【明日への活力】絶対にスベらない!一度は食べるべき東京の肉店5選
一度? 毎日行けや!!!(憤怒
サワヤマです。花粉症の季節ですね。私は2月末から10日ほどドイツへ逃亡していたので比較的軽めなのですが、それでも帰国してからは鼻腔の奥にじんわりと花粉どもの侵入を感じています。毎年のこととはいえ、腹立たしい限りです。許せません。レイジ・アゲインスト・ザ・ヘイフィーバー。この時期は毎日、怒っているわけです。
そんな時は、うまい肉を食べて怒りを鎮めましょう。一度は食べるべき、東京の肉店5選をお届けします。一週間、このラインナップだけで埋めてもいい! 牛・豚・鶏・羊・馬の五大肉において、どこに出しても恥ずかしくない名店をご紹介いたします。一度と言わず、毎日食べろ、いや食べてください!(憤激
シャレオツタウンの世紀末覇者! ド直球ステーキ
『bistro oeuf oeuf(ビストロ ウフウフ)』(二子玉川)
二子玉川のシャレオツなレストラン街にたたずむ、フレンチビストロ。二子玉川駅を出て高島屋のだいたい裏手あたり、徒歩5分ぐらいのところにあります。
内装もシャレオツで、デートにも余裕で使えます。余裕です。しかし、来店の目的は「欲望に忠実」であること、すなわち肉。激ウマオードヴルの数々、花盛りのメインディッシュに目を奪われながらも、ここはフェイントなしに真正面からボリューム溢れる肉! 肉! 肉! これを味わいに来ました。
とはいえ、まずはオードヴルから。本日の自家製ソーセージ、エスカルゴのブルゴーニュ
風、ブーダン・ノワールのテリーヌ等様々なメニューがあります。今回は『田舎風豚肉のパテ』(950円)をセレクト。
厳選されたさつきポークをまるまる1頭仕入れ、あますところなく活用されています。固めのフランスパンに乗せて食べると、肉の塩味とパンの身のコクが合わさってナイス。
こちらは「本日の自家製ソーセージ」。噛みしめるほど美味い。バカみたいに美味い。記事コンセプト上、今回メインに紹介するのは牛なんですけど、ここは「さつきポーク」まるまる一頭仕入れて豚料理にも非常に力を入れているお店です。次回は豚メインの注文にしようかな。
そしてメインディッシュ、『牛肉のステックフリット』(2,600円)
どーん!!
技術の粋を集めたフレンチにすっかり油断していたら、暗がりから世紀末覇者が出てきて渾身のストレートをフンヌと放ってきた気分です。当然、指先ひとつでダウンです。どうですか、一眼レフの通常レンズに収まらないこの威容。見た目だけで、まずはツカミを狙えます。
下味をつけて一気に焼き上げ、岩塩をふりかけたシンプルな味わい。それだけに、素材の味がストレートに来ます。シャレオツなお店ですが、本質はここ。ド直球、欲望にストライク。サイドのフレンチフライもいい味を出しています。
食べ始めるとだいたいみんな静かになります。ミディアムレアに丹念に焼きあげられた外側は香ばしく、噛みしめると清々しい肉の味がジンワリと。話すのが勿体無い味わいです。ボリューミーなのに飽きがこない、口のなかでさっさとほどけるのは肉質の良さの証明ですね。
余談ながら「oeuf」とは「卵」の意味。卵が2つ、二子玉ってことですね。
<店舗情報>
bistro oeuf oeuf(ビストロ ウフウフ)
〒158-0094
東京都世田谷区玉川3-13-1 柳小路錦町1F
月曜日、第2第4火曜日定休(月祝日の場合、翌火曜休)
ソース直付けNG! 「豚組」のサクサクとんかつ
『豚組』(西麻布)
いいかい学生さん、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ
名作『美味しんぼ』の中でも最も人気の高い話としてたびたび挙がる、単行本11巻に収録されている『とんかつ慕情』。その中に、こんな台詞が出てきます。一切のえらさから遠ざかり、かといって貧乏すぎもしない37歳には大変しみる言葉でした。名言ですね。
ということで次は西麻布のとんかつ名店「豚組」へ。
