今、田中角栄がブーム!人を惹きつける「今太閤」の言葉とは
「田中角栄」が今なぜかブームになっています。没後20年以上が経過し、時代もライフスタイルも日本を取り巻く状況も大きく変化したにもかかわらず、田中角栄の言葉に勇気づけられるとして、関連書籍が相次ぎ出版され、なかには75万部を突破したものもあります。
では、人々は田中角栄のどんな言葉に心を打たれているのでしょうか? ビジネスにも役立つ田中角栄の言葉をご紹介します。
今も人気の政治家「田中角栄」とは?
田中角栄といっても、20代の人にはピンとこないかもしれません。まずは彼の生い立ちや政治家としての功罪についてお伝えします。
●生い立ち
田中角栄は1918年、新潟県刈羽郡に生まれました。高等小学校を卒業後、旧制中学へは進学せずに就職しました。夜間の専門学校で土木や商事実務を学びましたが、自らを「高等小学校卒」と称していたように、学歴は低く、歴代の首相で高等教育を受けていないのは田中角栄だけです。
●内閣総理大臣時代
土建会社を作って成功を収めると、国政へ進出します。1947年に国会議員に初当選、郵政大臣(現・総務大臣)、大蔵大臣(現・財務大臣)などを歴任し、65年に自民党幹事長に就任。72年、日本列島を高速道路・新幹線などの高速交通網で結ぶという「日本列島改造論」を打ち立て、第64代内閣総理大臣に選ばれます。総理在任中には日中国交正常化を実現。さらに、列島改造論に基づいて高速道路や新幹線の整備を進め、「地方分散」に取り組みました。
●ロッキード事件
裸一貫から総理に上り詰め、「今太閤」と呼ばれた田中角栄ですが、在任期間はわずか2年半でした。「ロッキード事件」が発覚し、74年に内閣総辞職、76年には逮捕されます。自民党離党後も「闇将軍」と呼ばれるほどの影響力を発揮し、無所属で出馬して地元選挙区で当選し続けましたが、85年に脳梗塞で倒れると、90年 に政界を引退。93年に75歳で死去しました。
なぜ今「田中角栄」が注目されているのか?
田中角栄に関する書籍の出版が止まりません。2015年から2016年前半までの間に約20冊の本が出版されています。それを受けてテレビや新聞、雑誌でも特集が組まれるなどブームになっています。
書籍は、作家・石原慎太郎の『天才』(幻冬舎)が発行部数75万部、ブームの火付け役となった別冊宝島編集部の『田中角栄100の言葉』(宝島社)は50万部を突破しています。人気作家の石原氏の作品は特別としても、田中角栄の言葉を集めて構成した本が50万部というのは驚異的な数字です。
『田中角栄100の言葉』が売れている理由について宝島社では、「昭和を代表する政治家『田中角栄』が、今なぜ見直されているのか?」「『田中角栄100の言葉』が売れ続ける理由とは?」というプレスリリースの中で、「現代の政治家に対する不信感、リーダーシップ不足への不満、政治状況に対する閉塞感など日本における政治不信が続く中」、この本は「時代を超えて語り継がれる人間・田中角栄の『人生と仕事の心得』を厳選し、100の言葉で紹介」「角栄の言葉を通して、勇気や自信を得ることのできる、人生に役立つ言葉が綴られて」いることなどを理由に挙げています。つまり「こんな時代だからこそ、角栄の言葉から明日への勇気をもらいたい」(同プレスリリース)という人が多いということでしょう。
心に刺さる!仕事に役立つ!田中角栄「名言集」
では、心を打つ田中角栄の名言集の中から、ビジネスに役立つ言葉をピックアップしてご紹介します。
<リーダーシップ>
●できることはやる。できないことはやらない。事の成否はともかく、思い切り仕事をしてくれ。すべての責任はこの田中角栄が負う。以上!
●名指しで批判はするな。叱るときはサシのときにしろ。褒めるときは大勢の前で褒めてやれ
<話し方>
●話をしたいなら、初めに結論を言え。理由は3つに限定しろ。世の中3つほどの理由を挙げれば、大方の説明がつく
●わかったようなことを言うな。気の利いたことを言うな。そんなものは聞いている者は一発で見抜く。借り物ではない自分の言葉で、全力で話せ
<人間関係>
●私がかつて人の悪口を言ったことがあるか!誰か一度でも人の悪口を言ったのを聞いたことがあるか!
●人から受けた恩を忘れてはならない。必ず恩返しをしろ。相手が困ったとき、遠くから慎み深く返してやるんだ
●約束したら、必ず果たせ。できない約束はするな
<仕事の心得>
●功は焦らなくても良い。自分に実力がありさえすれば、運は必ず回って来る
●時間の守れん人間は何をやってもダメだ
●与えられた仕事に全力を尽くすことが、新しい場面を開く結果になる
●寝言を言ったり不満ばかり言っているヤツは、人生終わるまで不満を抱き続ける人間になるぞ
●世の中にはいいことなど少ない。嫌なことは、その日のうちに忘れろ
●世の中は白と黒ばかりではない。敵と味方ばかりでもない。その中間地帯、グレーゾーンが一番広い。真理は常に中間にある
あらためて見つめ直される「人間・田中角栄」の魅力
毀誉褒貶が相半ばする政治家でありながら、これほどいろいろな書籍が発売され、実際に売れているのは、田中角栄くらいではないでしょうか。裸一貫から上り詰めたエピソードや旺盛なバイタリティ、人情味あふれる素顔に惹かれた人。真理をつく言葉の数々に勇気づけられ、自己啓発書のように読んでいる人など、書籍の楽しみ方は人それぞれ。田中角栄という人物に興味を持った方は、ぜひご一読を。
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