【青森県南部町】史跡聖寿寺館跡から、南部氏の歴史を感じる
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県南部町を写真とともに紹介する。
Vol.372/青森県南部町
次に訪れたのは、南部町だ。この辺りは南部藩の発祥の地とされていて、今回は、「史跡聖寿寺館跡」という場所へ向かってみた。
周辺も含めて比較的静かな雰囲気で、案内所と書かれた新しい建物が建っており、そこが資料館にもなっていた。約500年ほど前、聖寿寺(しょうじゅじ)館は三戸南部氏が居城していた場所で、当時の北東北では、最大勢力として君臨していた。そして、最近の発掘でも、豪華な装飾品などが出土しているという。館内に入ってみると、確かにいろいろな出土品があることを知った。また、建物の近くでは「発掘調査中」の張り紙が張られていて、今も調査が続いているのだなあと。
館があった時代は室町時代から戦国時代ごろとされているので、なかなかその頃の時代を想像することは難しいかもしれない。でも、たとえば福井市の一乗谷朝倉氏遺跡へ訪れたとき、ここにあった城下町の歴史がわかりやすく紹介されていて、とても新鮮だった。聖寿寺館と南部氏の姿が調査を通してさらに細かく浮かび上がり、それが少しでも目に見える形になると、また感じる印象は大きく変わるのだろうなあと思う。
ちなみに、案内所で資料を見ているとき、「入部」という文字が印象的だった。これまでの歴史の中でも、新しい土地にやってくるとき、たとえばアメリカでは入植と言ったり、日本でも城であれば入城と表現したりするけれど、南部藩に関しては「入部」という表現があったのだ。ちょっとだけ部活動みたいだねと、個人的に思ったのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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