こちらは、ランチにお邪魔しました。ランチメニューのイチオシは『ロース肉 デ・リュックス / 1800円』か『ロース肉3cm超厚切り / 1800円』。写真は『ロース肉3cm超厚切り』です。
一口目、とにかく軽い! 油っぽさがなく、ランチ後の仕事に差し支えなさそうな油切れのよさ。それでいて、味わいは深い。サクサクの衣を歯でかきわけると、内側からジューシーな豚肉がコンニチハ。和のテイスト溢れる店内は外国人客も多く訪れ、とんかつを頬張っていました。「お・も・て・な・し」とは例えばこのお店のとんかつ。そう、とんかつは紛れもない和食です。
で、食べ方。これは絶対守ってほしいのですが、ベタッとソースをかけては台無し。また、肉の味わいをしっかり感じてほしいので、まずは塩でいただきましょう。
お店が推奨する食べ方は、とんかつの切り口を上向き(衣がわを横)に、ソースは直接かけず小皿でその都度つけること。衣のサクサク感を、最後まで楽しめます。
ご飯、赤だし、キャベツ、香の物はおかわり可能。ランチ後のミーティングで眠くならないよう、食べ過ぎにはご注意。
女将さんの心配りが心地よく、気軽におかわりできる雰囲気です。外国人の友人を連れてくるのもいいでしょう。1人で孤独のグルメ気分で味わうのもgood。
<店舗情報>
とんかつ 西麻布 豚組
東京都港区西麻布2-24-9
11:30~15:00 (LO 14:00)/18:00~23:00(LO 22:00)
月曜日定休 (※祭日の場合は営業、翌火曜日振替休み)
http://www.butagumi.com/nishiazabu/
くさみゼロ! 三茶の奥に潜む、極上ラムの刺客
『本格ジンギスカン寅々』(三軒茶屋)
「ジンギスカンはくさい」と思っているすべての方に朗報! 強く強くオススメしたいのが三軒茶屋の名店「ジンギスカン寅々(とらとら)」。三軒茶屋の奥のほうにある、隠れ家的な名店です。
後で明るみになると面倒なので先に言っときますと、筆者サワヤマの親族が経営する店です。ただ、そんな理由で推薦することはありませんし、かれこれ100回近く飽きもせず訪れることもありません。てか、親戚の店ってむしろ敬遠しますよね? わざわざリスク負って紹介する時点で、どれだけ私がこの店を愛してるか逆に察してほしいわけです。
ここのお店のポイントは2つ。あり得ないほど柔らかく、くさみのない肉質。オーストラリア産『サフォーク』という種類の羊肉を採用。ひろーーい牧場で放牧された羊たちは、飼育の過程でくさみを捨ててしまうようです。ひたすら、肉の旨味のみを堪能できます。もう1つのポイントは、秘伝のつけダレ。絶妙の甘さを持ち、羊の味わいを最大限に引き出してくれます。お好みで赤唐辛子やにんにくを入れるとさらに旨さが引き立ちます。
今回は『ジンギスカン2種盛りセット1人前』(1,450円)をオーダー。
食べ始めると、皆さん無口になりますね。「でさー、あの件美味し、え、ちょっとまって、お前黙れ」という感じ。まさに、羊たちの沈黙(違)。内装はスタイリッシュですが、食事に集中しすぎるため合コンやデートにはあまり向いてません。大切な人たちに、極上の羊をリーズナブルに振る舞う際に最強のパフォーマンスを発揮すると思います。
油が相当飛びまくるため、備え付けの紙エプロンはマスト。
サイドメニューも極上ですよ。今回は『焼き筍』をオーダーしました。
マトン(生後1年以上の羊)もあります。くさみの犯人はマトンの脂にあると言われますが、もちろんここのマトンにもくさみはありません。
<店舗情報>
本格ジンギスカン寅々
〒150-0024
東京都世田谷区三軒茶屋1-5-17 カサデルデ B1
火~土18:00~24:00(LO23:00)
日・祝17:00~23:00(LO22:00)
http://jingisukan.tokyo/
みつせ鶏つくね+卵の犯罪的なコンビネーション!
『炭寅』(二子玉川)
親子丼……人間も罪深いメニューを考案するものです。そんなわれわれをさらなる罪悪感の深みに突き落とす名店が、二子玉川『炭寅』。『ウフウフ』さんとはご近所です。二子玉川はハイソな街のようで、実はコスパの良い名店の宝庫なんです!
