備えていますか?非常食
最低1週間分の非常食を
平成25年5月、内閣府が南海トラフ巨大地震について検討した最終報告によると、「まず地域で自活するという備えが必要であり、食料や飲料水、乾電池、携帯電話の電池充電器、カセットコンロ、簡易トイレ等の家庭備蓄を1週間分以上確保するなどの細かい具体的な対応を推進する必要がある。」と記載されています。
つまり災害時には、最低1週間は自分たちで何とかできるように備えることが、国民に求められているのです。
災害の規模や種類によって状況も異なりますが、発災時、水道・ガス・電気が止まり、食品の生産や流通も滞る可能性があります。
ライフラインが復旧し、日常生活に近い状態に回復するまで、長期に渡り避難生活を余儀なくされる場合もあります。
その間の食べ物や飲料水の不足に備えて、非常食を備えることは必須です。それではどのような非常食を備蓄すればよいのでしょうか。
まず発災直後3日間とその後に分けて、内容や保管方法を考えてみましょう。
発災直後3日間の非常食
発災直後3日間は、水や熱を加えなければ食べられないものよりも、缶入りパンや缶詰など、手間をかけないですぐに食べられるものが便利です。
フルーツの缶詰や一口羊羹のような甘味のあるものや、自分の好物も備えておくと、ストレスの緩和となるでしょう。
そして水分や栄養の補給の為に、野菜ジュース缶を備蓄しておくことをおススメします。
それら非常食と飲料水は、避難する時に持ち出す非常用持出袋に入れておきます。
一般的に非常用持出袋を持てる量は、男性で15㎏、女性で10㎏が目安と言われています。
家族人数分を用意して、それぞれが自分で管理する習慣をつけましょう。
もし、家族の中に乳幼児、高齢者、病人、アレルギーをもった人、ペットなどがいれば、個々に適した非常食を用意しておくことも必要です。
例えば、レトルトのお粥は、水分が多く消化も良いので非常に役立ちます。
発災後1週間前後の非常食
発災後1週間前後になってくると、少しずつ電気も回復し、ライフラインの状況も変わってきます。
例えば、電気炊飯器でお米を炊くことができれば、缶詰やレトルトなどの非常食も活用できます。
ただ、食べ慣れない食品を食べ続けることは、かなりのストレスになります。月に1度、非常食を食べる日をつくり慣れておきましょう。食べた分を買い足して多めに買い置きするという方法(ローリングストック法)をとれば、消費期限の問題もクリアされ、より実践的な非常食選びができると思います。
各市町村には非常食の備えがありますが、それには限りがあります。災害から自分自身や家族を守る為に、「自助」の精神で備蓄を始めましょう。
(仙波 誉子/防災士)
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