ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう
  • 『斉木楠雄のΨ難』インタビュー 佐藤二朗「橋本環奈が高校にいたら可愛すぎて男子は正気を保てないでしょ」
  • 『パシフィック・リム:アップライジング』監督&ジョン・ボイエガに「ぼくのかんがえたさいきょうのかいじゅう」を見てもらった!
  • 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でカイロ・レンはどうなっちゃうの? アダム・ドライヴァーを直撃!
  • 北野武からの出演オファーに「役者やってて良かった」 『アウトレイジ 最終章』池内博之インタビュー
  • 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で大大活躍中! チューバッカさん直撃インタビュー:動画  
  • 『スーサイド・スクワッド』のダイバーシティを担う二人に直撃 「人間関係を構築するのに必要なこと教えよう」
  • キアヌ・リーヴスに“仕事の流儀”を聞いてきた! 『ジョン・ウィック:チャプター2』が本日公開
  • 『マイティ・ソー バトルロイヤル』女戦士・ヴァルキリーを熱演! 声優・沢城みゆき「ロキ様ファンの方お友達になってください!」
  • 『レディ・プレイヤー1』キャストインタビューで判明!「実際にこの映画をテーマにしたゲームが発売予定だよ」
  • 俳優・中村倫也インタビュー「女子の周りから固める恋愛作成は逆効果な気がします(笑)」
  • 注目俳優・太賀インタビュー「誰しもが漠然とした不安を抱える10代だった」 映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』
  • 北原里英が映画主演で後輩に見せる“道”「AKB48が夢の通過点では無くゴールになっているからこそ」
  • 大泉洋『探偵はBARにいる』シリーズへの愛を語る「“好きなんだけど映画館には行かない”だと続かない」
  • コムアイ(水曜日のカンパネラ)インタビュー「お風呂に入った猫がシュッと細くなってしまうところが情けなくて愛しい」
  • 『アントマン&ワスプ』エヴァンジェリン・リリーインタビュー「7歳の息子がワスプになりきっているのをこっそり見てしまったの!」
  • 『ブレードランナー 2049』ハリソン・フォードインタビュー「仕事は好きなんだ。役に立ちたい。チャレンジが好き」

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

AlphaGoが誇大広告ぎみな件(A級リーグ指し手1号)

AlphaGoが誇大広告ぎみな件(A級リーグ指し手1号)

今回はブログ『A級リーグ指し手1号』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、https://getnews.jp/archives/1403045をごらんください。

AlphaGoが誇大広告ぎみな件(A級リーグ指し手1号)

Googleが開発した囲碁ソフトのAlphaGoが、世界で初めてプロ棋士に勝ったコンピュータとして大きなニュースになっています。Nature誌に論文が掲載されたのですが、仔細に読むといくつか不可解な点がありましたので、調査・考察してみました。

AlphaGoの論文はこちら*1から見えます。プロ棋士に勝ったこともありますが、何よりコンピュータ囲碁開発者(及び隣の分野のコンピュータ将棋開発者)を驚かせたのは、「既存の他の囲碁プログラムと対戦させた結果、495戦494勝だった」との報告でした。この報告は衝撃的で、これを読んだ他のコンピュータ囲碁開発者たちからは「俺の今までの努力が否定された」「目標を見失ってしまった」などの悲嘆の発言が相次ぐ始末でした。

*1:(現在は閲覧ができません)
https://storage.googleapis.com/deepmind-data/assets/papers/deepmind-mastering-go.pdf

論文から、AlphaGo、対戦相手のプロ棋士、及び他のソフトのレーティングを示したグラフを引用します。

AlphaGoが誇大広告ぎみな件(A級リーグ指し手1号)

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2016/02/a01.jpg

CrazyStoneとZenはこれまでは最強クラスとされていた囲碁ソフトで、この2つどうしは大体同じ棋力と言えるでしょう。それぞれ「最強の囲碁」「天頂の囲碁」として市販されています。Googleはこれらの市販ソフトと自分達のAlphaGoを対戦させてレーティングを出したとのこと。薄いピンクの部分は、4子置いたときの勝率の上がり方を考慮したものです。これによると、AlphaGo 1台とCrazyStone(以下”CS”と略記)/Zenの差はレーティングにして1000近く。勝率で言うと99%以上の圧倒的な差です。4子置いてもなお500近い差、となっています。

