漫画原作の巨匠・小池一夫「『まどか☆マギカ』は僕の考えの上をいく作品」
漫画原作の巨匠・小池一夫氏がキャラクター論を講義する「小池一夫のニコニコキャラクター塾!~実践篇~」が2011年8月21日、ニコニコ生放送で放送された。小池氏は今年最大のヒットキャラクターとして『魔法少女まどか☆マギカ』を挙げ、「僕の考えの上をいく作品」と最大級の賛辞を贈った。
小池氏は『子連れ狼』や『クライング・フリーマン』などを代表作に持ち、1977年に漫画作家育成のため「小池一夫劇画村塾」を開塾。『うる星やつら』の高橋留美子氏や『北斗の拳』の原哲夫氏ら、多くの漫画作家を育ててきた。その小池氏は番組で開口一番、
「今年どんなキャラクターが一番ヒットしたかと自分なりに考えると、やはり『まどか☆マギカ』であろうかと思う」
と『魔法少女まどか☆マギカ』について言及した。『まどか☆マギカ』は、今年2011年1月から4月まで放送されたテレビアニメ。平凡な中学2年生・鹿目まどかたちが「願いをひとつ叶えて」魔法少女になっていくなか、失っていくものとの間で葛藤する物語だ。小池氏は
「『エヴァンゲリオン』の後に何が来るかと思っていたのですが、それが『まどか☆マギカ』ではないか。『まどか☆マギカ』は、僕が漫画の原作を作ってきたのと全く逆の作り方だった。僕はまずキャラクターを立てて、設定を決めて、事件を起こす。そうやって分かりやすく進むけれど、『まどか☆マギカ』は何がなんだか分からない。謎が謎を呼び、ラストまでいってしまう。この引き方は、おそらく紙の文化の漫画の世界では作り得ない」
と『まどか☆マギカ』の作品作りについて分析した。また、その世界観についても、
「魔法少女になれば魔女にならざるを得ない。魔女になれば悪を行わざるを得ない。悪を行えば希望が消える。こういう考え方は僕の上をいきます。僕は漫画の世界で、これだけ大きな世界観を持つことができませんでした。ですから、負けたなっていう感じを持ちます」
と絶賛。「おそらく今年一番のヒットであろうし、これからも目を離さずに見続けていきたい」と語った。
(鏡)
◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv60251234?po=news&ref=news#00:33
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