“改革派官僚”古賀氏の処遇は? 枝野経産相「これまでの大臣の判断を引き継ぐ」
枝野幸男経済産業大臣は2011年9月20日の会見で、長期に渡り経産省の「大臣官房付」の職に就いたままになっている古賀茂明氏について、「本来は個別にコメントすべき性質のものではない」としたうえで、「海江田(元)大臣、鉢呂(前)大臣によって積み重ねられた判断と手続きが進められてきている。私としては、これまでの判断を引き継ぎこれを了とし、のちの手続きについては事務方に任せることした」と語った。
経済産業省で本来「異動待機ポスト」とされる「大臣官房付」の職に古賀氏は1年以上就いており、実質的な仕事のない状態だという。年功序列の見直しなど公務員制度改革に積極的であることから、「閑職に追いやられているのでは」との見方もある。この間に執筆した著書『日本中枢の崩壊』は民主党政権や霞が関のあり方を批判し、ベストセラーとなっている。
14日、古賀氏は枝野経産大臣に「仕事がないのであれば辞める」旨のメールを送信。翌15日には官房長を通じ「辞めてもらっていい」との大臣の言葉が伝えられたとされる。16日に古賀氏は、26日付けで辞職することを表明したが、同日夜には、自身のツイッター上で「辞表を撤回して再度大臣としての判断を求めることにしました」とコメントしている。
20日の会見で東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏から「古賀氏の人事について大臣ご自身のお考えはどうなのか。『辞めてもらって結構だ』と古賀氏に伝えているようだが、それは本当か」と問われると、枝野大臣は「一般的に次官であるとか局長であるとかは別として、本来は個別にコメントすべき性質のものではないと思っているし、一貫してそう申し上げているが、さまざまに報道されているので念のため申し上げる」と前置きしたうえで
「古賀氏については、海江田大臣、鉢呂大臣によって積み重ねられた判断と手続きが進められてきている。私としてはこれまでの判断を引き継ぎ、これを『了』とし、のちの手続きについては事務方に任せることした」
と語った。重ねて「そのことを古賀氏にお伝えするつもりはあるか」と問われると、枝野大臣は「ありません」と強い調子で語り、「事務方において適切に対応していただけると思っている」とした。
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv64430267?po=news&ref=news#0:20:34
(土井大輔)
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