佐賀県三瀬村の『みつせ鶏』だけを使用する、福岡・佐賀にルーツを持つお店。その肉質は恐ろしいほどです。てことでまずはもも肉(265円)を塩でいただきます。L字カウンターで調理場を囲む内装で、焼き上がり次第トレイに1本ずつ載せられていきます。炭火で焼いて塩をまぶしただけ、そんな単純な料理がどうしてこんなに心を打つのでしょう。
必ずオススメしたいのがこの『みつせ鶏のつくね 卵黄添え』(295円)。みつせ鶏のつくねと、卵。焼き鳥界の親子丼。丼界におけるポジションはかなり高い親子丼ですが、焼き鳥界におけるこのメニューも相当なもの。卵はプリン、と弾力がありなかなか割れません。新鮮さの証拠です。構うことなく、つけダレと一緒につくねを押し込み、がっつりまぶして食べましょう。
<店舗情報>
炭寅 二子玉川店
東京都世田谷区玉川3-11-1 柳小路東角1F
月~土 17:00~24:00(LO23:00)
日・祝 16:00~23:00(LO22:00)
http://www.sumitora.jp/menu#b-81176
獣出没注意! 美女と楽しむジビエの極地
『米とサーカス』(高田馬場)
お待たせしました、ここからは美女と肉のコラボレーションをお届け。モデルは、ハーフタレントの後藤ティファニーさんです。お店は『米とサーカス』さん。JR高田馬場の線路沿いに徒歩1分の好立地です。やや奥まったところにありますが、看板が幾つか出ているので迷うことはないと思います。
のっけから『カンガルーのタタキ』。使用部位は背肉。店主さん曰く「(調理法は)適当です」と謙遜されますが、タタキというチョイスは抜群。ポン酢、玉ねぎ、にんにくにショウガと肉のくさみを消し、旨味だけを引き出す仕掛け。柔らかい食感で、ご飯にも合います。オーストラリアといえばクジラを食ったら国際的に怒る人たちがいますが、カンガルーなら食べても大丈夫そうですよ!
続いて『エゾシカのハツ』。鶏に近い触感で、とにかくジューシー。シカ肉は血抜きが不十分だとくさみがでるそうですが、この肉にくさみは全然ありません。衣を外すと、牛タンのようなルックス。ビールにもよく合います。
『ワニの唐揚げ』淡水域の生態系の頂点に位置するワニ。ですが、東京にくれば唐揚げにされてしまうわけです。生態系の頂点は人間様なのだ、と強く感じます。で、ワニ肉。もちもちした、鶏のささ身に近い触感です。ゴツい見た目に騙されますが、脂分が少なめでどんな調理法にも合いそうですよ。
『馬刺し3種盛り』左から赤身、たてがみ、サシ。どれもさっぱりしているのにコクがあり、たてがみは噛めば噛むほど深い味わい。脂分が約3割、ゼラチン質約7割という成分のようで、赤身と一緒に咀嚼するとちょうど良い塩梅です。脚が速くなる予感しかありません!
『ラクダのとん平焼き』部位は肩ロース。ラクダといえばコブですが、肩とコブは違うみたいです。で、砂漠でも超生き延びる。だからか、肉は脂肪分が多めで甘みを感じます。卵との相性もいいですね。砂漠に放り出されても生き延びられる気がします。ちなみにラクダはコブに水分を集めるという話は、実は迷信のようで、赤血球の中に大量の水分を貯蔵しておくようです。砂漠で遭難する機会がありましたら、ご活用くだされば幸いです。
<店舗情報>
獣肉酒家 米とサーカス
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場2-19-8
17:00~翌5:00(L.O.4:30)
無休
http://miyashitakikaku.com/store/komecircus/
まとめ
いかがだったでしょうか。花粉症とかあんまり関係ないですし、そもそも動物性たんぱく質を摂り過ぎると怒りっぽくなる的な話もあるようですが、この際前フリとの整合性はどうでもいいです。
しょせんすべては、うまい肉を喰うための口実に過ぎません。上質な肉を食って寝る、それ以上に幸せなことがこの世にあるでしょうか。土日に行ってもうまいですが、やはり人気店は混みます。「明日への活力」ということで、平日にこそ行ってみてはいかがでしょうか。ていうか毎日行けや!!!(憤怒
文:サワヤマダイスケ(澤山大輔)
1978年12月生まれ、編集者。フロムワン(サッカーキング運営会社)、スポーツナビ、livedoorなどを経て独立。空手有段者、中学はバスケ。15歳の時、三浦知良のセリエA挑戦をきっかけにサッカーに鞍替え、未経験者にもかかわらず書籍十数冊に関わったり、編集・プロデュースした記事がヤフートップを何回か飾ったりした。「必死より必殺」をテーマにコンテンツ展開を行なう。最新の訳書「Mourinho ジョゼ・モウリーニョ自伝 」(東邦出版)が発売中。Twitter:@diceK_sawayama
モデル:後藤ティファニー (@gototiffany) | Twitter
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