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【定着率の裏に理念あり】離職率が業界平均を大きく下回る鳥貴族の秘密

【定着率の裏に理念あり】離職率が業界平均を大きく下回る鳥貴族の秘密 f:id:k_kushida:20160426181906j:plain

前回は新卒採用後の1年以内離職率が15%の業界で、いち早く改革に着手したレオパレス21の事例を紹介しました。「不動産業、物品賃貸業」同様に深刻な業界は他にもあります。昨年10月に厚生労働省が発表した『新規大学卒業就業者の産業別離職状況』によると、「宿泊業、飲食サービス業」の1年以内離職率は20%。3年以内の離職率はなんと53%に上ります。

そんな業界にあって異色な存在が、焼鳥チェーンを展開する株式会社鳥貴族です。全メニューが280円(税抜)という低価格路線にもかかわらず、その安さとおいしさが評判を呼び、ここ10年で店舗数を急拡大しています。その鳥貴族、実は人材の定着率も高いのです。一体なぜ、そんなことが可能なのか。秘密に迫るべく、鳥貴族人財部 採用教育課マネージャーの久保山豪さんにお話を伺いました。

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▲鳥貴族人財部 採用教育課マネージャー 久保山豪さん

数字を追わず、利益が出たら社員に還元

鳥貴族は創業当時から、バブル時代も均一価格の焼鳥屋をやっていました。そして、当初からお金を追わない企業です。お金を追うと、お金に逃げられてしまう。「利益は目的ではなくて、理念を実現するための手段である」というのが創業者である代表大倉の考え方です。

店舗数の増加は最初の20年で50店舗という非常にゆったりしたペースでしたが、この2016年4月は1カ月だけで8店舗がオープンするというほどになり、500店舗に迫る勢いです。認知度が上がり、スケールメリットも利いてきて、仕入れ値も抑えられ、そこで出てきた利益をさらに商品価値を高める事に使ったり、きちんと社員に還元することで、「焼鳥屋で世の中を明るくする」という理念に邁進しているのが今の鳥貴族なのです。

入社して活躍する人だけを採用する方法

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採用に関して、われわれ人財部が一番こだわっていることは、むやみやたらに採用しないということです。たくさん採用しても、その分辞める人が増えれば、どれだけ採用活動に力を入れても、意味がありません。

事業規模は急拡大しているから、人手は欲しい。でもそもそも世の中全体で人が足りない。われわれは外食産業で、深夜帯も勤務がある業態なので、なおさら人が集まりにくい。そんな状況ですから、応募していただいた人をとにかく採用するという道もあるのかもしれませんが、鳥貴族で活躍できる人をちゃんと見極めて採用し、定着を図るほうがいいはずだとわれわれは判断しています。

そこで中途採用では去年から、二つの工夫を始めました。一つめは、選考会議の導入です。中途の場合、面接は必ず一対一で行い、しかも基本的に一次面接のみです。ただし、面接の段階では合否を判定しません。面接した人全員を対象に、関東担当の面接官、関西担当の面接官、私、人財部の部長の4人の合議制で合否を決定しています。これが毎週行っている選考会議です。

この方式だと、面接していない人からも、「この人はこの部分はどうなの?」「価値観はちゃんと合っていそう?」「店長になれるイメージある?」というような質問が出てきて、その分、精度が上がります。それに面接官一人の判断では、自分に似ている人を合格にしがちで、自分に似ていない長所を持っている人はマイナスに評価されがちです。タイプが違う4人の合議制を取ることで、それを回避しています。

来店経験が少ない人を店舗で面接することもありますね。1、2回しかお店に行ったことがなくて、しかもそのお店が郊外店だけという人だと、繁華街の店舗に配属されたら全然イメージが違い、とまどってしまうかもしれない。そんなギャップを生まないためです。

現在の中途採用目標は年間150名程度。毎月10人以上を採用することになりますが、外食産業の中では結構ハードルの高い数字です。それでも営業部からは「もっと採用できない?」と言われますし、その気持ちは良くわかります。しかし、入社人数を増やすことだけを考えてしまうと、採用しなくてもいい人、つまり鳥貴族に入っても活躍できない人を採用してしまうことにつながる。今以上に受け入れ体制が整ってくれば、もっとたくさんの人を採用できるようになるはずですが、それまでは採用の基準を下げずに対処できる方策を探っていきたいと考えています。

部門を超えて早期離職者減少に取り組む

そして、早期離職者を減らすための二つめの工夫は、入社してから1カ月前後の時期に、面接官が店舗に訪問するというものです。

今までは、入社後の社員に関しては配属された店舗任せの部分がありました。当然ながら、われわれも店長のことを信用しています。しかし、何か思うところがあったとしても、直属の上司である店長に対して、入社したばかりの社員が話しにくいこともあるのではないかと考えたんです。われわれであれば店長のかわりに、早めにキャッチできるかもしれません。

とはいえ、営業部としても早期離職者を出さないための取り組みは行っていました。彼らが責任をもって教育して、面倒を見ているところに、われわれが出ていって何かするというのは、「本当に対処できているのか」と疑っているかのように思われる恐れもありました。

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