今に生きる“匠の技”を紹介する“江戸生活文化伝承館”が江戸ワンダーランド日光江戸村にオープン!

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今に生きる“匠の技”を紹介する“江戸生活文化伝承館”が江戸ワンダーランド日光江戸村にオープン!

江戸時代の文化や生活を集大成した人気のテーマパーク・江戸ワンダーランド 日光江戸村(栃木県日光市)にて6月12日、注目の新施設“江戸生活文化伝承館”がオープンした。

これは江戸時代より受け継がれ、今の人々の生活の中に生きている職人たちの“匠”の技を紹介する施設だ。場所は、子どもたちに人気の“ニャンまげ劇場”の斜め向かいにある。

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江戸時代の武家屋敷を再現した建物の中に、回遊式に広がっているのが特徴の江戸生活文化伝承館。この門をくぐり、「EDO is the Answer.(江戸に答えあり)」と記された案内板の矢印に沿って進むと、「紅」、「線香花火」、「藍染」、「江戸切子」、「竹細工」、「打刃物」、「箒」、「団扇と版元」、「日本刀と爪切り」など、職人の技によって作られた日常生活用品などを紹介するコーナーが並んでいる。

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「線香花火」のコーナーでは、ジオラマによって再現された江戸の街の夜空を打ち上げ花火が彩る風景を楽しむことができる。「箒」のコーナーでは実際に自分で箒(ほうき)を手に取って畳の上を掃いてみることも可能で、小さな子どもからお年寄りまで、家族全員で楽しめる内容となっている。

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開設日の6月12日には、オープンに先立ち、開設式が行われた。江戸ワンダーランド 日光江戸村のユキリョウイチ社主は、「江戸時代から現在まで脈々と続いている職人の方々の技や、日常生活品を目の当たりにできる場所が必要なのではないかと思いました」と同館開設に至った背景を紹介した。

「骨董品などではなく、あくまでも未来に繋がるもの、私たちが日常で今でも使っているものをきちんと展示させて頂き、これが僕らの“未来の江戸”なのだということを世界に発信したくて、この場所を作らせて頂きました」と紹介。「心意気としては、ルーブル美術館に負けない美術館を作ろうと思います」と目を輝かせる。

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開設式には、多数の関係者が祝福に駆け付けた。伊場仙の吉田誠男社長が来賓者を代表して、「ぜひ、年間来場者100万人を目指して頑張って頂きたい」とユキ社主を激励。開設式では、鏡開き、江戸町火消し二番組内千組による「纏い振り」や、伊ノ丸による「獅子舞」も行われ、来場者の目を楽しませた。

開設式の後、ユキ社主は、「“江戸”は過去のものではなく、“江戸”の中に、現代に生きている日本人の僕らが背負いながら未来を作っていくためのものがあると思います」と思いを明かした。

続けて、「ますます世界中で交流が加速化する中、日本人としてのアイデンティティをきちんと主張しなければならない」といい、「江戸時代から続く生活用品には、世界に誇れる技術と歴史と文化が込められています。間違いなく、僕らのアイデンティティの一部だと思います」と、職人たちの“匠”の技と、その技で作られる日常生活品を見直す必要性を言葉にした。

また、職人たちの技と生活用品を「人がたくさん集まる場所で目の当たりにして頂き、その中で、日本人としての誇りをさらに持てるきっかけになればいいなと思っています」と同館開設に込めた思いについて語る。

さらに、「かつて武器だったものが江戸時代に日用品になったということは誇れる部分です。火薬を武器ではなくて花火にしたり」と胸を張った。そして「近代国家の中で世界最長と言われますが、江戸は270年間戦争がなかった近代都市で、世界で初めて人口が100万人を突破した街です。生活用品の中にすべてが凝縮されていると思います」と江戸の良さ、魅力について強調した。

同館の今後の展開については、「毎年、色々な形でリニューアルしていきたいと考えています。職人の方に来て頂いて、世界中のお客様、たくさんのお子さんたちに、実際に手で触れて、においをかいで、五感を通して体験して頂くことも始めていこうと思っています」と構想を明かした。

「ここにあるすばらしい品々を使って、子どもたちに何かを作ってもらうイベントもどんどん開催していきたいと思っています」と目を輝かせたユキ社主は、「僕自身も思い返せば、折り紙をハサミで切ったりした経験があります」と回顧。

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「ハサミひとつにしても、みなさんは“こんなに切れるんだ!”と驚くと思います。逆に、大量生産の工業製品を使ったときに“このハサミは切れないな”と感じることができるようになります。その違いを分かってほしい」と熱く語った。

ユキ社主は、「実際にここで、ハサミを使ってもらったり、箒を使ってもらったり、職人さんと交流してもらったりすれば、その中で、例えば、“僕もハサミ職人になりたい”と思う子どもが出て来るかもしれません。試しに紅を塗ってみた女の子が“私も紅職人になりたい”と思うかもしれません。それが伝承になると思います」を声を弾ませた。

「江戸の生活文化伝承ということでやっていますが、今後は、アジアの中には歴史のある生活用品が色々とあると思いますので、人同士の交流もやっていきたい。また、日本の子どもたちにアジアの歴史ある生活用品に触れるキッカケにもしていきたい」と更なる展望にも言及。

加えて、「開設は始まりの第1歩です。江戸生活文化伝承館のキーワードは“EDO is the Answer.”(江戸に答えあり)なのですが、今、全社員が“自分は江戸生活文化伝承員なのだ!”という共通の熱意と目標を持っています。社員たちも盛り上がっています」と、江戸生活文化伝承館にかける並々ならぬ思いをのぞかせる一幕もあった。

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江戸生活文化伝承館は、子どもたちが江戸の伝統と文化に触れることができ、大人にとっても、楽しみながら新しい発見や驚きに出会うことができる場所といえよう。さらに、おじいさんやおばあさんと一緒に来れば、おじいさんやおばあさんの体験を通して子どもたちに歴史を伝えることも可能だ。

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今後も様々な展開を見せるという江戸生活文化伝承館。ぜひ、訪れて、ご自身で体験してみてはいかがだろう。

EDO WONDERLAND 日光江戸村
http://edowonderland.net/

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