中古なのに新品としてゲームソフトを売っている店があった

筆者が小学生時代のときの出来事を語るとしましょう(昭和60年代)。学校帰り、いつも通っているファミコンの中古ゲームショップがありました。そこは正規にゲームソフトを仕入れることができない店だったようで、知り合いのゲームショップから新品ゲームソフトを譲ってもらっていたのを覚えています。問屋よりも割高ながら他のゲームショップから新品を仕入れていたのです。

中古をメインに販売していましたので、新品が入ることは少なかったように記憶しています。それでも新品の『月風魔伝』をそこで購入したのを覚えています。ゲームセンターで『源平討魔伝』にハマっていたため、似ているゲームが出ることを知って発売日に購入しました。

話がそれてしまいましたが、そこのゲームショップは中古をメインに売っているゲームショップでした。ある日、私はそこのゲームショップで信じられないほどのファミコンのクソゲーを買ってしまいました。人生ではじめて買ったクソゲーがそれです。しかも新品で買ってしまいました。ジャンルは海外でシリーズ化されているRPGの日本ローカライズ版です。

信じられないほどのクソゲーで気絶しそうになった私は、とんでもない行動に出ました。「ひどすぎる内容だから返品したい」と言って、そのクソゲーを返品しようとしたのです。今思うと本当に常識はずれです。ありえないことです。

もちろんゲームショップの店員さんも「すまん、無理だ……」と言ってきました。心中は察してくれましたが、やはり売ってしまったら中古になるので返品できないと言われました。「なら買い取ってほしい」と言ったところ、その買い取り価格は2500円くらいでした。目の前で客にクソゲー認定されたわけですから、そんなに高額で買い取れるはずがありません。

子どもながらに色々と考えて、店員に「それなら別のゲームと交換してほしい」と言い、どうにか説得して3500円くらいのゲームソフトと交換してもらうことになりました。タイトルは失念してしまいましたが、忍者系のゲームだったと思います。そのゲームもおもしろいとは言い難いものでしたが、最初に買ったクソゲーより1億倍マシでした。

それから数日して、筆者の同級生が私にこう言ってきたのです。「おまえ、あそこのゲームショップに『○○○○』売ったか?」と。確かにクソゲーすぎて別のゲームと交換してもらったので、そのときの事情を話しました。すると彼は「やっぱりな! クソーッ!」と言うのです。どういうことでしょうか?

どうやら友人は、そこのゲームショップで新品としてゲームを買ったらしいのですが、なぜか最初からセーブデータが記録されており、「△△△△」という私の名前が書かれていたというのです。まさかとは思いながら私に聞いてみたところ、その予想が的中したわけです。そうです。そこのゲームショップはゲームソフトが美品だったため、新品として売ったのです。

発売日から1~2日しか経過していなかったので新品でも売れると思ったのかもしれませんが、バッテリーバックアップ機能でセーブデータが記録されていることは知らなかったと思われます。今の時代にそういうことをしているゲームショップはないと思いますが、その友人はずっと「ひでえよ! 中古価格で売れよなぁー!」と言っていました。

ちなみに、私がクソゲーだと思ったそのゲームは小学生だったからそう感じただけかもしれません。オトナなら楽しめたかもしれないですね。そういうゲームはけっこう多いかもしれません。

※この記事は、ガジェ通ゴールドラッシュの「pinky」が執筆しました。

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