次期アキュラRLX(レジェンド)、3L V6ターボを採用

▲次期TLXのロングホイールベース版に、専用マスクが与えられる次期RLX。大きな5角形グリル、ボディ側面を印象づける複数のプレスラインが目をひく

▲次期TLXのロングホイールベース版に、専用マスクが与えられる次期RLX。大きな5角形グリル、ボディ側面を印象づける複数のプレスラインが目をひく

アキュラブランド躍進のカギをにぎる

北米において、ホンダの事業を支えている柱のひとつがアキュラだ。同ブランドは、スポーティなモデルを扱うブランドとして1986年に設立。1990年には、フラッグシップのNSXがラインナップされた。以後、スポーティセダンの品揃えを拡充。日本ではレジェンドとして投入されたモデルも、北米ではアキュラRLXを名乗っている。

アキュラは、レクサスやインフィニティ、BMWといったプレミアムブランドに対抗してきた。ここ10年は、ブームを見越してSUVの拡充に力が注がれてきた。その結果、プレミアムSUV市場では、レクサス、メルセデスベンツ、BMWに次ぐシェアを確保。車種別の利益も上がっている。

だが、強豪の多いセダン市場の話となると、アキュラの存在感は一気にかすんでしまう。収益性は低く、販売実績も目標割れしているのが実情だ。

▲アキュラRLXは、5代目レジェンドとして日本市場にも投入されている。独自のSH-AWDシステムは、電気モーターが用いられてハイブリッド化。回避操作をサポートする、歩行者事故低減ステアリングも採用される

▲アキュラRLXは、5代目レジェンドとして日本市場にも投入されている。独自のSH-AWDシステムは、電気モーターが用いられてハイブリッド化。回避操作をサポートする、歩行者事故低減ステアリングも採用される

ホンダ車との違いを強化。独自性の足りなさを解消へ

なぜ、アキュラのセダン群は受けていないのか。調査を通じて得られた結果によると、ホンダブランドとの違いが少なすぎることが要因のひとつに挙げられた。確かに、既存のモデルを見ると、「ホンダ車の顔違いか」と勘違いしてしまうほど、印象が酷似している。アキュラならではと感じさせるテイストが不足していることは否めない。

そこで、ホンダはアキュラのデザイン改革に乗り出すことを決めた。その宣言ともいえるコンセプトモデルが、2016年1月のデトロイトショーに出展された、アキュラ プレシジョンコンセプトだ。車体の四隅に配されたタイヤが踏ん張り感を演出。切り立った大きな5角形グリルにより、独特の表情が創出される。

▲2016年1月のデトロイトショーで公開された、アキュラ プレシジョンコンセプト。次期アキュラセダンを示唆するデザイン要素が盛り込まれたスタディモデルだ

▲2016年1月のデトロイトショーで公開された、アキュラ プレシジョンコンセプト。次期アキュラセダンを示唆するデザイン要素が盛り込まれたスタディモデルだ

これまでアキュラは、ミドル級のTLX、ラージ級のRLX(日本名レジェンド)、そしてコンパクトなILXをラインナップしてきた。前述のショーモデルは、大きさこそ違えど、2019年にデビューが予定される次期TLXの予告編と見て間違いないようだ。

ホンダはそれぞれ別に開発されてきた、この3モデルを一括開発してファミリー化する方針のようだ。まず、次期TLXが登場し、その翌年には中国向けにホイールベースを延長したロング版がリリースされる。こちらは現地で生産される可能性が高い。

その2年後にはRLXが世代交代を果たすが、ここでTLXロングがベースに起用され、ボディ前後やインパネの一部が作り替えられる。いわば、日産におけるフーガとシーマのような関係だ。国内向けレジェンドも同様にと言いたいところだが、なんと日本仕様の開発を中止することが検討されているとの情報を得た。

デザインだけでなく、技術面においてもアキュラ独自のお楽しみが控えている。それはV6ターボ。開発中の3Lターボは、最高出力360psを発生し、現在の3.5L NA(315ps)に代わって次期TLXから導入される予定だ。次期RLXにも採用される。

現在、ホンダ車からアキュラブランドへと代替えするユーザーは年間2万5000件ほど。逆に5万件は、レクサスやメルセデスベンツ、BMWなど、他ブランドに流出しているという。アキュラのデザインと性能を見直すことで、年間5万件の代替えユーザーを囲い込む計画で、ブランド力の強化が図られる。

※2016年6月22日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】

■予想発表時期:2022年

■全長×全幅×全高:5010×1890×1455(mm)

■搭載エンジン:3L V6+ターボ 他

text/マガジンX編集部

photo/マガジンX編集部

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