「カジュアルな言葉」は失礼!仕事のメールで今すぐ使える“言い換え”例46選
軽い気持ちが命取りになる?
ふだんプライベートで使っている「話し言葉」や「カジュアルな言葉」を、礼儀やマナーが求められる「仕事のメール」に使っていませんか?
仕事のメールのやり取りは“遊び”ではありません。その主流は、マナーや気遣いが求められるフォーマルなコミュニケーションです。あなたが書いたメールを読んだ人から「この人は礼儀知らずだ」「マナーがなっていない」「失礼だ」「無礼だ」「私を軽んじている」「馬鹿にしている」と思われているとしたら……ゾっとしませんか? あなたは悪気なく書いたのかもしれませんが、残念ながら、挽回の余地はありません。メールの場合、相手がいちど抱いたイメージを払拭することは至難の業だからです。
メールというのは、会話と違って、目の前に相手がいない状態で行うコミュニケーションです。それゆえ、その場で言葉を取り消したり、訂正したりすることができません。もちろん、(会話ではないため)表情や口調、ジェスチャーなどを使って、言葉を補完することもできません。やり直しがきかない一発勝負。読んだときの第一印象がすべてです。しかも、相手が削除しない限り、(良くも悪くも)ずっと手元に残り続けます。それゆえ、失礼のない「書き言葉」で書く必要があるのです。
軽々しい文面をこう転換!“言い換え”例46選!
では実際に、どのような「話し言葉」や「カジュアルな言葉」がメールに使われているのでしょうか。適切な「書き言葉」と併せて、以下に紹介します。
× すいません(すみません)。
○ 申し訳ございません。
× 私たちにお任せください。
○ 私どもにお任せください。
× しばらくぶりです(お久しぶりです)。
○ ご無沙汰しております。
× いつもお世話さまです。
○ いつもお世話になっております。
× これからもよろしくお願いいたします。
○ 今後ともよろしくお願いいたします。
× 弊社が受注することはないです。
○ 弊社が受注することはありません(ございません)。
× ちょっと遅れそうです。
○ 少し遅れそうです。/少々遅れそうです。
× いっぱい回答をいただきました。
○ 多くの回答をいただきました。
× とってもいい感触でした。
○ 非常にいい感触でした。
× たぶん成功するでしょう。
○ おそらく成功するでしょう。
× あんまりいい状態ではありません。
○ あまりいい状態ではありません。
× あとでメールしておきます。
○ のちほどメールしておきます。
× さっきは失礼いたしました。
○ 先ほどは失礼いたしました。
× すぐに取りかかります。
○ 早急に取りかかります。
× やっとここまで来ました。
○ ようやくここまで来ました。
× もうすぐ到着します。
○ 間もなく到着します。
× だんだん増えてきました。
○ 徐々に増えてきました。
× どんどん成長しました。
○ 急速に成長しました。
× どうしますか。
○ いかがいたしますか。
× どこへ行かれますか。
○ どちらへ行かれますか。
× こっちで進めておきます。
○ こちらで進めておきます。
× そんな事態を招くとは〜
○ そのような事態を招くとは〜
× おわかりいただけたでしょうか。
○ ご理解いただけたでしょうか。
× やっぱりそうですか。
○ やはりそうですか。
× 全然問題ございません。
○ まったく問題ございません。
× 決定じゃなくて〜
○ 決定ではなく、〜
× 調べちゃってください。
○ 調べてください。
× 注文しなきゃなりません。
○ 注文しなくてはいけません。
× 彼だから言えるんです。
○ 彼だから言えるのです。
× ちゃんと対応してほしい。
○ きちんと対応してほしい。
× だいたい100人です。
○ 約100人です。
× ときたまあるようです。
○ ときどきあるようです。
× 読みましたけど、まだ返事はしていません。
○ 読みましたが、まだ返事はしていません。
× 原油高が進んだら、経営が厳しくなる。
○ 原油高が進めば、経営が厳しくなる。
× 営業を通さないで、直接ご連絡ください。
○ 営業を通さずに、直接ご連絡ください。
× コピーしときました。
○ コピーしておきました。
× アイデアを募集してます。
○ アイデアを募集しています。
× 不備があったから、現場に戻しました。
○ 不備があったため、現場に戻しました。
× 鈴木とか木村が頑張ってくれています。
○ 鈴木や木村が頑張ってくれています。
× 通販なんかもあります。
○ 通販などもあります。
× 作業は全部終わりました。
○ 作業はすべて終わりました。
× 営業部の意見みたいです。
○ 営業部の意見のようです。
× 一番いい企画はAです。
○ 最もいい企画はAです。
× いろんな手法があります。
○ いろいろな手法があります。/さまざまな手法があります。
× コストなんて重要ではありません。
○ コストなど重要ではありません。
× ミスばっかりくり返している。
○ ミスばかりくり返している。
「書き言葉」を基本にしつつ、フレキシブルに対応せよ!
無意識に「話し言葉」や「カジュアルな言葉」を使って文章を書いている人に限って、自分が使っている言葉が、仕事の文章として“ふさわしくない”ことに気づいていません。
あなたもこの機会に、自分がこれまでに書いたメールを、ぜひ読み返してみてください。自分がよく使ってしまっている「話し言葉」や「カジュアルな言葉」に気づくことができれば、次に書くメールから「書き言葉」に修正することができるようになります。
もっとも、メールの書き方は、相手との関係性や親密度、相手の立場などに応じて変化させて然るべきものです。フレンドリーな関係性を望んでいる相手に、ビジネスライクで堅苦しい印象のメールばかり送りつけるのは、それはそれでコミュニケーション不全です。相手が少し砕けた「話し言葉」でメールを送ってきたときは、自分が書くメールの文面も、相手の砕け具合にそろえる。ときには、そのような“臨機応変さ”も必要です。対面でのコミュニケーションと同じように、求められるのはバランス感覚なのです。
「話し言葉」と「書き言葉」の使い分けは、社会人として身につけておくべきビジネススキルのひとつです。仕事で使うメールは、適切な「書き言葉」を基本にしながら、そのつど、相手との関係性やTPO(時/場所/場合)をわきまえながら書いていきましょう。
著者:山口拓朗
『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』著者。
伝える力【話す・書く】研究所主宰。「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」「売れるキャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。著書に、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)のほか、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)他がある。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。
山口拓朗公式サイト
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