「一緒に働きたい」と思われる!相手を心地よくさせる「気配り」ワード20例
どんな職種でも、周囲の人から「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえれば、何かとお得です。情報や協力を得られて仕事がスムーズに運びやすくなるのはもちろん、希望のプロジェクトに声をかけてもらえる可能性も高まります。営業職であれば、ストレートに売上アップにつながるでしょう。
では、「一緒に働きたい」と思われるのはどんな人か。もちろん、業種や職種、取り組む案件によっても変わってきますが、共通するのは「気配りができる人」ではないでしょうか。ビジネスシーンのさりげない場面でも「この人は気配りができる人だな」という印象を与えれば、「長くお付き合いしたい」と思ってもらうことができるでしょう。
そこで今回は、さまざまシチュエーションで「気配りができる人」と「そうでない人」の例を見比べてみましょう。ちょっとしたことで、相手に与える印象はずいぶん変わってきます。
お話を伺ったのは、広告代理店勤務時代に3000人以上のVIPに対応した経験を持つ「気配り」のプロフェッショナル・後田良輔さんです。
●初対面の人に挨拶するとき
<×>「よろしくお願いします」と声をかける
<○>「お会いするのを楽しみにしておりました」「お目にかかれてうれしいです」と声をかける
●打合せを始めるとき
<×>「では、よろしくお願いします」と本題に入る
<○>「今日はお時間をいただき、ありがとうございます」とお礼を言う
●人をほめるとき
<×>「すごいですね」「さすがですね」とほめる
<○>「**ができるなんてすごいですね」と具体的なポイントを挙げてほめる
「上司もすごいと感心していました」と第三者の意見も交えてほめる
1対1のときではなく、あえて「人前で」ほめる
●指摘や助言を受けたとき
<×>「そうなんですね」「わかりました」と答える
<○>「さすがですね、気付きませんでした」「初めて知りました。ありがとうございます」と答える
●人から説明を受けるとき
<×>一心不乱にメモを取る
<○>何度もうなずきながらメモを取る。ときどき質問を投げかける
●打合せを終わらせるとき
<×>「では、今日はここまでということで」と終わらせる
<○>「ほかに何か心配な点や気になることはありますか?」と聞く
●会議で司会を務めるとき
<×>時間がもったいないので、すぐに本題に入る
<○>初めに進行の流れや段取りを話してから本題に入る
●会議で誰かが間違った意見を言ったとき
<×>「それは違うと思う」と即座に指摘し、自分の考えを述べる
<○>「そういう考え方もできますね」とワンクッション置き、自分の考えを述べる
●対応するのが難しい依頼を断るとき
<×>「自分にはちょっと無理です」「自分にはできないです」と断る
<○>「かえってご迷惑をおかけするといけませんので」と断る
<×>気まずいので、うつむいたまま断る
<○>「眉間のしわ」を相手に見せて「断るのが心苦しい」という気持ちを表しつつ「残念です」と断る
●忙しいときに相談を持ちかけられたとき
<×>「今、忙しいから無理」と言う
<○>「今、バタバタしているから、30分後でどう?」と言う
<×>自分の用事が終わってから聞く
<○>自分の用事を中断して聞いてあげる
●誰かに相談を持ちかけるとき
<×>「ちょっと時間をください」と言って話し始め、気付くと1時間たっている
<○>「15分だけお時間いただけますか?」と時間を区切って話を進め、15分で終える
●頼みごとをするとき
<×>会ってすぐに、頼みたい用件を切り出す
<○>「この間、**の件ではありがとうございました」と前回のお礼を述べてから用件を切り出す
<×>「何とかよろしくお願いします」と頼み込む
<○>「ぜひあなたに頼みたいんです。なぜなら…」と、相手を頼りにしている理由を伝える
<×>自分で担当を割り振り「これをお願い」と依頼する
<○>「私はAをやるので、Bをお願いできますか?」とお互いの役割を明確にした上で依頼する
●頼みごとをした後、すぐに追加の依頼をするとき
<×>「もうひとつあるんですが」と、続けざまにほかの事案も頼む
<○>「厚かましくて恐縮なのですが」と断ってから、ほかの事案の相談をする
●後輩や部下から失敗の報告・相談を受けたとき
<×>「それは大変だ」「それは困った」と言う
<○>「よく話してくれたね。大丈夫」など、まず相手を安心させる
●手伝ってくれた後輩や後輩をねぎらうとき
<×>「ありがとう」と言う
<○>「いつもありがとう」と言う
●仕事を終えて帰るとき
<×>先輩や上司に「お先に失礼します」と声をかけて先に帰る
<○>先輩や上司に「何かお手伝いできることはありませんか?」と声をかけてから帰る
●複数の人にお世話になったプロジェクトが終了したとき
<×>お礼のメールを一斉送信する
<○>お礼のメールを個別に送信する
●飲み会の席でお酒をすすめられたとき
<×>「私、飲めないので」と断り、ウーロン茶を注文する
<○>「私、お酒はダメなんですが、ウーロン茶でも酔えるんです!」とウーロン茶を注文する
●食事をごちそうになったとき
<×>店を出たとき「ごちそうさまでした」とお礼を言う
<○>店を出たとき「ごちそうさまでした」とお礼を言い、翌日もう一度「昨日はありがとうございました」と電話かメールで伝える
――これらの例を見てわかるとおり「プラスアルファの一言」を添えるだけで、思いやりや気配りを感じることができます。相手を安心させたり、気持ちよくさせる言葉は何かを考え、一言加えることを意識してみてはいかがでしょうか。
後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト
1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。
EDIT&WRITING:青木典子
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