就活デモの学生ら議論「無理にテンションを上げる就活は”メンヘラ化”している」

就活デモの参加者らは就活生組合を立ち上げた

 就職活動のあり方を疑問視し、「就活ぶっこわせデモ」を行った学生らが中心となった勉強会が2011年12月21日、早稲田大学の学生会館で開かれた。勉強会には、宮内春樹氏らデモ実行委員会のメンバー数名のほか、告知を見て参加したという学生や社会人約20名が参加した。就職活動、いわゆる「就活」に関する議論では、学生から「就活がメンヘラ化している。自ら躁状態に持っていかねばならない」と、演技をしてでも”ハイテンション”であり続けなければならない現状を問題視する意見があった。

 勉強会は、今年11月23日に東京・新宿で「就活ぶっこわせデモ」に参加した学生らが企画したもので、就活をめぐる問題を冷静な視点から考え直すことを目的に開催された。勉強会では、実際に就活を経験した学生から、

「精神面を鍛えるセミナーを開く就活ビジネスが成り立っているが、それは採用する企業が、学生に『心持ち』や『意欲』といった曖昧なものを求めているからでは」

との問題提起がなされた。この学生によると、滝に打たれたり神社を巡ったりすることで”心を鍛える”セミナーが実際にあるという。これについては、社会人の参加者から「ひどい話だとは思うが、上手い商売だなとも思う」といった意見や「むしろ学生が(企業に)なめられている」ことを意識すべきとの指摘があった。その一方で、別の学生からは

「就活が”メンヘラ”化している。皆、自分を躁状態に持っていって、ハイテンションの状態で面接を受ける。そうしないと採ってもらえないから。演技をしなければならない現状では、(就活を取り巻く状況が)おかしくなるのは当然」

と訴える声があがった。こうした就活をめぐる問題に悩む学生に対しては、社会人の参加者から「自分の能力を過小評価しないでほしい。面接では自分を隠さず話したほうがいいのでは」と声がかけられていた。

 この勉強会は、宮内氏らが立ち上げた”すべての就活生と企業が平等な立場となることを目指す”「就活生組合」が引き継ぐかたちで、今後も開催されるという。

◇関連サイト
・就活生組合 – 就活デモに参加した学生らが立ち上げた組合
http://www.shukatsu-union.org/

(土井大輔)

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