壁や床が選べる賃貸の魅力、DIY工房でご近所さんとの縁も

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「カスタマイズ+DIY」は賃貸部屋への愛着と人のつながりを生み出す新薬だ

賃貸でありながら、自分好みの壁紙や床材などの内装材を選べたり、入居後にDIYでリノベーションができるカスタマイズ賃貸。対象物件はじわりと増えているものの、「そんな部屋があるの?」「ちょっとめんどくさそう」なんて思っている人も多いはず。ここでは、実際にカスタマイズ賃貸で生活をはじめた女性の事例を紹介しよう。

手間と費用は最小限で、自分らしい部屋を実現する賃貸カスタマイズ

今回取材したのは、川崎市中原区を中心に、入居者が壁紙や床材を選べる独自の賃貸住戸サービス「カスタマイズ賃貸」を手掛けている、ジェクト株式会社。一般的に賃貸でカスタマイズやDIYができる物件というと、入居者がオーナーの許可を得て、自分好みにDIYしたり、友人・知人と一緒にワイワイ壁を塗ったり……というイメージがあるが、ジェクトの「カスタマイズ賃貸」では、入居者は入居前に好きな壁紙や床材を選ぶだけ。あとは入居に合わせてプロが施工してくれるというもの。リフォーム完了後の入居となるため、入居者にとっては、手間をかけずに自分好みの空間にすぐに住める、しかも入居者の費用負担はナシ!というのが最大のメリットといえるだろう。

一方で、普通の入居者なら、築古の部屋や退去後の掃除されていない「ありのまま」の状態の部屋を目の前にして、「壁紙や床材を選んでください」といわれても、部屋のイメージができなくて戸惑うもの。そこで、ジェクトでは、DIY工房兼カスタマイズ賃貸のショールームでもある「中原工房」に壁紙や床材の異なる4タイプのサンプル部屋を設置し、「この壁紙と床材を使うと、こんな空間になる」ということを実際に体感できるようにしている。

さらにDIY工房では、入居者自身のDIYもサポート。木製の家具やインテリアをつくる木材の加工作業場だけでなく、金属の溶接・加工作業ができる設備も提供している。特別な道具やスペース、スキルがなくても、プロの指導の元で、部屋のカスタマイズ+DIYを手軽に楽しめるというわけだ。

2015年にこのカスタマイズ賃貸で暮らし始めたHさんは、住まいの満足度を「最高!」と笑顔で話す。

「壁紙や床材を選ぶのも楽しかったですが、施工後の室内を目にしたら想像以上に素晴らしくて。ここまで印象が変わるんだという驚きもありました。また、これからDIYでどんどん快適な部屋にしたいですし、DIYで手を加える場所を考える楽しみができました」

現在、ジェクト担当者との話し合いで、階段下収納に扉をつける計画や、オーナーからの提案で、ピクチャーレールをとりつける計画も進んでいるという。【画像1】中原工房のショールーム。空間のイメージがつかめるほか、壁紙や床材などのサンプルを見ることができる(撮影:飯田照明) 【画像1】中原工房のショールーム。空間のイメージがつかめるほか、壁紙や床材などのサンプルを見ることができる(撮影:飯田照明)【画像2】地域に開かれた中原工房。道具を貸し出してくれるほか、DIYのノウハウを提供している(撮影:飯田照明)

【画像2】地域に開かれた中原工房。道具を貸し出してくれるほか、DIYのノウハウを提供している(撮影:飯田照明)

良いオーナー、DIY工房での出会いが満足度を高める

Hさん自身、ネット検索で偶然、ジェクトの物件に出合うまで、「賃貸物件をカスタマイズやDIYできるなんてまったく知らなかった」そう。今回入居の運びとなったが、単なる「壁紙や床材選び」にとどまらず、前述の「中原工房」を利用してダイニングテーブルもDIYで自作したという。

「ダイニングキッチンの作業スペースの狭さをカバーするために、ちょうどいいテーブルが欲しかったんです。私が言葉で伝えたイメージを、中原工房のスタッフが部屋の大きさに合わせた図面を起こしてくれて、休日の2日間でつくりました。つくっていく作業そのものが楽しくて仕方なかったですね(笑)。費用は材料費のみの1万2000円で、これは自己負担です」(Hさん)

天板にブルーのガラスが埋め込まれたテーブルは、初心者がつくったとは思えない立派なもの。裏側には収納もあり、オシャレなのに機能的な、世界でひとつだけの家具に仕上がっている。【画像3】休日を利用して、中原工房でDIYに挑戦。道具の使い方もプロがイチから教えてくれたそう(写真提供:ジェクト) 【画像3】休日を利用して、中原工房でDIYに挑戦。道具の使い方もプロがイチから教えてくれたそう(写真提供:ジェクト)【画像4】Hさんが自作したダイニングテーブル。オーナーは「新しいアイデアをもらった」と関心しきりだった(撮影:飯田照明)

【画像4】Hさんが自作したダイニングテーブル。オーナーは「新しいアイデアをもらった」と関心しきりだった(撮影:飯田照明)

また、今回、部屋選び〜DIYの工程で、うれしいことがあったという。それは、「人とのつながり」だ。

「以前は木造アパートだったんですが、大家さんに毎月家賃を手渡ししていました。私は人とのつながりがある住まいのほうがいいし、安心だと考えているんです。だから、この物件を通して、中原工房の担当者さんをはじめ新たな人とのつながりができたこと、また工房で一緒になったご近所さんと顔なじみになれたこと、これが思わぬ収穫でした」とHさん。

都会のひとり暮らしとなると、両隣に誰が住んでいるか分からないし、大家さんの顔も知らないということも少なくない。だが、カスタマイズ賃貸では、大家さんや不動産会社と打ち合わせすることもあり、必然的に距離も縮まるといえそうだ。また、工房で顔見知りになった人に「100円ショップはどこにあるの?」「◯◯はどこで売っているの?」など、暮らすうえで必要な街の情報も聞けたそう。

一方で、仕上がった部屋を見学したオーナーもその仕上がり具合に満足で、「新しい部屋の使い方のアイデアをいただいた」と喜んでいる。

「『カスタマイズ賃貸』というサービスは当社でも新しい試みです。通常の賃貸では釘一本打てない、といわれていますが、これは本来おかしなこと。カスタマイズはオーナーにも入居者にもメリットがありますし、何よりお互いに心地よい信頼関係を築いていけるのがよいと思っています」と、オーナーであるジェクト代表の市川さん。

「賃貸だからしょうがない」とあきらめるのではなく、「賃貸だからオモシロイ!」へ。まだ数こそ多くはないもののカスタマイズやDIYで楽しめる賃貸物件の人気は加速していくに違いない。●取材協力

ジェクト株式会社

・中原工房●賃貸カスタマイズ&DIY

『20代女子のセンスで築18年のメゾネットをオシャレ部屋に』
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