原発事故後の立ち入り制限区域を追ったドキュメンタリー『プリピャチ』
本日、Googleが『検索ワードランキング2011』を発表。「急上昇ワード」は、「地震」「停電」「東京電力」と東日本大震災関連のキーワードで埋め尽くされ、中でも「放射能」や「原発」と言った言葉が上位だった背景には、原発事故への不安や政府、報道への不信感があると考えられます。
原発の現状、報道されていない真実を知りたい。今後の原発の行方は? そんな私達の疑問にヒントをくれるドキュメンタリー映画『プリピャチ』がこの冬、6日間限定で公開されます。
『プリピャチ』は、チェルノブイリ原発事故から12年後の立ち入り制限区域を舞台に、原発周辺の立入制限区域で生きる人々を追った問題提起作。日本でも大きな話題を呼んだ映画「いのちの食べ方」(2005年)のニコラウス・ゲイハルター監督がナレーションや音楽を拝し、モノクロの映像で記録していきます。
映画タイトルにもなっている、ウクライナ北部の「プリピチャ」は、チェルノブイリ原子力発電所から約4kmに位置する市街。1986年の4号炉の大事故の後、原発の周辺30kmが立ち入り制限区域となり、役5万人のプリピャチ市民も避難。以来、“管理されたゴーストタウン”として、許可なしには一歩も足を踏み入れる事は出来ません。
しかし、映画撮影時には1万5000人の人々が原発や放射能の影響を調べる研究所など、この区域内で働いていました。そして、驚くべき事に一般の市民も約700人、許可を得て区域内で生活していると言うのです。
なぜ彼らは見えない危険と隣合わせの人生を選んだのか――。本作は、実際に住民達と対話を行いながら原発事故がもたらしたもの、そして原発自体についても言及していきます。
ゲイハルター監督は、本作について「(原発事故は)いつの時代もどこの場所でも起こりうることだから」と語りながら「次の世代のための参考文献のようなもの」とコメント。映画自体は1999年に制作されたものですが、現在の日本が抱えている問題と共通する事項も多く、鑑賞後はさらに深く知りたい、学びたいと渇望する事でしょう。
映画『プリピャチ』は、2011年12月3日(土)・12月6日(火)ー12月10日(土)の6日間、東京都・神田のアテネ・フランセ文化センターにて上映。来場者全員に、監督のインタビュー等が収録された鑑賞の手引きが配布されます。
『プリピャチ』 – アテネ・フランセ文化センター
※画像は、YouTubeより引用。
※この記事は、ガジェ通ゴールドラッシュの「藤本エリ」が執筆しました。[リンク]
恋愛・美容・エンタメに興味津々な女ライター。日常での「クスッ」や「イラッ」を記事に出来ればと思っています。
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