間の打ち上げ花火かもしれないが、体育館のステージで音を鳴らしている間だけはその尊さが永遠に思える。そこに抱きしめたくなるような青春の輝きがある。

メアリー＆マックス　Mary and Max（2008）
監督：アダム・エリオット、声の出演：フィリップ・シーモア・ホフマン、トニ・コレット、エリック・バナ、製作国：オーストラリア

20年間の文通が育んだ、深いつながりの物語

メルボルンに暮らす８歳の少女メアリーは、ある日、電話帳からランダムに一人の人物を選び出し手紙を出す。宛名はマックス。ニューヨーク在住の44歳。すぐ終わるかに見えた交流だが、そこから誰も予想しなかった20年に及ぶ文通が始まり・・・。いじめられっ子のメアリーとアスペルガー症候群のマックス、ともにコミュニケーションが苦手で、思いがスムーズに通じないことも多い。しかし全編を彩るクレイアニメーションが二人の繊細な心と互いを思い合う絆をユーモアたっぷりに紡ぎ、本当に優しく、あったかい気持ちに浸らせてくれる。

きっと、うまくいく　3 Idiots（2009）
監督：ラージクマール・ヒラーニ、出演：アーミル・カーン、R・アドハヴァン、シャルマン・ジョシ、製作国：インド

インドから届いた最高の贈り物

学生時代、苦しい時も楽しい時もいつもそばに友達がいた。中でも天才ランチョー（アミール・カーン）は、常に身を投げ出して親友を助け、学内の様々なしがらみや価値観を変えてきた男だ。それから10年後、消息を絶った彼を探して親友たちが旅する中、驚きの事実が発覚し・・・。互いの限界を決めつけず、共に高め合っていく姿のなんと気持ち良いことか。インドで歴史的大ヒットを記録したのも頷ける。主人公たちの厚い友情に胸打たれ、彼らと一緒に心の底から「アール・イズ・ウェル（うまくいく）！」と唱えたくなる傑作だ。

select&text Atsunobu Ushizu

main
Best Friends Forevert特集記事 #BFF『Chocolat』 James Thiérrée ＆ Omar Sy Interview
http://www.neol.jp/culture/52464/