今さらながらキングジムのデジタルメモ『ポメラDM100』を使い倒してみた

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記者発表会の現場に行くと、よく記者たちがノートPCを使って待ち時間に記事を書いたり、写真を整理したりしてる。
芸能人が出演するような発表会では、いわゆる早出し記事を速報するために開催前からわかっていることを先に書いているのだ。

記者は早出しをする必要がないため、このようなことはしないが、それでも取材がダブルヘッダーだったり、トリプルヘッダーだったりすることはまれにある。そういう日は前の取材現場の記事をざっと書いておかないと忘れてしまいかねない。かといって、ノートPCは重いしバッテリーの問題もあるので、そうそう持ち歩きたくない。

そんな中で、キングジムのデジタルメモ「ポメラ」を使用している光景に出会うことがある。
なんだか便利そうなので、記者も手に入れて使ってみた。

写真は取材現場でカメラバッグの上に置いたポメラ

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DM100は同社の製品でも比較的新しい部類に入るが、それでも発売から数年は経過しているので、新製品とは言えない。
当時の様々なレビュー記事を読んでみると、芸人さんがネタをメモるために使用したり、ビジネスマンがテキスト資料を打って後でPCで形を整えるような使い方をしているとある。

ネットにつながるわけでもないし、単にフルキーボードでテキストが打てるだけのシンプルな設計。記者としては果たしてどこまで使えるのか。全機能を網羅できるわけではないが、ビジネスマンの使用ヒントになれば幸いである。

モノクロの画面にテキストを打つことができ、作成したテキストはBluetoothを搭載しているのでPCやスマホに転送できるほか、外部キーボードとしても使える。

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カレンダーボタンを押すとカレンダーが出てくる。もちろん予定の入力も可能だが、Bluetoothという通信機能を持っているのでgoogleカレンダーとの同期機能があるともっと便利なのだが、それはなさそうだ。

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辞書としても使える。国語、和英、英和の3辞書が搭載されている。
電子辞書代わりにもなるのだが、記事を書く時の用例や用語を参照するのにはちょうど良い。
しかもTFT液晶でバックライト搭載なので、暗い会見場でも不自由なく使える。
写真は「新幹線」という単語を国語辞典で引いたところ。

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辞書を参照するだけなら、電子辞書でも事足りるが、これをテキストにコピー&ペーストすることができるので、自分の文書の一部に活用することができる。英和や和英辞書で特に役に立ちそうな機能だ。

写真は自分の文書に国語辞典で引いた「新幹線」の項目を貼り付けたところ

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さて、様々なシーンで作成した文書。
例えば、誰かと簡単な打ち合わせ程度でミーティングをしたとする。ポメラを使って備忘録程度に打ち合わせの内容をテキスト文書にまとめたとする。
打ち合わせが終わって、「では、さようなら」と別れたのでは、相手にはメモは残らない。あくまでも自分のメモにしかならない。
もちろん、後でメールで送ればいいのだが、ここで超アナログ的な、しかし目からウロコの隠し玉「技術」が飛び出す。
QRコードだ。

QRコードボタンを押せば、今打った文書がQRコードで画面いっぱいに表示される。

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これを、スマホのQRコードリーダー(たいていはカメラ機能を使用する)で読み取れば、相手のスマホにメモが残り共有できる。

写真は、「新幹線」の項目テキストをQRコードに変換し、スマホで読み取ったところ

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このアナログチックだが、メモをちぎって渡すがごとくQRコードで読み取る技は、特筆すべき機能だ。
さて、話は横道にそれるが、右上に少し大きい穴が開いている。ストラップホールにしてはでかすぎるが、1センチメートル程度のひもが通るようになっている。
写真は、同社のテプラで作成したリボンを通しているが、電車の座席で打って乗り換えで画面を閉じたときに、ひもを手に通してスクラッチバッグのように手に持てば重量は全く気にならずに歩くことができる。
首からぶら下げるのは大げさとは思うが、できないことはない。

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しかし、どうしても記事をネットに接続して帰ってすぐにPCで編集したい場合もある。
もちろん、Bluetoothで転送したり、SDカードを介して転送したり、東芝のWi-Fi機能付きSDカードであるFlashAirにも公式に対応しているので、それらの機能で転送はできる。

しかし、ちょっと面倒である。そこで、クラウド同期を前提にするならば、こんな方法がある。
まず、ネットに接続されたスマホでGoogle Keepを起動する。
Google Keepは、クラウド上にリアルタイムで同期するメモのようなもので、そのGoogle Keepを起動したスマホの外部キーボードとして本機をBluetoothで接続してしまうのである。外部キーボードとして使用する場合はもはや本機の画面は必要ないので、画面の上にスマホ御置いてしまえばミニミニPCの出来上がりだ。

本機はATOKを搭載しているのだが、外部キーボードして使用する場合のIME制御は残念ながらスマホ側となる。
しかし、打ったその都度、クラウドに同期していくので、帰ってPCを開けばすぐに続きを打つなり、記事として編集するなり、転送作業を飛ばして好きに利用できるのが便利だ。

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ビジネスマンでは、パワーポイントやエクセル等のオフィス製品を使用する例も多いと思われるが、スマホにも最近は優れたオフィススイートがあるので、その気になれば本機とスマホだけでビジネス文書を作成することができる。
連続使用時間は単三電池2本で約30時間なので、おそらくスマホの電池の方が先に切れるだろう。また、単三電池なので24時間どこででも手に入るのがうれしい。電車でスマホばかりいじっていたのが、本機をいじっているとスマホの電池を消耗しないという消極的な副産物まで出てきた。

最先端技術を盛り込んだわけではないが、シンプルにただテキストを打つことだけに特化した本機は、記者にとって案外手放せないデバイスとなりそうだ。

※写真はすべて記者撮影

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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