安倍マリオで注目が集まる「土管」。いくら? どこにある?
先日、行われたリオ五輪の閉会式。インターネットでも大注目だったのが、「土管」からマリオに扮した安倍首相が登場したこと。でも、そもそも「土管」といえば建設資材のはず。“マリオ的土管”はいったいどこにあるのか、また購入できるのか、だとしたらいくらなのか。気になる「土管」アレコレを調べてみた。連載【ネットで話題の住まいトピック】
ネットニュースやTwitterなどで話題になった住まいに関するトピックを、時にゆるく、時に真面目に紹介します。
安倍マリオが登場した「土管」。正しくは「ヒューム管」という
今回のリオ五輪の閉幕式では、2020年の東京オリンピックをアピールすべく、日本生まれの人気キャラクターが総出演。しかも安倍首相がマリオにふんして登場するという意外性もあり、ツイッターでは「安倍マリオ」がトレンド入りするなど、大注目となった。
「閉会式、安倍首相がマリオに変身して渋谷から土管で潜って日本の裏側のリオに出てくる演出、とてもよかった」
「わりとズシッとガチっとしてるであろう会議で『首相にはマリオになっていただき土管からバーンと行っていただきます』って発表された時の空気見てみたい」
しかし、マンガ(特に『ドラえもん』をはじめとした藤子不二雄作品)では土管があるのはおなじみの風景だが、筆者(アラフォー/横浜市郊外育ち)でも、身近に土管が置いてある空き地や風景を見たことはない。そもそもあの土管は、どうして空き地にあったのか。多分、建築資材か何かだと思うのだが……。調べていくとあの土管、正しくは「ヒューム管」といい、下水道などで使われている建築資材だということが分かった。
土管は、撤去されつつある「絶滅危惧遊具」だった
ではなぜ、「ドラえもん」などの藤子不二雄作品で、空き地にあったのだろうか。
「昭和30年代〜40年代の高度成長期、都市部において急ピッチでインフラ、特に上下水道が敷設されました。ただ、建築資材なので大量発注するため、どうしても余りがでる。その余ったものを、周囲の土地に置いていたからでは」と教えてくれたのが、全国ヒューム管協会の専務理事・石川さん。
なるほど、今よりもずっとのんびりだった昭和では、一時的に空き地に資材を置いていたのかもしれない。では、今、素人が購入すること(例えば庭のオブジェ用として)は可能なのだろうか。
「基本的には企業間で取引されるので、個人に販売する話は、あまり聞いたことがないですね。ホームセンターで販売しているのかなあ」と石川さんでもご存じないようす。
ちなみに、建設会社勤務の筆者の母にも聞いてみたところ、ヒューム管は道路工事・下水道工事で扱っているけれど、個人に販売した記憶はないという。仮に販売していたとしても、大型でなおかつ重いため、モノの代金よりも運搬費用のほうがかさむはず、と教えてくれた。
一方でインターネットを検索したところ、焼き物の町、愛知県常滑市や愛知県岡崎市のあたりでは、かつては焼き物の「土管」を生産していたようだ。だが、現在は需要がなくなってしまったためか、生産されておらず、「アンティーク」「骨董品」として、扱っている店が極まれにある程度、ということだ。
さらに、土管のある風景を探してみたところ、どうやら土管のある公園そのものが減っているらしい。「絶滅危惧遊具」と指摘していた記事もあった……。だとしたらとても残念ではある。
マンガ・アニメでは当たり前のように見えていたが、どうやら土管そのものが、一般人の目に触れることは、ごくごくレアなようだ。もし東京オリンピックを契機にして外国人ゲストに「マリオの出てくる土管はどこですか?」と質問されたら、どう答えればいいのだろうか。東京オリンピックで再整備が進む今、東京港湾部などに「これがアノ土管だぜ…」というものができたら、とてもおもしろい気がする。東京やオリンピック整備を進めるえらい人、ちょっと検討してくれたらいいのになあ。そんな気持ちにさせられた。●取材協力
・全国ヒューム管協会●参考
#安倍マリオ
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