マンガ『あひるの空』に学ぶ、自ら変えようと行動することの大切さ――大事なことは全部マンガが教えてくれた
©日向武史 / 講談社
©日向武史 / 講談社
「マンガ」のあるシーン・ある言葉に、ハッと気づきを与えられたこと、勇気づけられたこと、ありますか?
普通に仕事をしているだけでは、なかなか気づくことのできなかった考え方など「マンガから学べた!」ってこと、あると思います。そんな仕事に人生にジンジン効いてくるマンガの1フレーズを紹介する「大事なことは全部マンガが教えてくれた」シリーズ。
今回は、何度も試合に負け、苦しみながらも成長していく主人公たちを描くバスケマンガ『あひるの空』(©日向武史 / 講談社)より、自ら変えようと行動することの大切さを感じる言葉をご紹介します。
何かが変わる、という期待感
人事異動や転職など、環境が変わるときには、期待と不安を抱くものです。特に現状に不満がある場合には、期待を抱く事の方が多いでしょう。しかし、本当に何かを変えたいのならば、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自ら変えようとしなければいけません。
そのことを教えてくれるフレーズがこちら!
誰かが変えてくれると思った。誰かって、誰だ?
©日向武史 / 講談社
主人公・車谷空が所属する九頭龍高校(通称:クズ高)バスケ同好会は、里見西高校と練習試合をすることに。里見西高校は、女子バスケは毎年県ベスト16に入るものの、男子バスケ部は毎年1回戦負けという状態でした。しかし今年から女子バスケ部の監督が男子バスケ部の監督も兼任することになり、里見西高校に所属する日高は、今年から生まれ変わるんだと意気込みます。監督から、これまででは考えられなかったくらいの練習量を言い渡されても、一人の脱落者も出さず、何とかついていく里見西高校のメンバー。しかし、いざ試合が始まると、クズ校の予想外の強さに圧倒され、大きく点差をつけられてしまいます。
思わぬ結果にやる気を失うレギュラーメンバー。そんな彼らの姿を見て、監督は全員交代を命じます。その時、初めて日高は気付くのでした。
だらしのないプレーをした仲間を見ても、主将じゃないからと何も言ってこなかった自分。監督のしごきに誰も脱落しなかっただけで、何かが変わると思っていた自分。3年生が引退して、自分たちの世代が中心となっただけで、何かが変わると思っていた自分。
誰かが変えてくれると思った。誰かって、誰だ?(©日向武史 / 講談社)
そんな自分を思い出しながら、日高は自分にそう問うのでした。
「変えてもらう」のではなく「変える」
現状に不満があるとき、「もっとこうすればいいのに…」と考えたことのある人は多いと思います。しかし、そう考えたことがある人は多くても、実際に変えようと行動を起こした人は少ないかもしれません。
何かが「変わる」時というのは、必ず誰かが何かを「変えて」います。漠然と「変えた方がいい」とか「変わる気がする」と思っていても、行動を起こさない限りは何も変わらないのです。「変えたい」と思っているのは自分のはずなのに、実際に変えるための行動は他人任せになってしまい、変えてもらう側に立つ。それでは、いつまでたっても、何も変わりません。
そのことに気付いた日高は、行動を始めます。
もう一度コートに戻してほしいと監督に頭を下げる。勝手なことをするなと他のレギュラーメンバーに咎められても、もう逃げるのはやめようと諭す。ゴールできると分かった瞬間に足を止めることがクセになっていたメンバーに、そこを治すように指摘する。
そうした一つひとつの行動が、徐々にチームの意識を変えていきます。徐々に点差を詰めていく里見西校。しかし、クズ高も負けじと応戦し、最終的には敗れる結果となりました。
意識が変われば、結果がすぐについてくるかと言えば、そうとは限りません。しかし、意識が変わらなければ、結果が出たとしてもそれは偶然であり、継続的に成果を上げることは難しいでしょう。
試合前、里見西校の監督はメンバーに「この試合に勝ちたい者」と挙手を求めました。各メンバーは手を挙げましたが、そこにあったのは「勝ちたい」という思いというより、「一応挙げとこう」という打算的な気持ち。試合後、監督が改めて聞いた「この試合に勝ちたかった者」という問いに、今度はメンバー全員が力強く、そして心から悔しそうに「ハイ」と声をあげます。
負けることに慣れ、惰性でバスケをやっていたメンバーが、一人の男の「変えよう」という意思に動かされた結果が、そこに表れていました。「勝利」という結果は手にできなかったものの、「変化」という結果を手にすることができたのです。
変化を期待するのであれば、他人任せにするのではなく、まず変えるための「行動」を起こすこと。仕事をする上でも覚えておきたい、大切なことではないでしょうか。
>>『大事なことは全部マンガが教えてくれた』シリーズ監修:リクナビネクストジャーナル編集部
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