一層の軽やかさをまとった新型ポルシェ パナメーラ(海外試乗レポート)

▲従来モデルよりアルミを多くの部分に用いたプラットフォームを採用した2代目サルーン。スポーツカーのパフォーマンスとラグジュアリーサルーンの快適性を高次元で両立させたという

▲従来モデルよりアルミを多くの部分に用いたプラットフォームを採用した2代目サルーン。スポーツカーのパフォーマンスとラグジュアリーサルーンの快適性を高次元で両立させたという

究めた速さと快適さが、新しいライフスタイルを示す

初のフルモデルチェンジを受けた新型パナメーラ。まず視線が向かうのが、ルーフからリアエンドにかけてのラインを整え、サイドウインドウの形状も手直しすることで、より911に近づいたフォルムだ。リアビューも、いかにもポルシェ。このアピアランスだけで、成功は約束されたようなものとすら思えてくる。

車体もパワートレインも完全に刷新され、走りは一層の軽やかさをまとった。特にパナメーラ ターボは、先代が全域、膨大なパワーとトルクで突進するようだったとすると、新型は8速化されたPDKが、排気量を4Lに縮小した高効率なエンジンのパワーを無駄なく引き出し、サラッと、しかし猛烈に速いという感じ。フットワークも同様で、遮二無二タイヤを路面に押し付けるのではなく、しなやかにコーナーの連続を切り取っていく。

楽しいだけじゃない。新搭載のポルシェ・イノドライブは、目的地まで単なる道案内をするにとどまらず、最も効率的な運転パターンを計算し、標識なども認識しながら導くコ・パイロット機能。走りの快適さの面でも、新しい時代を切り拓いている。

一気に何百kmも移動して仕事をこなし、帰路には寄り道してワインディングロードを楽しんだりもする。新型パナメーラの向こうには、そんなライフスタイルが透けて見える。自分にとって現実味は乏しいが、乗っているとそんなオトコになれそうな気がするという意味で、どうにも惹かれるのだ。

▲従来型より全長34mm、ホイールベース30mm延長。フロントオーバーハンズを短く、リアオーバーハングを長くし、よりダイナミックなスタイルに

▲従来型より全長34mm、ホイールベース30mm延長。フロントオーバーハンズを短く、リアオーバーハングを長くし、よりダイナミックなスタイルに

▲スピードメーターなどを表示する7インチディスプレイなど、ディスプレイとタッチパネルを多用した新しいポルシェ・アドバンストコックピット。タコメーターのみアナログに

▲スピードメーターなどを表示する7インチディスプレイなど、ディスプレイとタッチパネルを多用した新しいポルシェ・アドバンストコックピット。タコメーターのみアナログに

▲リアを20mm低くしたルーフラインでデザインアイコンの911とのつながりを生み出した。4つのブレーキライトを合わせた3Dのリアランプを採用、左右をLEDのスリットでつないでいる

▲リアを20mm低くしたルーフラインでデザインアイコンの911とのつながりを生み出した。4つのブレーキライトを合わせた3Dのリアランプを採用、左右をLEDのスリットでつないでいる

【SPECIFICATIONS】

■グレード:Panamera Turbo ■乗車定員:4名

■エンジン種類:V8DOHCターボ ■総排気量:3996cc

■最高出力:550/5750-6000[ps/rpm]

■最大トルク:770/1960-4500[n・m/rpm]

■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7DCT

■全長x全幅x全高:5049x1937x1427(mm) ■ホイールベース:2950mm

■車両価格:2327万円text/島下泰久

photo/ポルシェ ジャパン

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