枝野経産相、総合エネ調の委員について「推進派か反対派かに割り切れるものではない」

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枝野幸男経産相

 枝野幸男経産相は2011年9月30日午前の記者会見で、来月3日に第1回の会合が開かれる経産相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会のメンバーの構成について「(原発)推進派か、反対派かと2つに割り切れるものではない」と発言。さらに、枝野経産相は「原子力発電あるいは原子力の利用について、多様な意見をできるだけ網羅(もうら)的に出すようなメンバー構成を考えた」と述べた。

 総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会は、大臣クラスが出席するエネルギー・環境会議と連携し、新しいエネルギー基本計画を策定することになっている。原発推進が基調となっていたエネルギー基本計画の見直しへ影響があるため、委員会のメンバー構成に注目が集まっていた。今月27日に発表された委員会の委員のメンバー構成は、およそ「原発推進派:原発反対派=3:1」とも言われている。

 会見で枝野経産相は、総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会の委員のメンバー構成について、ニコニコ動画の七尾功記者から「半々になるように考慮しなかったのか」と問われると、

「推進派か反対派かと、2つに割り切れるものではない」

と返答。その上で、枝野経産相は

「原子力発電あるいは原子力の利用について、さまざまな多様な意見がある。その多様な意見をできるだけ網羅的に出していただけるようなメンバー構成を考えたということだ」

と述べ、総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会のメンバーには偏りがないという見解を示した。

■枝野幸男経産相とニコニコ動画記者(七尾功)の一問一答

七尾記者: 総合資源エネルギー調査会についてなんですが、委員25人のうち原発批判派が一般には3分の1程度占めると言われておりますが、その受け止めと、丁度半々になるまでには考慮しなかったのか、この2点について。

枝野経産相: 推進派か反対派かと、2つに割り切れるものではない。おそらく委員の皆さん、例えば、いま反対派と一般的に言われている皆さんも、その二項対立的な意味でどちらかなんだということを、必ずしも真意と違うという方もいらっしゃるのではないかというふうにも思います。むしろですね、原子力発電あるいは原子力の利用について、さまざまな多様な意見がある。その多様な意見をできるだけ網羅的に出していただけるようなメンバー構成を考えたということでございます。

七尾記者: そうしますと、両論併記はもちろんのこと、多様な意見としての結論ということもあり得るのでしょうか。

枝野経産相: 最終的な取りまとめ方については、逆に一種独立性をもって、思考審議いただくわけですから、初めから固定的に「こういう出し方をしてください」ということを、どこまで申し上げるべきかは難しいところがあります。私はそもそも一般的に、例えば大臣とか内閣に対して意見を述べる機関については、無理やり一つの意見にまとめることが適切ではない場合が少なからずあると、従来から一般的にも思っております。そうしたことも含めて、ご審議いただくことになろうと思います。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] ニコニコ動画記者(七尾功)の質問部分から視聴-会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv65629703?po=news&ref=news#1:18

(山下真史)

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