自殺未遂、リストカット・・・「死にたい」と苦しむ人に大槻ケンヂ「辛いことも俯瞰で見れば笑える」
自殺未遂、「死にたい」と考えたことがある――。そんな体験を持つ文化人が「生き残ってきた」希望を伝えようと、「ストップ!自殺 ~それでも私たちは生きていく~」と題したメッセージライブに出演し、自作の詩や歌を引用しながら語った。イベントは2011年9月10日、「自殺予防デー」に渋谷で開催された。特別ゲストとして、歌手・大槻ケンヂさんが駆けつけ、うつについて「本人としては本当に辛いけれど、ちょっと俯瞰で見ると『これって笑えね?』というところにシフトできる」と語った。
このイベントの主催者で、病気の体験を語ったりパフォーマンスを行う「こわれ者の祭典」代表を務める月乃光司さんは、アルコール依存症やリストカット、薬物乱用による自殺未遂を繰り返してきたひとりだ。「今日死のう」と毎日のように考えていた20代半ば、自殺を踏みとどまらせたもののひとつが、大槻ケンヂさんの楽曲だったという。
特別ゲストとして招かれた大槻さん自身もまた、中学時代からうつ傾向にあったといい、今では浮き沈みを自分でコントロールするようにしていると話す。「うつ状態って本人としては本当に辛いけれど、ちょっと俯瞰で見ると『笑えね?』っていうところにシフトできるといいと思うんですよね」と大槻さん。月乃さんは
「ある人が(自身のハゲた頭を指して)『頭髪障害ー!』って(冗談を)言った。でもそれからハゲが気にならなくなりました。(中略)ネタにすることによってコンプレックスが消えたんです。笑いに昇華するっていうのもひとつです」
と帽子を取り、ハゲた頭部を披露ながら語った。かつては髪が抜けていくたびリストカットしてしまうほど容姿コンプレックスが強かったという月乃さんだが、今では笑い飛ばすことができる。
■うつ病患者を支える家族は「自分のことを一番に考えて」
また、同じく特別ゲストとして登壇した細川貂々(ほそかわてんてん)さんは、夫との闘病生活をつづった漫画『ツレがうつになりまして。』の著者だ。ある朝、起きてきた夫から「もう死にたい」と真面目な顔で打ち明けられた。夫はその日のうちにうつ病と診断されたという。細川さんはうつ病を患った夫を支えてきた経験を振り返り、
「『よくなった』って喜ぶと、またすぐに悪くなる。そうすると『やっぱだめか・・・』と自分も落ち込んじゃう。それに振り回されていると疲れるってことがあるとき分かって、私は振り回されないようにしようって。そしたらすごく楽になりました」
と語り、うつ病の患者を支える家族に向けて、
「支える側が元気でないと支えられない。この状況で自分がどうやったら楽でいられるか、自分のことを一番に考えるのがいいと思います」
とアドバイスを贈った。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 大槻ケンヂさんのアドバイスから視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv62986741?po=news&ref=rews#22:50
(境田明子)
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