【モゲラプロジェクト】Flashゲームクリエーターインタビュー powered by 0stage 第2回:石井克雄(中編)
未来検索ブラジルは、Webゲームと、その作者であるクリエーターを紹介し、サポートしていく新サービスを準備中です。新サービスリリースに向けての新企画、Flashゲームクリエーターへのインタビュー第2弾は、引き続き石井克雄さんのお話を聞いていきます。(編集:未来検索ブラジル、インタビュー・写真:0satage 星野健一)
クリエーター:
石井克雄
仕事としてFLASHゲームの制作を行なう傍ら、ネコゲームス(http://nekogames.jp/)にて
個人でのコンテンツ制作活動を行なうクリエーター。
世界中でプレイされ大ヒットした「星探」シリーズをはじめ、多くのコンテンツを公開し、人気を集めている。
nekogames
http://www.nekogames.jp/
(前編はこちら)
デザイナーからの転進
星野
フリーになる前の仕事はプライズ機のデザイナーでしたよね。
石井
岐阜にある大平技研工業というゲーム会社で、プライズゲームの外観のデザインをちょっとばかり。
星野
デザイナーだけど、スクリプトを書けるじゃないですか。
スクリプトはどうやって使えるようになったんですか?
石井
昔、趣味でプログラムもやってたんで。
X68000 とかで、アセンブラとかも使って自分でゲーム作ったりして。
星野
68世代で、ドット絵も描いて。
この世代で、アセンブラもやってたんだと、スクリプトとかも抵抗ないんですね。
石井
でも、最初は分かんなかったですよ。
星野
Cとかは?
石井
Cまでやりましたね。
星野
ポインタまではOKだったと。
石井
ポインタまではアセンブラやってたから分かったんですけど、知らないうちにオブジェクト指向が流行ってたんで、スクリプトいじり始めたとき、最初は分かんなかったですね。
でも、今のプログラミングというかスクリプトに慣れちゃうと、昔どうやってプログラミングしてたのか、ちょっと思い出せないですね。
オブジェクト使わないでどうやって作ってたんだっけな、みたいな。
星野
(笑)。
ちょうどPCでやれる事を一通り、絵もプログラムも両方やっちゃって、一人で創るのが当たり前だった世代ってありますよね。
Directorで制作活動を開始
星野
フリーのときはどんな感じで仕事してたんですか?
石井
前の会社を辞めてすぐにフリーで働き始めたわけじゃないんですよ。
辞めた直後は、なんかボーっとしてたり。
星野
ボーっと(笑)。
ボーっと岐阜にいたんですか?
石井
辞めて東京に来て。
そのころはまだFlashとか流行ってないし、Webゲームとかもあんまりなかったんで、そういう仕事もあまりなく。
星野
そういうFlashとか、そのころはDirectorかな、そういうのでコンテンツを創る仕事をしようと思って活動してたんですか?
石井
そういうわけでもなく(笑)。
自分でなんか色々創っているうちにちょくちょく仕事がきだして。
最初のうちはあれですね、エロ雑誌とかに付いてる付録のCD-ROMとかのミニゲーム創ったりして。
星野
割と「マルチメディア」感のある(笑)。
石井
そう「マルチメディア」感のある(笑) 。
星野
そのころはDirectorを使って。
石井
Directorですね。
Directorの全盛期。
星野
Directorを触ったきっかけはなんだったんですか?
石井
専門学校でDirectorいじってて、面白いと思って自分で買っちゃった。
「仕事」で創るゲーム
星野
そしてそれが仕事になっていったんですね。
今、仕事ではどんなコンテンツを創ってるんですか?
プラットフォームとか。
石井
今は自社ポータルサイトの携帯Flashが多いですね。
後は、受託とか秘密の仕事とかもありますけど。
星野
秘密の(笑)。
携帯コンテンツって、どのくらいの規模で創るのが多いんですか?
石井
携帯コンテンツは大体一人ですかね。
一人で3日から2週間くらい。
星野
制作期間は企画も含めてですか?
石井
企画も含めて。
創りながら企画も考える感じですね。
星野
携帯Flashは簡単に創れるっていう印象がありますけど、実際は一人で絵もスクリプトも全部やらなきゃいけないから、結構大変ですよね。
機種依存の苦労とかありますか?
