“しぞーかおでん”を食べつつ文学談義!? 文芸同人イベント『静岡文学マルシェ』とは?
最近、小説や詩などの同人イベントが東京以外で開催される機会が増えています。文芸同人イベントの草分け的存在の『文学フリマ』は“百都市構想”を掲げており、2016年7月23日には札幌、9月4日には岩手での開催が決定しています。このほか、独立系でも兵庫県尼崎市で『尼崎文学だらけ』が7月18日に行われる予定になっています。
そんな中、静岡でも2016年6月19日に『静岡文学マルシェ』というイベントが開催されます。直接参加するブース8サークルのほか、委託参加23サークル、展示参加2組というラインナップで、有志から寄せられたポストカードをつなげてアンソロジーにするという“ポストカード・ギャザリング”というユニークな企画も実施されます。
また、開催前日の6月18日には前夜祭も。なんでも、“しぞーかおでん”を食べながら文学・創作談義をする会にしたいのだとか。
ここでは、実行委員の添嶋譲さん、徒川ニナさん、柚木康裕さんにメールインタビューを実施。イベントを開催することになったきっかけやその楽しみ方などについて教えて頂きました。
--まず、静岡で文学のイベントをすることになったきっかけや経緯について教えてください。
添嶋さん:私は年に数回東京で開催される文学系のイベントに参加しています。遠方へ出かけて参加することもいいのですが、自分の身近な場所で開催されればもっと参加しやすいのにと思うことがあります。加えて、かつて自分がそうであったように、文学系のイベントに参加してみたいけれど、いろいろな要因で躊躇しているかたがいるのではないかと思いました。
そのため、静岡にもいるであろう、アマチュア作家、同人作家さんにも参加しやすいイベントを静岡で開催できないかと考えるようになりました。
幸い、県内在住アマチュア作家の徒川ニナさんからお声掛けをいただき、徒川さんの知り合いでもある、会場のスノドカフェのオーナー、柚木康裕さんと話をする機会を持つことができました。柚木さんにも「静岡で開催する文学系イベント」というものに大変興味を持っていただいたこともあって、会場としてスノドカフェを使用することができ、開催の運びとなりました。
--「マルシェ」と名付けた意味はどのあたりにあるのでしょうか?
添嶋さん:マルシェは野菜だけでなく魚や肉などの食べ物、他にも洋服や雑貨など生活に必要なさまざまなものが集まっています。このイベントもいろいろなタイプの文学が一ヶ所に集まってきます。これはマルシェといってもいいのではないか、ということから名付けました。
--会場となっているスノドカフェがどんなところなのか教えて下さい。
添嶋さん:普通のカフェとはちょっと違っていて「夜の公民館」という言葉が似合う場所です。文学関連でいえば読書会や、文章講座、哲学カフェなどのイベントを定期的に開催していて、いろいろな議論の生まれるところでもあります。
また、もちろんカフェですから、静岡には美味しいコーヒーを焙煎するところ、県産の紅茶を作っているところがあるのでそれを提供していますし、マクロビオティックを応用したマフィンが人気です。
--イベントの特色を3つ挙げるとすれば、どのようなことになるのでしょうか?
添嶋さん:静岡文学マルシェには「静岡で作品発表の場を設けること」「地域で創作者の繋がりを作ること」「文学の楽しさを共有すること」という3つのコンセプトがあります。
一つ目ですが、他の地域で行われるイベントに参加することも良いことですが、興味はあるけれども、まだ参加したことのない方には多少ハードルが高いこともあるかもしれません。『静岡文学マルシェ』は参加するためのハードルを低くし、参加しやすい形をつくることで、静岡で創作をする方の作品発表の場を作りたいと考えています。
二つ目はこのイベントの規模が小さいこともあり、大規模イベントではしにくい、創作をする方々が互いに話をしやすい場、集まりやすい場を作れたらいいな、と思います。例えば、イベントがないときでも会場であるスノドカフェに集まって話をしたりとか、作業をしたりとかがあってもいいのではないかと。
三つ目は書く側だけでなく読む側の人も含めて、文学について堅苦しくなく、好きな作家や小説などについて気軽に話ができる場を作ろうということです。読書会や読書環境にまつわる話などもできたらいいですね。
--静岡には、どのような文学の書き手がいるのでしょうか?
添嶋さん:静岡にもゆかりのある作家がいて、たとえば大岡信や小泉八雲などは資料館があります。また、年に一度連詩の会が開催されたりしているのですが、では、いま現在、どのような書き手がいるのだろうかというと、実は私たちにもよくわからないのです。
ですから、私たちも静岡にいる書き手を知りたいと思っていますし、ぜひ興味を持ってほしいと思います。
--イベントにどのような人が来てもらいたいと考えていますか?
徒川さん:文章・文学が好きな人はもちろん、同人誌のことを知らなくても、本を読むのことがあまり好きでなくても、ふらりとなにかのついでに立ち読みがてら来ていただければ。
柚木さん:予定調和ではない「不測の出会い」を用意しているので、それを期待してきてほしいです。
添嶋さん:書き手には静岡にも物書きをする人がいるんだということを、読み手にはアマチュアの書いたものにもおもしろいものがあるんだということを、実感しに来てほしいです。ぜひ、なにやってんだろうなーという気持ちで遊びに来てください。もちろん、カフェのメニュー目当てでも大丈夫です。コーヒーを飲みながら、本を読んだり、話をしたり、のんびり過ごしていただければうれしいです。
--ありがとうございました!
静岡文学マルシェ
日時:2016年6月19日 11:00~17:00
場所:スノドカフェ七間町
静岡県静岡市葵区七間町7-8
TEL:054-260-6173
静岡文学マルシェ(公式サイト)
http://shizubun.wp.xdomain.jp/ [リンク]
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
ウェブサイト: https://note.com/parsleymood
TwitterID: ryofujii_gn
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