どう考えても100万円台には絶対見えないプジョー 508SWで目指す「大人の領域」
▲年齢なりの落ち着いた、それなりのサイズ感とクラス感を備える車を現実的な予算で手に入れたくなったとき、真っ先に候補となる車の一つがこのプジョー 508SWです
中年なりのシックでちょっと豊かなライフスタイルへの転向願望
もともとコンパクトなハッチバック系が好きなため、そういったニュアンスの小ぶりな輸入車をメインに乗り継いできた不肖筆者ではある。しかし40代後半という紛うことなきおっさんになった現在、もっとこう「大人の余裕」みたいなものを感じさせる車に乗った方が良い気もしている。
45歳以上のおっさんが小型ハッチバックに乗ってはいけないという法律はない。しかしおっさんたるもの、例えばだが「それなりの邸宅に住み、車はメルセデス Eクラスのステーションワゴン。そして自宅には舶来種の大型犬と、愛する妻子(ちなみに妻はその昔のミス慶應)」みたいな生活の方が、何かとサマになることは確かだろう。
まぁこの「それなりの邸宅」ウンヌンはあまりにもステレオタイプすぎて「東●カレンダーかよ!」と自分でも笑ってしまうが、それでも何となくの方向性として、そういったライフスタイルへと微妙にでもシフトしていった方が、中年の人生はよりシアワセになるはずだという確信はある。もちろんその正反対の場所に「いくつになっても冒険、冒険、また冒険! 定住なんてまっぴらだぜ!」というワイルドでステキな生き方も確固として存在するわけだが、話がややこしくなるため、それについては本稿では触れないこととする。興味がある人は各自で探求してください。
さて。「大人の余裕」を車を通じてブチかますとしたら、手っ取り早いのは「それなりのサイズ感とクラス感のある車に乗る」ということだろう。具体的には、前述の笑っちゃう(?)ライフスタイルにも登場したメルセデスのEクラスステーションワゴンや、BMW 5シリーズツーリング、 あるいはポルシェのカイエンやマカンなどであれば最高だ。
そう、「とりあえず人が乗って移動する」という機能に特化されたセダンよりも、それ以外の何らかのアクティビティにも熱心であることをうかがわせるステーションワゴンやSUVの方が、より「大人の余裕度」は高い。なぜならば、そういった何らかのアクティビティというのは、経済的ならびに時間的な余裕があって初めて可能になるものだからだ。
▲写真は現行型のメルセデス・ベンツ Eクラスステーションワゴン。そりゃこんなのが1台、自宅車庫にあれば言うことなしですが
そうだ、「大穴」のプジョー 508SWがあったじゃないか
ということでワタシもアナタも、45歳を過ぎたら有名舶来ブランドのステーションワゴンやプレミアムSUVを買いましょう……ということで話を終えられたらいいのだが、実際はそうもいかない。なぜならば、そういった「有名舶来ブランドのステーションワゴンやプレミアムSUV」というのは基本的にかなり高価であるため、そう簡単にホイホイ買えるものではないからだ。一例だがメルセデス・ベンツ Eクラスステーションワゴンを買うとなると、新車は最廉価グレードでも車両価格だけで724万円であり、先代末期の中古車を狙うにしても14年式のE250アバンギャルドがおおむね480万円と、なかなかのお値段である。
さて困った、そんなカネはどこにもねえし……とひとり悩んでいたとき、「大穴」とでも呼ぶべき1台の有名舶来ブランド製高年式ステーションワゴンがあることを思い出した。
プジョー 508SWである。
508SWは、11年7月に登場した日本におけるプジョーのフラッグシップワゴン。ボディサイズは前身の407ブレークより一回り拡大された全長4815mm×全幅1855mm×全高1505mmという、メルセデス EクラスワゴンやBMW 5シリーズツーリングとほぼ似たような堂々たるサイズ(※全長だけは508SWの方が100mmぐらい短いですが)。近頃追加された「GT BlueHDi」だけは2Lのディーゼルだが、基本となるエンジンはガソリン1.6Lのダウンサイジングターボである。
グレード展開は、ファブリックシートや16インチホイールを採用するベーシックな「アリュール」と、レザーシートや17インチホイール、バイキセノンヘッドライト、ヘッドアップディスプレイなどを標準装備する上級グレード「グリフ」の基本的には2種類。その他に、13年9月に登場した特別仕様車である「プレミアム」と、前述のクリーンディーゼルエンジン搭載グレードである「GT BlueHDi」がある。
▲メルセデスのEクラスワゴンとほぼ似たようなサイズ感となるプジョー 508SW。大柄なボディに対してエンジンはわずか1.6Lのダウンサイジングターボだが、思いのほか活発な走りを見せる
▲写真はレザー内装となる上級グレード「グリフ」本国仕様のインテリア
100万円台とは到底思えぬ実力、そして存在感
で、そのグリフとアリュールが今、なかなかお安いのである。具体的には走行2万~3万km台あたりの12~13年式グリフを車両価格180万円前後で探すことができ、ファブリックシートのアリュールでも構わないのであれば、類似条件のものを150万円前後で見つけることが可能。……これは悩める中年男にとってかなり高コスパな選択かと思うのだが、どうだろうか。
もちろん、本稿ではライバル(?)として挙げているメルセデス・ベンツ EクラスステーションワゴンやBMW 5シリーズツーリングと比べれば、そもそもの価格帯が違うため(あちらは新車時700万~900万円級で、こちらは新車時約400万~460万円級)、まったく同種類のプレミアム感みたいなものは、率直に申し上げてプジョー 508SWにはない。
が、新車時400万円級だったことが「え? ウソでしょ!?(せめて600万円ぐらいはする車なんじゃないの?)」と思えるぐらいのプレミアム感は、このプジョー 508SWにも確実に存在しているのだ。それはスタイリング然り、内装の質感然り、そして思いのほか活発な1.6Lエンジン然りである。
そのあたりを踏まえつつ、もしも筆者と同様に「そろそろ大人の余裕ってやつをカマせるやや大柄な車に乗り替えようかなあ……」と思っている中年諸兄がいらっしゃったら、ぜひ実際のところを販売店の店頭にてご自身の目で確かめていただきたいと思う。そして筆者としては、きっと「うむ、コレはなかなかというか、かなりのお値打ち品じゃないか!」とご納得いただけるに違いないと、ある程度確信しているのだ。
▲ちなみにトランスミッションはアイシンAW製の6速AT。スムーズな変速が魅力となるメカニズムだ
【関連リンク】
プジョー 508SWの中古車をチェックしてみるtext/伊達軍曹
photo/プジョー・シトロエン、ダイムラー
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