【犬の散歩】リードの「Jシェイプ」が意味するもの

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画像をご覧ください。犬のリードがアルファベットの「J」の字のようになっているのがお分かり頂けると思います。このようなリードの状態をJシェイプと呼びます。リードが完全に弛み、犬が飼い主の側面に位置していないとJシェイプにはなりません。つまり、犬にリードは付いているものの、リードによる抑制の必要がない状態です。リードが張っていないので、事実上オフリード(リードが付いていない状態)と同じ状態とも言えます。

Jシェイプはリラックスと信頼の証

犬は飼い主が歩く方向へ黙って付いていく。余計な力みがなく、飼い主を引っ張るようなこともない。ただただリラックスした状態で飼い主と移動する。このような状態ではリードの抑制は必要ありません。飼い主が止まれば犬も止まり、飼い主が歩き始めれば犬も歩き始めます。こうした無言のコミュニケーションが取れている状態が理想的です。

リードがJシェイプになっていれば、犬に引っ張られることもありません。また犬が道路に飛び出すといった命に関わるような行動のリスクも減らすことができます。また、常にリードを短く持って、犬が勝手に動かないように矯正する必要もなくなるわけです。

犬が飼い主を引っ張る事のリスクを知る

リードがピンと張り、飼い主を引っ張って歩いている状態が続くと、様々なリスクが生まれます。
首輪をつけていれば、首への圧迫がかかり、気管虚脱などの取り返しのつかない症状にも発展します。また犬の首には中枢神経や多くの血管などの重要な器官があるため、この部分の圧迫が常態化すると眼圧が上昇して緑内障を誘発するリスクが高まります。
ハーネスの場合には、このリスクは避けられますが、子犬が常に引っ張っている状態では、関節の成長にも悪影響を与えます。首輪でもハーネスでも、犬がリードを張りながら飼い主を牽いて歩いている状態では、犬は常に興奮している状態です。こうした不自然な引っ張りが慢性的になると、適切な筋肉の発達を妨げるだけではなく、気管虚脱や緑内障などのリスクを高めてしまいます。

興奮させないで歩くことで安全を確保する

犬がリラックスして穏やかに歩いていれば、不意な刺激があって興奮したとしても比較的に早く落ち着きます。反対に興奮している状態では、刺激に対しても敏感になり、元々高い状態にある興奮度は簡単にマックスまで上がります。犬が興奮していれば、その行動をコントロールするのは困難となるでしょう。
こうして興奮度がマックスに達した時に事故は起こります。意図せずにリードが手から離れ、犬が目標に突進し、犬が迷子になったり、交通事故で亡くなったりするケースはとても多いのです。
犬が基本的にリラックスした状態であれば、刺激に反応しても興奮度がマックスになるまでは、段階を経るための時間がかかります。この間に犬へ指示を出すなどをして落ち着かせることも可能になります。
また、先述のような病気への罹患リスクも下げられるでしょう。

どうやってJシェイプを作るか

このトレーニングの方法は何通りかあります。お近くのトレーナーなどに指導をお願いしてトレーニングの方法を教えて貰いましょう。くれぐれも、訓練士に預けてトレーニングをしないようにします。なぜなら、預けて訓練をすると飼い主の見ていないところで訓練されます。ここではどのような訓練が行われているか飼い主は知ることができません。訓練士の中には、歩行を教えるだけでも強烈な体罰を使う者も多くいます。こうした体罰で教育されると、犬は不安を募らせて攻撃性が出現するなど、別の問題行動を引き起こすことが多々あります。クリッカートレーニングや、その他の犬に負担のないメソッドを、飼い主に向けて指導するトレーナーやドッグビヘイビアリストに依頼するようにしましょう。
ちなみに、首輪でもハーネスでも歩行は問題なく教えることができます。画像の犬は我が家の犬たちです。向かって右の犬はハーネスをつけており、左の犬は首輪です。

補足:散歩と運動は別もの

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一部の意見として、「犬に引っ張らせた方が、筋トレになる」というものがあります。しかし、これは先述した通りのリスクがついて回ります。こんなリスキーなことをする必要はないでしょう。
散歩ではリラックスして歩く事で、安全を確保します。また、犬嫌いな人もいるのでマナーでもあります。
そして広い公園などの安全な場所でロングリードや伸縮リードなどに替えて、運動をさせます。ここでは全身がバランスよく使えるような運動を心がけます。犬がリードを牽く事で鍛えられる筋肉は、当然ながら自然な形での運動ではないため、バランスの取れた筋トレにはなり得ません。しっかりとした運動で、バランスの良い筋肉をつけさせましょう。犬の筋肉量は健康寿命にも大きく貢献することが知られています。こうした意味でも、健全な運動も必要不可欠と言えるでしょう。

※画像は全て著者が撮影したもの

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(執筆者: MASSAORI TANAKA) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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