画面サイズの違いとか。
石井
画面は最近は240×240で大体OKで、大変なのは音だけですね。
音だけ機種ごとに違うんで、それが面倒くさい。
星野
仕事でも、完成した感っていうのは同じですか?
石井
自分の完成した感+プロデューサーの完成した感(笑) 。
星野
(笑)。
(ゲーム内容が)ひっくり返ったりします?
石井
プロデューサーの方が厳しいかもしれない(笑)。
割とすぐ「いいだろ完成で」と思っちゃいますね。
「個人」で作るゲーム
星野
仕事をしながら創るところで個人製作に割く時間ってどのくらいですか?
石井
時間か・・・、ほとんど仕事ですね。
星野
休みってどのくらい取れるんですか・・・って、なんか生々しくなってきてますけど(笑)。
石井
休みは、知り合いをちょっと手伝ったりとかもあったりするんで、あまり時間は取れないですね。
星野
結構、時間が限られた中で創っていくわけですね。
そうするとやっぱりしんどさとかもあるんじゃないですか?
石井
うーん、でも、本当に創りたくなると、仕事そっちのけで創っちゃったりもするんで。
ユーザーのレスポンスがモチベーションに
星野
仕事で散々コンテンツを創っているところで、更に自分でも創るっていう、その創るモチベーションってどこから来るんですか?
石井
やっぱり、ユーザーのレスポンスですね。
レスポンスがあるのはうれしいじゃないですか。
仕事のコンテンツって、すごいの創ってもあんまり反応がないんですよ。
星野
オフィシャル系のゲームポータルとかだと、ユーザーがレスポンスを返す仕組み自体がそんなになかったりしますね。
そういうレスポンスが少ないっていうのは、不安につながったりするんですか?
いいものが創れているかどうかっていう。
石井
仕事は、いいものができているっていう感じはしますね。
完成度がすごく高いし、完璧にできてると思いますよ(笑) 。
星野
そうか、その完成度高くできているコンテンツにもっと賞賛を与えよ、とか(笑)。
石井
もっと褒めよ(笑)。
そこまでじゃないですけど。でも、「ジップジャンソリティア」とか、きちんと創りこんでよくできてますよ。
星野
先日サルのようにやってました(笑) 。
石井
音楽がITOKENさんだったんですよ。
ITOKENさんに音楽提供してもらって。
「ジップジャンソリティア」ってサイズが3MBくらいあるんですけど、90%くらいが音ファイルで(笑)。劣化しないようにあまり圧縮しないで入れてるんで。
星野
そうか、音もそうだったんですね。
音も含めて、細かいところも丁寧に創ってありますよね。
タイトル画面でのキャラ紹介とか、ステージ始まるときに、下の牌がチラッと見えるところとか、演出とゲーム性のバランス的なところでも。
「自分向け」から「全世界向け」へ
星野
ちょっと話し変わるんですけど、基本ユーザーテストしないっていうことだったんですけど、ユーザーはどういう風に想定しているんですか?
石井
昔は自分向けで創ってたんですよ。
自分向けだったんで、全てのゲームがすごい難しかった。
それを易しくしようとし始めたのが、「星探」あたりからで、自分では簡単過ぎるくらいに創るのが結構難しいですね。
星野
今までのユーザーのリアクションをみてきて、そういう風になってきたんですね。
ネコ系は確かに難しいと思いましたね。
昔は自分向けで、今は誰向けになるんですか?
石井
全世界向けです。
星野
なるほど。
クリアしてもらわないとしょうがない、っていうところでやってるのがすごくいいなぁ、って思ったんですけど、それは、限定したユーザーではなくて、全ての人に向けたコンテンツだったからなんですね。
「全世界向け」いいですね。
0stage 星野健一 プロフィール:
ゲーム業界で開発に携わりながら個人でもウェブゲームを製作。
「オフィちゅラブ」で「OCNゲームxなつゲー Flashゲームコンテスト」グランプリを受賞。
現在は個人や同人で活動するクリエイターや、それを目指す人たちをサポートするためのウェブサービス提供に向けて活動中。
ブログ:
0stage-blog
※このインタビューの全文は、0stage(http://0stage.jp/)でご覧いただけます。
宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
TwitterID: shnskm
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