アリスとマッドハッターのコンプレックスは父親との過去? 新作『アリス』で明かされる秘められた真実
2010年に公開され世界的ブームを巻き起こした『アリス・イン・ワンダーランド』から6年。ついに待望の新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』が今夏公開。ヒロインのアリス(ミア・ワシコウスカ)、奇抜な帽子職人「マッドハッター」(ジョニー・デップ)など人気キャラクターも再集結。なんと今度はアリスが“時間をさかのぼる”冒険に出かけ、ワンダーランドの住人たちの秘められた過去まで明らかになります。
映画の始まりと共に登場するのは、亡き父の後を継ぎ、なんと大海原で船長として活躍するアリス。かつてのひ弱な少女の面影はなく、自分の力で運命を切り開こうとする、大人の女性へと成長した新しいアリスは必見です。
ただしたくましそうに見えるアリスでも、実は父の死を克服できずにいる。時間はいまだアリスの傷を癒すことができず、むしろ父親を奪った「泥棒」であり「敵」である……と彼女は思っているのだ。そこへ畳み掛けるように、大人になった彼女ならではの仕事や家庭にまつわるトラブルが勃発。そうして心に迷いが生じたとき、アリスは再び“ワンダーランド”と誘われます。
そこでアリスを待っていたのは、あの奇天烈で楽しいマッドハッターが悲しみに沈んだ姿……。自分の家族の悲劇を思い出した彼は、すっかり悲しい過去にとらわれて帰らぬ家族を待ち続けるように。大切な友人を助けるために、アリスは「時間をさかのぼって過去を変える」という禁断の救出方法に打って出ます。
時の番人<タイム>を出し抜いてついに過去へとさかのぼったアリスは、若き日のマッドハッターと彼の家族に出会う。そこで目撃したのは、帽子職人としての晴れ舞台で大失態を演じるマッドハッターと、失望する彼の父。立派な帽子職人になってほしいと願い厳しく接する父に、マッドハッターは思わず決別宣言をして出て行ってしまう。自らの経験で、父と会えなくなる悲しさを誰よりも理解するアリスは、マッドハッターを止めようと必死。だがマッドハッターの意志は固く、「お父さんみたいにはなりたくない」と言い残して去ってしまうのです。
以来マッドハッターの心には、父の存在が大きく影を落としている。アリスと同じように、「父との過去」が大きなコンプレックスになっているのだ。前作ではとにかく奇抜さが前面に出ていたマッドハッターだが、本作では物語が進むほどに、父の愛情を欲し家族との再会を願う、人間らしい心の動きが描かれる。あのとき素直になっていれば、離れることをしなかったら……。狂気の奥に悲しみと優しさを潜ませた、新たなマッドハッター像が見る者の涙を誘います。
「父との過去」に心をとらわれたアリスとマッドハッター。似た者同士ともいえる大切な友人を救うため、アリスは迫りくる脅威と戦いながら、やがて「時間」にまつわる大切な“気付き”を得ることに。それは、時間は「奪う」だけでなく多くのものを「与える」存在だということ。アリスにとって、父親との時間は永遠に奪われてしまったが、父親と過ごしたかけがえのない時間も、彼女の中では永遠に大切な宝物なのです。そしてマッドハッターもまた、アリスの助けを得て父や家族の大切さを再確認し、再会にむけて動き出す!果たしてアリスやマッドハッター、そして摩訶不思議なワンダーランドの運命やいかに?
家族や時間との関わり方など、前作以上に普遍的で誰でも共感できるテーマを描いた本作。特に冒険を経て、過去にとらわれず未来に向かって歩き出すアリスの勇気と潔さは、現代を生きるすべての人を元気づけます。今夏家族や大切な人と見てほしい1本、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は7月1日(金)全国ロードショー。
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