大震災、生存者は平均19分で避難開始 わずか2分が生死をわける

access_time create folder政治・経済・社会
津波の被害を受けた建物(宮城県南三陸町)

 東日本大震災から2011年9月11日で半年が過ぎた。気象情報などを扱う株式会社ウェザーニューズは8日、東北大などと共同で行った「東日本大震災 津波調査」の調査結果を発表した。調査によると、東日本大震災にともなう津波で浸水した場所にいた人のうち、生存者は地震発生後平均19分以内に避難を開始していたのに対し、犠牲者は平均21分かかっていたとみられる。わずか2分の違いが生死をわけたことになる。

 調査は株式会社ウェザーニュースと東北大学の今村文彦教授、京都大学の矢守克也教授が共同で行ったもので、北海道や千葉県を含む太平洋沿岸の1道6県で被災した人から、自身と犠牲者に関する回答、合計5296件を得た。

 このなかで、震災発生後の津波で浸水した場所にいた人に対する「地震発生から何分後に避難したか?」という問いに対し、生存者は「直後」が11%、「5分以内」が12%、「10分以内」が10%、「20分以内」が14%と、平均19分で避難を開始したと回答している。一方、震災の犠牲者は避難開始までに平均21分かかったとみられ、津波からの避難は1分1秒を争うことが改めて浮き彫りとなった。

 なお年齢別にみた場合、避難開始が最も遅かったのは20歳未満で、生存者は22分、犠牲者は32分かかったとみられている。

 また、「建物の何階に避難したか?」という問いに対する生存者の回答は平均「2.9階」で、今回の津波の大きさを物語る結果となっている。

◇関連サイト
・東日本大震災 調査結果 – pdfファイル
http://weathernews.com/ja/nc/press/2011/pdf/20110908_1.pdf
・ウェザーニューズ – 公式サイト
http://weathernews.com/

(土井大輔)

【関連記事】
「何も無い。駅名標しかない」 写真で振り返る「被災鉄道」の惨状
「10メートル超の大津波」想定するも対策とらず 東電や保安院に「大変遺憾」と枝野長官
がれきの中でガソリンスタンド経営「おれがやめると、陸の孤島になってしまう」
「楽しいことでつらいことを上書きしたい」  ブイで作った「トトロ」の前で震災復興ライブ
観光バスで被災地へ 「ボランティア初心者」の第一歩

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 大震災、生存者は平均19分で避難開始 わずか2分が生死をわける
access_time create folder政治・経済・社会
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。