不健康になるウォーキングと健康になるウォーキング その違いとは

不健康になるウォーキングと健康になるウォーキング その違いとは

 歩けば歩くほど健康に良いだろうと、毎日1万歩を目標にウォーキングをしているという方。そのウォーキングがもし誤った認識で行われているものだとしたら、健康に良いどころか、かえって不健康へと導いてしまう可能性があります。

 仕事で毎日1万歩歩いているのに骨粗しょう症になってしまったり、トライアスロンが趣味であるにも関わらず動脈硬化になってしまったり、犬の散歩を日課としている人がうつ病になってしまったりと、誤った認識で行うウォーキングは、ときとして病気をもたらしてしまうこともあるのだといいます。

 ではどのようにウォーキングを行えば、健康に良いのでしょうか。本書『やってはいけないウォーキング』が提唱するのは、”1日24時間の歩数=8000歩”と”中強度の運動を行う時間=20分”を組み合わせた”8000歩/20分”を指標とするウォーキング。1日8000歩の活動のうち、中強度の運動、つまり”なんとか会話ができる程度の速歩き”を20分行うことが、健康長寿を実現する黄金律なのだといいます。

 そもそも、なぜウォーキングを行うと健康に良いのかというと、体温を理想的にできるから。

 一般的に人間の平均体温は成長するにつれ少しずつ下がり、10歳前後で一定の値に落ち着くそう。しかし高齢になると再び低下。体温が下がってしまうと、免疫力が低下し病気にかかりやすくなってしまうといいます。実際、平均体温が1℃上がると免疫力は約60%アップ、1℃下がると30〜40%低下してしまうそうです。

 さらに理想的な体温のためには、平均体温を上げることのほかに、1日の最高体温と最低体温の体温差をできるだけ大きくすること、起床時よりも就寝時の体温を高めることが必要。

 この3点をクリアするためには、なんとか会話ができる程度の速歩きをする時間帯もまた重要であり、そのもっとも適した時間帯は夕方なのだといいます。

「夕方の4〜6時は人間の体温がいちばん上がる時間帯です。夕方に速歩きをすれば、筋肉に刺激が与えられ、血液のめぐりもよくなります。そして、ピークの体温がさらに上がります。そのため、最高体温と最低体温の差は広がります。
 また、夕方のピーク時から徐々に体温が下がり就寝時の体温に至りますから、夕方の体温が高ければ就寝時の体温も高くなり、起床時よりも就寝時のほうが高くなります」(本書より)

 理想は夕方のウォーキングですが、それが無理な場合は、起床後1時間以内。また、就寝前1時間以内は避けるようにしましょう。

 やりすぎでもなく足りなすぎでもない、ほどほどの運動こそが健康の万能薬。”8000歩/20分”を目安にしたウォーキング、試してみてはいかがでしょうか。

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