政府、緊急時避難準備区域の解除を決定 枝野氏「着実な一歩を踏み出した」
政府は2011年9月30日夕方、原子力災害対策本部を開き、福島第1原発事故を受けて原発から半径20~30キロ圏を中心に設定された「緊急時避難準備区域」の解除を決定した。枝野幸男経済産業相は記者会見で「着実な一歩を踏み出した」と述べ、細野豪志原発担当相も「大きな一歩前進」と語った。
解除対象は広野町、楢葉町、川内村と、田村市、南相馬市の一部。現在、この地域の住民約5万8000人のうち3万人が域外で避難生活を送っている。今後は各市町村が決めた復旧計画に沿って、南相馬市を先行に住民は順次帰還することになっているが、除染の問題や、学校、病院、交通整備の再開などさまざまな課題が山積しており、住民全員が安心して自宅に戻れるようになるまでには時間がかかりそうだ。枝野経産相は、
「着実な一歩を踏み出したと思いますが、区域解除に際し、避難をされている住民の方々にとっては放射能汚染や生活インフラにも不安があることを認識しています。復旧計画のカギである除染については、約2200億円の予備費を最大限活用するなど、国が先頭に立って取り組んで参ります」
と、東日本大震災復興対策本部や関係省庁が連携して万全の対応を行っていく意向を示した。また細野氏によれば、除染については平成25年度までに計1兆1482億円の予算を組んでいくという。
なお、警戒区域や計画的避難区域の避難解除に関しては、原子炉の冷温停止を目指す福島第1原発事故の収束に向けた工程表「ステップ2」が達成した時点で、検討に入るとした。また、汚染土の仮置き場に関しては10月中にロードマップを示し、中間貯蔵のあり方・選定についても地元自治体との話し合いを進めていくとのことだ。
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(中村真里江)
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