デジタル対応テレビでゲーム機をより楽しむ方法
2011年7月24日、かねてより報道されていた通り地上アナログ放送が終了しました(※東北三県を除く)。これからのテレビ放送は全て地上デジタル放送になるため、各家庭ではこの日に向けてデジタル放送対応(いわゆる地デジ化)準備を進めてきました。総務省の7月24日の発表によると、地デジ化未対応世帯の比率は全体の1%未満とのことで、既に多くの世帯が地デジ化を済ませているようです。
地デジ化の方法は、地上デジタル放送に対応するチューナーを購入する方法もありますが、近年の省エネ志向の高まりもあり、この機会に液晶HDテレビ(High Definition TV、ハイデフ・高精細テレビ)を購入した世帯も多いのではないかと思います。
一方、せっかくデジタル対応テレビを購入したのに、PlayStation3やXbox360といったHD対応ゲーム機を今まで通り付属のビデオケーブルで繋いでいる方も多い様です。今回は、ケーブル接続を見直してゲーム機の能力をより引き出す方法や、ゲーム機に標準搭載されているメディアファイル再生機能についてご紹介します。
1.テレビとゲーム機の接続方法を見直す
PlayStation3やXbox360の本体を購入すると、テレビ接続用に”コンポジット接続ケーブル”が付属してきます。これはいわゆる”ビデオケーブル”と言われるもので、実はこれではHDゲーム機の映像能力を引き出すことが出来ません。
※画像はPlayStation3公式ページ、Xbox360公式ページからそれぞれ引用
まずは、ご家庭で使用しているテレビの入力端子を確認してみましょう。もし”HDMI入力”があったらしめたもの。HDゲーム機の映像をグッと美しく楽しめる可能性があります。
ゲーム機の映像能力を最大限発揮するには、”HDMIケーブル”が最適です。”D端子接続ケーブル”という選択肢もありますが、実はこちらはアナログ接続。HDMIならたった1本のケーブルでデジタル接続出来るのでオススメです。HDMIケーブルは、量販店で千~数千円で販売しています。
※Xbox360はHDMI未対応の世代も存在するので、背面の端子を確認してみましょう。
HDMIケーブルを利用すれば、接続するTVのスペックにもよりますが、今までモヤっとしていた画像がシャキッとして、より高精細な映像を楽しめます。せっかくのデジタル対応テレビの能力を最大限引き出すためには必須と言えるでしょう。
2.ゲーム機の表示モードを変更する
さて、HDMIケーブルでゲーム機とテレビを接続したら、その能力を最大限引き出すためにゲーム機側の設定を行いましょう。ここでは、PlayStation3とXbox360の設定方法について説明します。
■PlayStation3の場合
XMB(クロスメディアバー)で「設定」→「ディスプレイ設定」→「映像出力設定」を選びます。HDMIケーブルで接続しているなら、HDMIを選択して設定方法を自動にすれば、その状態で最適なモードが自動的に選ばれます。うちのTVは1366×768の少し古いアクオスなので、1080iが選択されました。
■Xbox360の場合
Xbox360の場合は、本体設定で「ハイビジョン(HDTV)設定」を選び、適切な解像度を選択します。テレビ側が対応していないモードはグレー表示になり選択出来ないようになっています。うちのテレビの場合は、720pまたは1080iのいずれかが適切なようです。
両機種とも正しい設定を行うことで、ゲームをはじめ各種メディア再生もテレビに適切な解像度で表示をすることが出来るようになります。
3.DLNAを使ってメディアファイルをテレビで楽しむ
あまり知られていない様なのですが、実はPlayStation3やXbox360は、ゲームやBD/DVDだけでなく、様々なメディアファイルを楽しむことが出来る”DLNA(Digital Living Network Alliance)クライアント機能”を標準搭載しています。
具体的には、LANに接続されたDLNA対応HDDレコーダー・PC・NAS(ネットワーク接続ストレージ)などのDLNAサーバーに記録されている動画(AVI/MP4等)・音楽・画像を再生出来るのです。
操作方法はとても簡単です。PlayStation3・Xbox360、どちらもLAN上のDLNA対応機器を自動的に認識してくれるので、あとは再生したいメディアファイルを選ぶだけです。
PlayStation3なら、クロスメディアバーを「ビデオ」「音楽」「画像」に切り替えると、認識したDLNA対応機器の名前が自動的に表示されます。機器を選択すると「ビデオ」「音楽」「画像」「再生リスト」という階層が表示されるので、「ビデオ」の場合は「ビデオ」のように、同じカテゴリを選びましょう。すると、記録されたメディアファイルがリスト表示されるので、見たいものを選んで決定ボタンを押せば再生が開始されます。
Xbox360も同様で、ビデオを見たい場合は「ビデオライブラリー」を選ぶと、リストの下にDLNA機器の名前が表示されます。これを選択し、再生したいメディアファイルを選べばOKです。
なお、PlayStation3・Xbox360で全ての種類のメディアファイルが再生出来る訳ではありません。例えば、AVIファイルはPlayStation3では再生出来ないものが多いのですが、Xbox360ではXVIDでエンコードしたものなどかなり特殊なファイルも再生出来ました。一方MP4ファイルは、PlayStation3で再生可能な比較的高ビットレートのファイルが、Xbox360ではややコマ落ちが目立つなどの差があるなど、どちらも一長一短があるようです。このあたりは色々試してみると良いでしょう。
なお、DLNA対応HDDレコーダーなどの民生機をお持ちでない場合、ちょっとした工夫でDLNAを楽しめる環境を構築することが出来ます。
このように、ゲーム機との接続を見直したり、ゲーム機の隠された機能を利用することで、地デジ対策で買ったデジタル対応テレビの能力を引き出すことが出来るようになります。あなたも、眠っているテレビやゲーム機の能力を覚醒させてみませんか?
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ganzo777」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
ゲーム業界でプログラム・作曲・ディレクターなど、四半世紀近く働くオジサンゲーマー。これまでの業界経験をベースに、ゲームをはじめ、アニメ・コミック等の話題を中心に語ります。息子をゲーマーとして英才教育中!
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。