備えあれば憂いなし! 「消火器」の選び方
空気が乾燥するこの時期は、肌荒れや風邪など、いろいろなトラブルが起きやすい季節。なかでも注意したいのが火災。秋冬は火災が起きやすいと言われているため、自宅に消火器を用意しておくと安心だが、どんな消火器を選べばいいのだろうか?
消火器には2種類あり。住宅用消火器を選ぼう
今年10月に、インターネットで動画配信中だった男性の部屋で火災が起き、某ネットショッピングサイトで消火器の注目度が高まったことは記憶に新しい。身近に消火器があればすぐに消火できたかもしれないだけに、自宅に消火器を準備しておくことが大切だろう。とはいえ、消火器にはいろんなものがあり、選ぶのが大変そう……。そこで、一般社団法人日本消火器工業会・和田洋一さんに、消火器に関することを伺ってきた。自宅用に消火器を購入するなら、どんな種類を選べばいいのだろうか?
「消火器を大ざっぱに分けると、防火対象物に応じて『業務用消火器』と『住宅用消火器』があります。『業務用消火器』は、法的に定められた防火対象物を設置対象にしています。『住宅用消火器』は、一戸建て住宅などに設置するために開発された消火器ですので、ご自宅に消火器の設置を検討されているようでしたら『住宅用消火器』をオススメします」(和田さん)
消火器といえば赤色を思い浮かべるが、住宅用消火器にはクリーム色や緑色、キャラクターが描かれているものなど、さまざまな種類があり、家庭にもなじみやすいそうだ。では住宅用消火器を選べばいいだけと思うかもしれないが、実は住宅用消火器のなかでさらに種類があるのだとか。
「住宅用消火器に使われている消火薬剤には、粉末と強化液という液体の2種類があります。どちらにもメリットがあるので、両方あると効果的ですが、まずは1本を備えていただければと思います」(和田さん)
粉末消火器は、広範囲の消火向けタイプ。例えば灯油ストーブによる火災は、床にこぼれた灯油に火がついて広がってしまうことがあり、そういった場合に粉末消火器は有効とのこと。ただし、細かい粉末が広範囲に広がるため、使用後の掃除に手間がかかるとも言われているそうだ。
液体系消火器は、冷却効果と浸透性に優れており、深部から消火するタイプ。冷却効果で天ぷら油火災や、浸透性で布団や座布団など布類の火災に効果を発揮するそう。薬剤液体であるため、使用後の掃除がしやすいのもメリットのひとつ。
住宅用消火器はデザインもさまざま(画像提供:一般社団法人日本消火器工業会)住宅用消火器は1万円ほどで購入できる
さて、消火器の種類は分かったので、あとは購入するだけなのだが、売っている場所が分からず……。和田さんによると、防災の専門店やホームセンターなどで取り扱っていることがあるとのこと。価格は販売店により異なるので一概には言えないが、住宅用消火器の定価では9800円(税抜き)などの製品が多いそう。多くの販売店では、1万円程度で購入できそうだ。
また、購入した消火器はすぐに使用できるように、火災発生時に避難経路上になる玄関や、火元の原因になりやすいキッチン周りに置いておくといいそう。ただし、コンロの奥に消火器を置いていたがために、火災発生時に消火器が取れなかったケースがあるそうなので、火元になりうる場所から離したほうが安心。
ほかにも、湿気により消火器がサビてしまうこともあるので、湿気の多い場所や水まわりの近くも設置場所としてはNG。キッチンに置く際は、少し注意が必要かもしれない。
ちなみに、消火器には使用期限があるとのこと。「住宅用消火器は製造後約5年で使用期限を迎えます。不要となった消火器は、『消火器リサイクルシステム』を利用して廃棄してください」(和田さん)初期消火で消火器を使った場合、75%以上は消火に成功しているデータもあるそう。実際に火災が発生して消火器を使用する際は、あわてずに火元を狙って消火し、消火を万全にするために薬剤を最後まで放射するようにしよう。●取材協力
・一般社団法人日本消火器工業会
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/11/27/101480/
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