【6/17公開】もはやパニックを通りこしてホラー! 『10 クローバーフィールド・レーン』直前レビュー
パニック怪獣映画『クローバーフィールドHAKAISHA』からおよそ8年。長い沈黙を打ち破り、ついにクローバーフィールドの名を継ぐ作品が誕生した。それが6月17日(金)より全国公開となる映画『10 クローバーフィールド・レーン』だ。本作も前作と同様、徹底した情報統制が行われており、事前に明らかになった事柄は非常に少ない。
今回、一足お先に本作を鑑賞した筆者。はっきり言って、事前の情報など全く役に立たなかったと言っていいほど、とんでもない展開が待ち受ける結末となっていたのだ!
「奴らはあらゆるフォームでやってくる。」 この言葉が指し示す意味とはーー
あらすじ
ある日、目を覚ましたら、シェルターの中にいることに気付いたミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)。その日から「きみを救うためにここへ連れてきた」と話すハワード(ジョン・グッドマン)、ミシェルと同じ様にシェルターに連れてこられたエメット(ジョン・ギャラガー・ジュニア)の3人のシェルターでの共同生活が始まる。男は、本当に信用できるのか?それとも別の目的がある悪人なのか?疑心暗鬼の中、共同生活が続いていく――。
ある日、ミシェルは必死にシェルターから抜け出そうと試みるが、「ドアを開けるな!皆殺されるぞ!」と叫びながら制止しようとするハワード。ミッシェルはシェルターのドアまでたどり着く。ミシェルの表情が恐怖と驚きに満ちた表情に変わっていく。
シェルターのドア越し、彼女の眼に見えていた世界とは――?
『10 クローバーフィールド・レーン』予告
どんどんどんでん返しの展開
『クローバーフィールドHAKAISHA』という作品が公開されたのがおよそ8年前、今ではスターウォーズの監督を務めるまでになったハリウッド最高クラスの監督J・J・エイブラムスの手によってだ。そしてそのJJは今回は製作を担当、監督を務めるのはJJが見出した新進気鋭の若手監督ダン・ドラクテンバーグである。なんと今作が長編映画監督デビュー作というから驚きだ。しかし本作は海外でも非常に評判が良く、何を隠そう大の『クローバーフィールド』好きの筆者も、想像の遥か斜め上を行く結末に目を白黒させた程。
JJ曰く、「『クローバーフィールドHAKAISHA』と本作は同じDNAを持ち、特別な繋がりをもつ作品集の一遍である。」もしかしたら、もしかすると……! という期待値も上がる非常に意味深な発言を残している。
サスペンス映画を通り越してホラー映画の感すらある。
本編に関してまず言えることは、「とにかく怖い!」。前作『クローバーフィールドHAKAISHA』が手持ちビデオ演出によるパニック系怪獣映画だったのに対し(BGMもほとんど無かった)、今作は非常に神妙な雰囲気で滑らかな映像から始まる。手ブレなどは一切なしだ。BGMも非常にオドロオドロしい曲が使用されており、これでもかというほど観ている者の心を揺さぶりにくる。何故か地下のシェルターで共同生活を始めることになった主人公達の、あまりにも不気味な日常は全く予想がつかず、全ての動作に心休む事が無い。
そして!
段々と始まっていくシェルター内での恐怖の連鎖。ここからはもうサスペンスを通りこし、ホラー映画の様相も呈してくるのだ。はっきり言って前作のような雰囲気では全くない!
しかし!
驚くべきことに最後の最後に、JJの言う「同じDNA」が炸裂したのか、怒涛の展開が突如繰り広げられるのだ! 序盤と中盤、そして終盤で全く異なるテンポと雰囲気を持つ、観ていて全く飽きない考えぬかれた作品だ!
ジョン・グッドマンがとにかく怖い
登場人物が極めて少ない本作において、明らかに最もヤバい雰囲気を放っているのがシェルターの主・ハワード。海軍で衛星に関する仕事をしており、何らかの異変を察知してシェルターを作ったと説明するが、そもそもそれが本当かどうかは全く不明。敵なのか味方なのかは、最後まで見ないと見抜けないだろう。そしてそれを淡々と演じるジョン・グッドマンの怪演は一見の価値アリ。
映画『10 クローバーフィールド・レーン』は2016年6月17日(金)、全国ロードショー。
『10 クローバーフィールド・レーン』公式サイト
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