「Lumines Arise」ディレクター石原孝士氏インタビュー シリーズ最新作“泣けるLumines”は立ち上がる男性の姿に注目:BitSummit the 13th

2025年7月18日から20日にかけて開催されたインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th」。ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStationブースでは、今秋PlayStation 5とSteam向けにリリースを予定しているエンハンスの「Lumines Arise」がプレイアブル出展。3ステージを遊べるデモがお披露目されました。本作でディレクターを務めるエンハンスの石原孝士さんにお話を伺うことができました。

Lumines Ariseとは

PSPのローンチタイトルとして2004年にリリースされえたパズルゲーム「Lumines」のシリーズ最新作で、原点に立ち返りつつ、最新技術によって音と光が織りなす共感覚(シナスタジア)体験を追求し、現代的に進化させた完全新作。

ひとつひとつが息づくブロックを操作し、爽快なコンボを決め、刻まれるビートに載せて様々な感覚が刺激され、旅を追えてときにはパズルゲームというジャンルを超えた唯一無二の深い感動が待っています。

30以上のステージを巡るシングルプレイヤーのJourneyモードに加えてクロスプラットフォーム対応のオンラインマルチプレイヤーモード、臨場感ある空間へ没入できるVRモードが用意されています。

あらゆるものが音楽的に動いていく

――新作の見どころを教えてください

石原:Luminesシリーズって結構(リマスター含め9作)リリースされていたのですが、ここ数年まったく出ていなかった間に表現力や技術力が進化しているので、進化に合わせて生まれ変わったLuminesを見て欲しいです。今回はゲームデザインを見直して、大きなブロックを作って消す「BURST」という要素を取り入れています。

▲BURST:タイムリミットが来るまで可能な限り大きなスクエアを作ると、タイムラインが再び動き出す際に画面を一掃する壮大なコンボとボーナススコアが獲得可能

――グラフィック表現はどのように進化しているのでしょうか

石原:次世代感のある光とか、色とか、ポリゴンとかアニメーションみたいなものは当然あるのですが、それだけではなくて。音の波形をうまくグラフィックに反映させる、音楽をビジュアライズ化するところは社内で技術を磨いてきて、それが今回形になっていると思います。あらゆるものが音楽的に動いていく、というところが結構ユニークなポイントかな、と思います。

――音楽はどのように制作されたのでしょうか

石原:今作は「Rez Infinite」や「テトリス エフェクト・コネクテッド」に参加したHYDELICというアーティストが社内に在籍していて、1人で担当しています。同じアーティストが手掛けることで深みのある音楽体験みたいなものができているかなと思います。開発と作曲は並行して行われていて、ステージに合わせて曲を作ったり、曲に合わせてステージを作ったり、結構キャッチボールなんです。細かくコミュニケーションをとりながら作っていくというのが、やはり社内だからこそできることですね。

――VRモードには、VRに特化した内容があるのでしょうか

石原:VR向けにきれいにチューニングされています。VRでしか見られないエフェクトが入っていたり、VRでしか感じられないHD振動みたいなものも入っていて、しっかりVR体験化していると思います。

立ち上がる男性に注目

――デモ版を3ステージプレイさせていただいて、プレイを進めていくと急に音楽やビジュアルが変わってビックリしました。遊んでいてストーリー性みたいなものを感じたのですが、この3ステージから先に進むとそれぞれのシーンが物語としてつながっていくのでしょうか?

石原:実は試遊していただいた3ステージは、全体からピックアップしたものなんです。正式な形では違う構成になっているんですけど、通しで遊んでいくとちゃんとストーリーとか、音楽的な展開とつながりみたいなものをしっかりと感じて、最終的には感動して涙を流していただけるものになっています。

男性が登場するステージの、立ち上がる姿がメッセージ性を感じていただけるポイントかなと思っていて、ああいう始まり方をするLuminesって今までなかったんじゃないかと。

編集部注:ステージ序盤の背景に、うなだれて座り込む男性が登場。プレイを進めると立ち上がって前を向いて歩きだし、男性の周りに光があふれていく構成に

今までのLuminesはアッパーな感じから始まるものが多かったと思うのですが、あの始まりにはすごくこだわりました。今回、男性が立ち上がる姿がキーアートに全部反映されています。今回ブースで配布しているステッカーにも。

エンハンス広報・マーケティング担当の工藤さん:Luminesはリマスター含め9作品作っていて、たぶんそういう暗い感じから始まるものってほとんどないんですよね。今作には過去のLuminesをオマージュしたステージもいくつかあって、そういう要素も楽しみつつ、ちょっと今までのLuminesとは違った雰囲気があるんじゃないかと注目していました。

ユーザーに近いイベント

――今回、BitSummitでお披露目になった経緯は。

工藤:PlayStationがインディーゲームフレンドリーで、私たちや様々なインディーゲームをプッシュしてくれる中でお声がけいただいて。今秋発売予定なので、私たちにも願ってもないタイミングでした。

――参加されてみていかがですか。

石原:TGSとは別のユーザーに近い位置にあるイベントだなという感じがしますね。あと、来場者もゲームに対して熱量が高い方が多い。ゲームを作るところから興味がある方もいらっしゃるのかな、という印象ですね。

ガジェット通信LIVEでプレイ配信します

7月25日(金)20時からのライブ配信番組「ガジェット通信LIVE」では、BitSummit the 13th出展作品からオススメタイトルをプレイ配信にてご紹介。Lumines Ariseのデモ版もプレイするので、アーカイブも含め是非チェックしてみてください!

インディーゲームの祭典「BitSummit the 13th」特集【前編】 / ガジェット通信LIVE #206(YouTube)
https://www.youtube.com/live/fayUa6zvznc

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

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