「マグロ漁船に乗せる」は脅し文句!? “危ない仕事”の実態

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 危険だが高給である仕事の代名詞として、いわゆる「マグロ漁船」と呼ばれる仕事がある。半年から1年かけて遠洋でマグロを獲るマグロ漁は、出航したら戻るまで途中で帰って来られない上に、危険度が高いとされる。一方で、高給であるともされ、借金の返済などのための「マグロ漁船に乗せられる」との話がまことしやかに語られることがある。

 「マグロ漁船は脅し文句」――。2011年12月14日の「ニコ生ナックルズ」に登場した、元格闘家でジャーナリストの片岡亮氏によると、「(借金取りに)マグロ漁船に連れて行かれたという話は聞かない」という。自身も「治験バイト」などをさまざまな経験しつつ、”危ない仕事”を取材してきた片岡氏。番組で、マグロ漁船の話題になると、「脅し文句になってしまって、実際は違う方法で切り取られ(債権回収をされ)ている」と話した。

 この片岡氏の発言を受けて、雑誌『実話ナックルズ』発行人の久田将義氏は「(債権回収される人は)ダンプで連れて行かれ、工事現場に送られてる」とし、ライターの赤木太陽氏も

「漫画『カイジ』で地下の労働現場に送られて、チンチロリンで脱出するという世界は、あそこまではひどくないけど確実にある。あれは普通にある世界だ」

と続けた。さらに久田氏は「あれは漫画だから。元(ネタ)はあるんだよね」と語り、ネタ元になるような世界が現実に存在することを示唆した。

■「車のトランクに4日間閉じ込められた」

 番組では、視聴者から「危ない仕事の取材をしていて、危険な目にあったことはありますか?」という質問が寄せられ、それに出演者が答える場面もあった。片岡氏は、この質問に答えて、

「新人記者のころ、ある女性タレントの売春疑惑を追っていたところ、(拉致されて)車のトランクに3泊4日入れられたことがある。(経験が浅い)最初のころだったので、『これで殺されるのかな』と思った。(トランクの中は)ずっと真っ暗闇だった」

と自身が体験した危険なエピソードを披露した。片岡氏によると、トランクに閉じ込められた際、「菓子パンとペットボトルを2回ぐらい与えられた」といい、脅すのが目的であり、メリットがなければ実際に殺されることはないと話した。片岡氏はさらに、

「学んだのは、金儲けの邪魔をしてはダメだということだ。(記事を)書いたおかげでその仕事がダメになった、というのをやっちゃいけないというマイ・ルールがある」

と語っていた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「マグロ漁船について」部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72792554?po=news&ref=news#25:35
・[ニコニコ生放送]「取材していて危険な目にあった?」部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72792554?po=news&ref=news#1:20:15

(尾前孝之)

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