Fan Huiというのが相手のプロ棋士の名前です。(以下、棋士の名前は敬省略。)2段とのこと。囲碁プロ棋士のレーティングを示すサイト*2がありまして、ここによると(1月30日現在で)世界ランキング631位、レーティング2917です。上記のグラフは、Fanのレーティングを基準として、推定されるFanとの差から他ソフトを相対的に位置づけたものです。

*2:『Go Ratings』
http://www.goratings.org/

私自身もコンピュータ将棋をやる傍ら、一時期はコンピュータ囲碁を開発していたこともありまして、このニュースには強く興味を持ち、論文を読んでみました。すると、いくつか疑問点が出てきて、「このニュース/論文、どこまで本当なのだろうか?」と疑いを持つようになり、いろいろ考察してみました。

結論から書きます。

結論1)Google論文は「従来ソフトよりレーティングで約1000上回った」と主張するが、実際には技術的改良による向上分は200程度と思われる。この改善幅は、コンピュータ将棋では毎年実現されていたのと大差ない程度の幅にすぎない。

結論2)「プロ棋士に勝つ」ことは、実は技術的には従来から可能だった。Googleはそれを実際に(対局相手に対局料を払って)実現した、にすぎない。

以下、この結論に至った過程を順に説明していきます。

【疑問その1:CS/Zenのレーティング】

最初に「おかしいな」と思ったのは、CS/Zenのレーティングです。論文のグラフだと2000弱程度、4子で2500程度に見えますが、両ソフトの実力は本当はもっと高いことを示すはっきりした根拠があるからです。

これまでにプロ棋士対囲碁ソフトの対局はけっこう行なわれています。コンピュータ囲碁のウィキペディア*3にもいくつか書かれていますが、いちばんまとまっているのは(英語ですが)ここのページ*4だと思います。

*3:「コンピュータ囲碁」 『wikipedia』
https://ja.wikipedia.org/wiki/コンピュータ囲碁

*4:「Human-Computer Go Challenges」 『computer-go.info』
http://www.computer-go.info/h-c/

けっこうたくさんありますが、2012年以降、19路、人間はプロ、ソフトはCS, Zen, DolBaram(CS,Zenと並ぶ最強ソフトの一角)のいずれか、という対局だけ見てみましょう。この中では連笑は超一流(タイトルホルダークラス、レーティング3479)で、彼には5子で負け、6子で勝ちとなってます。このクラスには4子はきついようですが、武宮正樹、依田紀基、趙治勲、周俊勲あたりの3100-3200クラスにはけっこうな回数の対戦があり、4子でまあ勝ち越している感じ。正確な計算まではしてませんが、ざっくり見るかぎりCS/Zenの棋力は、4子置いたときに3200程度、と考えられます。

もちろん多少の誤差はあると思いますが、いくらなんでも2500というのは考えられません。つまり、Google論文では、CS/Zenの棋力を700程度不当に低く評価している、と言わざるを得ません。495戦494勝という対局結果についても、CS/Zenが実力通りならレーティング差からしてありえない話なので、何らかの理由で実力が出せない状況で対局がなされたのだろう、と推測されます。なぜこうなったのか、についてはまた後ほど論じます。

なお互先の場合は、Googleのグラフでは4子より500ほど下に見えます。つまり、4子のレーティング効果が500、と。これはトーナメントの結果ということなので正しいとしましょう。ただし4子といっても、プログラムの都合でコミ7.5目ありだそうなので、本来の(コミなしの)4子の差は500よりはやや大きいはずで、まあ600くらいとしましょう。すると互先のCS/Zenは2600程度と推定されます。

【疑問その2:AlphaGo論文の技術的改良点】

論文では、従来のソフトと比べて技術的にどのような点を改良したのかが書かれています。それを読むかぎり、まあ漸進的な改良で多少強くなることはわかるものの、レーティングで1000上がるほどのブレークスルーとは正直ちょっと考えづらい、というものでした。

1 2 3 4次のページ
寄稿の記事一覧をみる

記者:

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。